夢屋だより

那須高原・古民家のカフェ夢屋より、カフェの新着情報・染め織りの記録、その他つれづれ日記などをupします。

ローストポークになっちゃうから。

2007年05月26日 | 舞台・映画話

金曜ロードショーで『紅の豚』を観ました。

いや~懐かしい。最後に観たのは小学生のときだった気がします。

今、久しぶりに観ると、全然違う風に受け取れました。

小さい頃には気づかなかった深いところが見えたり、当時と違う感じ方をしたり、すごく新鮮でした。

子供のときも、大人になってからも、それぞれに楽しめるというのはすごいことだと思います。

『ラピュタ』とか『風の谷のナウシカ』とかに比べてスケールが小さかったし、あのころはすごく好きという作品ではなかったのですが、今回観て一変しました。

なんか・・・すごくいい。マイベストジブリかもしれません。

画も綺麗だし、ほのぼの感がなんとも言えないですね。

キャラクターも生き生きとしていて。それにあのラスト・・・素晴らしいですね。

これ!といった強いメッセージがあるわけではなく、見ている人に「さあさあ、考えて!」って言っている感じがしないんです。ただ面白い。

真っ白な落書き帳のように、見る人が自分の中で自由に線を書き、色をつけられる。そんな感じがします。

だからこそ老若男女問わず愛されるのでしょう。

豚っていう設定もすごいですよね。

豚がいる画というのは絶対に自然ではないけれど、小さい頃はまったく意識してなかったです。

今観ても、「そっか、豚になっちゃったのね。」って違和感がない。それ以上に、愛すべきキャラクターとして生きている。

雀は『山月記』に似てるなと思いました。読んでもらえば分かるのですが、ある男が虎になっちゃう話なんです。

はい、よく分かりませんね。百聞は一読にしかず、読んでみてください。

さて、雀さんはもともと、ジブリ作品が大好きですよ。

とくに『もののけ姫』にどっぷりとハマりましたね。

それはもう、ビデオがすり切れて見れなくなるまで見続けました。

台詞も一字一句言えるくらいで、当時ではめったに日常会話に出てこない「オタク」という称号をつけられたほどです。

それでも今観たらきっと、今まで観たことない『もののけ姫』があるのでしょう。

うーん・・・ジブリすごい!

でも、最近のジブリ作品はちょっと違うかなと思います。

確かに映像はすごく綺麗で、ストーリーは奥が深くて、壮大で・・・でも、『千と千尋の神隠し』や『ハウルの動く城』や『ゲド戦記』の数時間より、『ナウシカ』や『紅の豚』や『平成狸合戦』の数時間のほうが楽しいです。

何かこう・・・辻褄が合わないというか、しっくりこない感じがします。

ずっと観てきて大好きだったものが、だんだん変わってきてしまう。なんだか寂しいですね。


手持ちブタさん

2007年05月21日 | 舞台・映画話

わらび座のミュージカル「義経」を観てきました。

中間テスト直前に何をやってるんだあんたは。

非常に耳が痛いですが、いいんです。不可抗力です。

わらび座ですが、知る人ぞ知る秋田の劇団です。大きいです。全国公演してます。

雀はわらび座と、縁があるんです。これまた不思議な巡り合わせでして・・・話せば長くなるんですが、話します。

あれは中2の頃でした。当時雀は、こう・・・ぽやぽやしてまして。

はい、わけ分かりませんね。何か、フワフワしていて・・・要するに手持ちぶさただったんですね。

そんな時、知り合いの方から、今度秋田の劇団が公演に来るから、実行委員をやってみないか、とお誘いいただきました。

即答です。ええ。

ほとんどが、チケットを売ったり、ポスターを貼ったり、ビラを配ったり、地味な仕事でしたが、すごく楽しかったです。

舞台というと脚本家がいて、監督がいて、演出家がいて、俳優がいて、と華やかな表舞台しか見えません。でも、こういう仕事をする人も、目立たないけど大切で、いろんな人達が集まってやっと舞台ができるんだ、と気づくことができました。

当日、なんと舞台の準備を手伝わせていただきました。

お~!あのセットの裏はこうなっているのか。

のわっ!俳優さんが歩いてる~!(いや、歩きますよ誰だって)

と、雀感激。でもちゃんと働きましたよ。

長い間頑張ってきた後で観る舞台は、感動もひとしお。劇団の人達の気持ちに少しだけ近づけた感じがしました。

その後も、そのころの繋がりで、ワークショップに参加させてもらったり、チケットをまわしてもらったり、不思議とそこから色々な方向に関わってきて、何か切っても切れないような縁ができました。雀にとって一番身近な劇団です。

そんなわけで、今回も中間直前でありながら、チケットを買ってしまったのです。

「義経」・・・いや~良かったですね。音楽がすごく綺麗でした。義経を演じた役者さん、実は雀が委員をした「男鹿の於仁丸」で主演していた方なんです。思い入れが強いっていうのもありますが、声がいいし、表現力がすごい人だと思います。

あと、藤原泰衡やってた人、すごい引きつけられる感じがしました。

ストーリーは、やはり大河的なので、(絶対に必要なんだけれど)背景などの説明が多かった感じがしました。スケールはそんなに大きくなくても、雀は「男鹿の~」のほうが好きです。「男鹿の~」は秋田の民話を元にしていて、素朴で、でもしっかり伝わってきて、・・・とにかくすごく良かったです。

地方の劇団は、都会の劇団にはないものを持っているので、流されないで、ずっとわらび座でいてほしいな、と雀は思いました。


なまら面白い。

2007年05月08日 | 舞台・映画話

この前、父の実家のある、北海道へ行ってきました。

とにかく広い。

デパートの売り場が。

売り場というか通路が広いです。車で通れるくらい広い。やっぱり北海道はでかいんですね。

そして、なんと・・・

定食屋の天丼に大きなエビが4匹ものっているんです

那須の天丼なんて、甘エビかと思うような代物なのに。

同じ国内で、こんなにも世界が違うのかと、雀は感動しました。

さて、久しぶりに従姉妹に会い、近況を話すと、どうもナックスという演劇集団にぞっこんらしいのです。

この人たちがどんなにカッコイイか、どんなに面白いか、と従姉妹は熱弁するのですが、

写真を見る限り、特別かっこいいとは思わないし、

この頭モジャモジャの人は時々テレビで見るけど、あとの人は全然知らないし、

雀さんは興味を示しません。

「へ~、そう。」

しかし、従姉妹は公演のDVDを見ろと言って聞きません。

雀さんは仕方なく、見てみることにしました。

・・・・面白い。

とにかくすごく面白くて、どんどん引き込まれるようなお芝居でした。

なんだろう・・・このユルさ。でも、真剣。

きっと、この人たちは演劇が大好きで、自分たちがやりたいようにやってるんだなって、ひしひしと伝わってくるんですよ。

たった五人でやっているのに、それを感じさせないパワーがありました。

一人一人がキラッキラしてて・・・カッコイイじゃないですか。

雀感涙。

もう、ここで出会えてよかった。

雀はすっかりナックスの魅力に取り憑かれてしまったのです。

その後、他の公演のDVDを徹夜で見たのは言うまでもありません。

本州では、ナックスのことを知らない人が沢山いると思いますが、北海道では、それはもう大変な人気なんですよ。

人気というか、愛されていると言うべきやもしれません。

帯広で映画を見に行ったとき、コマーシャルフィルムで「げげげの鬼太郎」が始まりました。

一瞬、大泉洋が演じるネズミ男が出てきました。

すると、そこら中からどっと笑いが起きたのです。

大泉さんをすごく身近にかんじているからなんでしょうか、とにかく、その「どっ」に、すごく暖かいものを感じました。

雀は、同郷のガッツ石松にそこまでホットな反応はできないです。

ナックスの公演も、番組も、とにかくユルいんです。

「視聴率を上げなきゃ。」とか「売れなきゃ。」とか、全然考えていなくて、

自分たちが面白いと思うことを勝手にやってて、

だからこそ北海道の人達に愛されているんだと思います。

でも、それこそがエンターテイメントを提供する側とされる側の健全な関係なのではないでしょうか。

東京からの電波に乗ってやってくるバラエティー番組は、あまりに必死で、はたして創る側は楽しいのだろうかと、考えてしまいます。


それが人生。

2007年05月07日 | 舞台・映画話

今回も、雀の舞台話につき合っていただきます。

あきらめましょう。

雀のブログですから。

さて、前回はミュージカルについて熱弁いたしましたが、

すばらしい舞台の世界はそれだけではありません。

雀はオペラ大好き人です。

またサーッと引いた人いますね。

確かに、お値段的に敷居が高いです。

目玉飛び出すほどのお値段です。

でも、良いです。すんごく良いです。

ビリビリってきます。なんかもう良いです。観ましょう。

雀は『トゥーランドット』と『蝶々夫人』を、祖母に連れて行ってもらい、観ました。

トゥーランドットはシンプルで抽象的な舞台が、印象的でした。

ここ。ここが、舞台の不思議です。映画なら、本物のロケ地で撮影できますが、舞台は、完全なセットを造ることはできません。

逆に言えば、リアルなセットでなくても、役者の台詞、表情、動作、照明や効果音などから、観客は自身のイメージをふくらませていくことができるのです。

椅子が一脚と机があるだけで、そこに世界が広がるのです。

いやいや、すごいですね。

人間の表現力、想像力は量り知れません。

ちなみに、雀が一階席で観ていた時、小泉さんと荒川選手が二階席の真ん中で観ていたそうです。

何故か感じる不公平感。

これが人生ですね。

『蝶々夫人』・・・プッチーニさんありがとう。

外国の人が創ったのに、すごく日本を視ている感じがしました。

美しい。

結構な悲劇だけども、観た後のこの気持・・・美し~い。

もちろん、雀が観るのは、ミュージカルとオペラだけではありません。

歌舞伎好きです。生で観たことはありませんが、「暫く」とか、「義経千本桜」だとか、楽しかったです。「助六」観たいです。生で観たいです。

文楽も好きです。だんだん人形が人間に見えてくる不思議。いやいや、感嘆です。くわって顔が変わる人形もあるんですね。素晴らしいです。感激です。

そしてもちろん、お芝居。

と、偉そうに言っておりますが、雀さんまだお芝居を劇場で観たことありません。

あらら~。

意外や意外。

でも、好きです。

三谷幸喜さんの舞台観てみたいんです。三谷さんの映画大好きです。

「ラヂオの時間」が特に。ドタバタして、グチャグチャになって、最後ちゃんとまとまる。そして面白い。ぜひ観てください。DVD出ています。

喜劇を創れる人ってすごいと思います。人を泣かすのは結構なんとかなりそうだけど、笑わすのは難しい気がします。スベる危険性をはらんでいますし。

そして知ってる人は知っている、NACS(ナックス)。

北海道のローカル劇団です。

団員5名です。

本州の人も知っているのは、大泉洋さんでしょう。

元は大学の演劇サークルの仲間で、今や北海道ではトップスターです。

この劇団はぜひ紹介したいです。

と、いうことで次回はNACSの話をいたします。

異論・反論・質問・注文、受け付けません。