・昭和43年8月7日(水)曇り(フランス人高校生と出逢う)
朝食を海辺に面した大広間の食堂で取った。そこから青い海、回りの山々、そして山の中腹にあるキャンプ場が見えて、展望はとても良かった。こんなに素晴らしい場所が余り観光地化されていない、正に穴場であった。
昨日、ホテル代が安かったので朝の食事は付かないと思っていたのだが、付いて良かった。朝食は、軽食(トースト2枚のマーガリンとマーマレード付き、野菜サラダ、そしてコーヒー)であったが、私は量的に充分であったし、素晴らしい景色を眺めながら食べたので、余計に美味しかった。
今日、家族や友達へ手紙を書いたり、日記を付けたりして過ごした。書き終わって手紙を出しに街へ出た。郵便局の場所が分らないので向こうから遣って来た若い女性に尋ねた。そうしたら彼女は私をわざわざ郵便局まで案内してくれた。彼女は私が手紙を出し終わるまで待っていて、私がホテルへ帰るのも付いて来てくれた。可笑しいなと思い尋ねたら、「貴方が宿泊しているホテルで夏休みの間、アルバイトをしている」との事であった。
彼女は、私がこのホテルに宿泊している事を知っていたのだ。「なるほど、だからわざわざ案内して又、私の行く所と一緒だったのだ」と私の独り言。彼女の名前は、Broch(ブローチ)と言って、かわいらしいフランス人高校生であった。でも彼女は英語を私より話せなかった。
それから後は、一日中寝ていた。