YOSHIの果てしない旅(人々との出会い、そして別れ)

ソ連、西欧列車の旅、英国滞在、欧州横断ヒッチ、イスラエルのキブツ生活、シルクロード、インド、豪州大陸横断ヒッチの旅の話。

マドリードの旅~マドリードの印象の話

2021-08-04 16:03:25 | 「YOSHIの果てしない旅」 第4章 西ヨーロッパ列車の旅
△繁華街にての私~シエスタ時で人も車もまばら

*マドリードの印象の話
 マドリードに来て驚いたのは、駅や街で警察官や兵隊がやたら目に付いた事であった。スペインにとって悲しい事だが、まぁ今日になってもフランコの様な独裁政治を続けている国は、西ヨーロッパでスペイン(ギリシャは軍事政権)だけであった。
 
 大きな通りの全ての十字路では土のうを積んで機関銃を備え、主要な箇所・建物、中央駅の各出札口、或はホームに警察官や兵隊が鉄砲を担いで警備しているのは、民衆や乗客を威圧していて、権力・武力によって抑え付けている感じが良く分った。
学生や若者による暴動が起こり、スペインは近い将来、情勢が変わり民主国家になるであろう、と今まで各国を見聞して来た過程で、容易に想像が出来た。
 
 スペイン人の背の高さは、一般的に私と同じか、或はチョッと高いぐらいであった。 しかし、警官・兵隊達は、皆背が高く、体格も良かった。良い体格の者は皆警察官や兵隊に召集してしまうのか、街では若者が見掛けなかった。そんな事情で、街の雰囲気や市民の表情は、どことなく暗いイメージであった。

 西ヨーロッパは、〝経済的に一体化〟(EECからEC)になろうとしている昨今、スペインだけがいつまでも閉塞状態でいられるか疑問であり、フランコ総裁の独裁政治がいつまでも続くとは思わなかった。


マドリードの旅~フランコの独裁国家

2021-08-04 09:42:41 | 「YOSHIの果てしない旅」 第4章 西ヨーロッパ列車の旅
△ユース近くの公園でスペインの美女達に囲まれる

・昭和43年8月4日(日)晴れ(フランコの独裁国家)
 目が覚め、起きて外を見た。それは素晴らしい光景であった。半砂漠化の様な木が生えていない山岳地帯を、列車は縫うように走っていた。山々が幾重にも連なり、そして列車はそれを越えて行った。

 マドリードに着いて、地下鉄を使ってユースへ行く事にした。マドリードの地下鉄の電車は古く、速度は遅く、車内は本も読めない暗さ、おまけに座席は木製、駅構内は暗く、汚い感じであった。
ユースがある駅まで最初、3ペセタ(15円)払って切符を買ったが、乗換駅出口で駅係員が切符を回収しているので渡してしまった。その乗換駅改札口を入るのに又、2ペセタの切符を買って入った。次の乗換駅で新たに買った乗車券を又、渡してしまった。3度乗換駅で3度2ペセタ払って切符を買って電車に乗らなければならなかった。改札を出なければ、乗り換え出来ない駅構内になっているのは、ここだけであろう。乗り換えの仕方と言うのか、切符の使い方と言うのか、最初分らず、4ペセタ余計に払ってしまった。後から分った事であるが、本当は最初の切符を通しで使えたのだ。乗り換える度に係員へ申し出て、『乗り換え証明のスタンプ』を押して貰うのが正規の乗り換え方法だったのだ。
地下鉄の乗り換え時、こんなやり方をしている国は他にあるか、と思った。言葉が全く通じず、苦労しながら電車に乗っている状態なので、乗り換えシステムが理解出来ず、4ペセタも無駄なお金を使ってしまった。20円と言ってもケチケチ旅行している私にとっては、無駄にしたくない金額であった。1ペセタは5円と言っても、こちらでは1ペセタを50円の感覚であった。
 
 スペインは、ヨーロッパで英語が一番通じない国であった。駅を降りてユースへ行くにも何回も道を尋ねて、苦労しながらやっと辿り着いた。ユースは空いていたので直ぐに泊まる事が出来た。我々は疲れているし眠いので一休みした後、市内へ散策に出掛ける事にした。

 市内散策後、ユース近くの公園で休んでいたら、我々の近くで3歳位の子供が1人、サッカーをやっていた。ボールを蹴っては走り、走っては蹴り、その光景は微笑ましかった。遠くの方を良く見ると5~6人の子供達がやはりボールを蹴って遊んでいた。スペインはサッカーが盛んな国、そして世界でもトップクラスであるらしい。それで『なるほど』と思った。日本はサッカーをやる人は珍しかった。このサッカー競技について、日本は後進国であった。
私のサッカー経験は、中学1年の体育の時間で何回かした程度であった。日本では子供から大人までスポーツと言えば、野球が盛んだ。特にプロ野球のテレビ観戦は、娯楽の一番人気になっていた。日本のサッカーは、いつになったらオリンピックやワールド・カップに出られることやら。
 その公園で我々はまだベンチに座っていると、スペイン女性4人が話し掛けて来た。4人とも皆、感じの良い女性で、その中に私好みの女性が1人居た。彼女は茶色の髪をスラット長くして、白の半袖セーター、短めの白のスラックス、目はキョロットして口元はしまり、胸の膨らみは良く、足もスッラとしていた。しかし、言葉がお互いに通じず今一つ、話しは盛り上がらなかった。もっと彼女等と話をしたかったのだが、本当に残念であった。