YOSHIの果てしない旅(人々との出会い、そして別れ)

ソ連、西欧列車の旅、英国滞在、欧州横断ヒッチ、イスラエルのキブツ生活、シルクロード、インド、豪州大陸横断ヒッチの旅の話。

パリの旅~私が見た事、感じた事その5、フランス・パンの話

2021-08-01 16:10:34 | 「YOSHIの果てしない旅」 第4章 西ヨーロッパ列車の旅
5、フランス・パンの話

 日暮れともなれば、そのままのフランスパンを3つも4つも持ち抱え、通りを歩いている主婦や労働者を見掛けた。60~70㎝の長いパンを何も包まない(非衛生的と思えるかも)で持ち歩く姿は、日本人にとって変わった格好であり、大都会の真ん中で市民生活が丸見えであった。それはパリの食生活を嗅ぐ思いであった。このフランスパンはとても硬かった。私はなかなか噛み切れなくて、3日後に歯茎が痛くなってしまった。アハハハー・・・

パリの旅~私が見た事、感じた事その4、お巡りさんの話

2021-08-01 15:52:18 | 「YOSHIの果てしない旅」 第4章 西ヨーロッパ列車の旅
*お巡りさんの話

 パリのお巡りさんは、特色、特徴があった。彼等は丸い帽子を被り、交通整理、パトロール、或は観光客の道案内をしたりして、市内のあちこちで見掛けた。彼等は一般の人達より背が高くスラットとしていて、皆ハンサムであった。お巡りさんは、パリのもう一つの『顔』とも言えた
                          

パリの旅~私が見た事、感じた事その3、セーヌ川の辺(ほとり)の話

2021-08-01 11:34:50 | 「YOSHIの果てしない旅」 第4章 西ヨーロッパ列車の旅
*セーヌ川の辺(ほとり)の話
 
 パリ中央に流れるセーヌ川の辺は、人々が集い、色々な人の為のエリアになっていた。ギターに合わせて歌う若者達の為の場所だったり、ヒッピー達の屯する為の場所だったり、若い恋人達が愛を確かめ合う為の場所だったり、観光に疲れた我々の為の休憩所だったり、釣り人の為の場所だったり、日光浴をする為の場所だったり、芸術家達が絵を描く場所の為だったり、セーヌ川は多種多様な人々の為の場所であった。セーヌ川は、正にそのままパリの風物詩であった。
そして、セーヌ川に沿って絵葉書や版画、或いは絵画等を観光客相手に売る店が結構多かった。又、ルーブル館近くのセーヌ川の橋にチョークで絵を描いている若者達が多く居た。パリは、まさに『芸術の都』、そんな雰囲気に溢れている街であった。

パリの旅~マサオは優しかった

2021-08-01 09:06:37 | 「YOSHIの果てしない旅」 第4章 西ヨーロッパ列車の旅
△マサオの部屋にて・・・Illustration drawn by Miho Yoshida(By M Yoshida)

・昭和43年(1968年)8月1日(木)晴れ(マサオは優しかった)
 私と鈴木はホテルを出て、マサオの部屋へ行って見た。今日も居なかったが、ドアは施錠されていなかった。彼はイギリスから帰って来て、何処か用事で出掛けているのだと思った。彼から手紙で、『いつでも自由に使っても構わない』と言う承諾を得ていたから、私はそうする事にした。
 
 我々は階段を上って3階の10畳程の広さの部屋に入った。部屋には、床に足の無い使い古したベッドと薄汚い毛布2枚、そして壊れそうな箪笥に似た物入れが1つあるだけで、その他は部屋に何も無かった。天井からは裸電が細長い赤布と共に垂れ下がっていた。明かりを点けても薄暗い部屋、これでは本や新聞等が読めない状態であった。
部屋の外の階段脇にあるビデ付きトイレと台所は、隣の部屋のベゼネイラ人と共用であった。部屋の大通りに面した小窓を開けると、外の眺めは良く、パリの香りが部屋の中に入って来たが、この部屋とは余りにも似合わない感じであった。
「パリ滞在中、自由に僕の部屋を使って下さい」と言ってくれた心優しいマサオは、どんな人であろうか。
 
 我々は、荷物をここに置いてパリ見物に出掛け、午後9時30分頃に戻って来た。10時30分頃、2人は小さな薄くて硬いベッドに各自、毛布1枚ずつ身体に巻いて寝た。
間もなく(11時過ぎ頃)したら、マサオが帰って来た。初めて対面した彼は、我々2人を快く迎えてくれた。
彼が留守していた訳は、「イギリスの友達に会いに、一昨日パリをヒッチで出立し、昨日イギリスへ渡ったが、滞在費を持ち合わせていない為に入国出来ず、引き返して来た」と言う事であった。後日の話ですが、私もイギリスへ渡る船中で、滞在費のチェックを受けた事があった。イギリスは、他の西ヨーロッパ諸国の中で一番入国審査が厳しかった。
マサオは、「往復ヒッチで昨夜は、その辺に駐車してあった車の中で寝たが、寒くって辛かった」と話していた。何はともあれ彼は我々を温かく迎えてくれて、親切な感じで良かった。

 今夜は遅いので寝る事にした。我々がベッドと毛布を使用しているので、彼の分がなかった。彼は直に床に身を伏せるように寝た。厚着して寝たのでないから、夜中は冷えると思った。我々の為に申し訳ない気がしてならなかった。