夢屋だより

那須高原・古民家のカフェ夢屋より、カフェの新着情報・染め織りの記録、その他つれづれ日記などをupします。

にしても安易なネーミング。

2009年09月14日 | ゆるゆる日記

久しぶりに稽古もバイトもない日が出来たので、友達と池袋散策に行ってきました。

まずは前回の劇団の照明さんに教わった、演劇用品の専門店を友達に紹介するために東通りへ。

このお店、とっても奥まったところにあるし小さいのに、色々な物が安く手に入るという知る人ぞ知るお店です。

雪駄なんてどこでかえばいいのか分からないし、ガチ袋なんてほんとにどこにもないし、このお店はそういう演劇に必要なものは一通り揃っていてとてもありがたいです。

前回来たときはただただ珍しくて(お金もなかったし)ずっと見てまわっていました。

棚のてっぺんに箱があって、机や椅子の脚に取り付けるような製品の写真が。「あ~、滑らないようにするやつね・・・」と思って商品名を見てみると『よくすべ~る』

ん?んん?・・・『テーブルや椅子などの家具の移動がらくらくに!』・・・あ、そうか。舞台では動く方が便利なんだ。

とまぁ、およそ普通の店では売られていないような物が山のように積まれていて、見てるだけでも楽しい店なのでぜひ友達に教えようとおもったのですが・・・「日曜定休日」

仕方ないのであきらめて、今度は友達にネコカフェに連れて行ってもらいました。人生初ネコカフェ。受付で手続きをすませ諸注意を聞いて、いざ店内へ。

ね、ねこが・・・ねこがワラワラおる~!

落ち着いた店内にはいくつもソファーが置かれ、マッサージチェアやドリンクサーバー、漫画が詰まった本棚まであるといういたせりつくせり空間。そこに10匹以上のねこがウロウロ。幸せ以外の何物でもないでしょう。

東京に出てきてから5ヶ月、一度も猫を触っていなかったので喜びもひとしお。さっそく手近のキジトラをなでなで。

・・・って、逃げたー!

ヲイ!商売にゃんこだろ仮にも!なんだその愛想のなさは!うちのちび丸を見習いなさい。撫でられてる間中じっとしとるぞ。まったく。別料金で金を取るならもっと愛想良くなさい!

こんなで10分200円ってみんな怒らないのか?と思ってまわりを見回すと、意外にもみなさん猫と戯れていない様子。じっと座って猫を眺めたり、漫画読んでたり。ネコカフェ来てなんで漫画読んでるんだろ・・・漫画喫茶行けばよいのに・・・。

どうやら無理に追いかけないのが暗黙のルールのよう。ルールというか、常連さんの証みたいな・・・。分かるけども!確かに猫はいやがるけども!みんなそれで満足してるのか?!夢屋来てみなさい!コーヒー一杯でいつまででも撫でていられるぞ。

という旨を友達に伝えると、「撫でさせてくれないにゃんこが、寄ってきて一瞬撫でさせてくれたときが嬉しいんだよ」とのこと。

ツンデレ喫茶行ってこーい!


飛ばねぇ豚は・・・。

2009年09月02日 | ゆるゆる日記

いやいやいやいや・・・お久しぶりです。雀の更新を今か今かと待っていた人も、そうでもない人もお待たせしました!雀、演劇界から帰って参りました。

小屋入りとか仕込みとか初日とか色々あったんですが、忙しすぎてブログを書く時間も余裕もありませんでした。ほんとすみません。

今回の芝居は王子のpit/北区域という劇場で打ちました。

町の中に埋もれたような地下にある劇場で、45人収容の小さな小屋です。

舞台は二面が客席に面していて二面が壁、そのうちの一面に扉が一つついているという不思議な構造です。下北沢の「楽園」にちょっと似てるかな。

初めて関わる芝居としては立派すぎるくらい立派な小屋でした。

雀は稽古中は演出助手だったのですが、小屋入り後は舞台監督として悪戦苦闘しました。

まず演助と舞監を兼任するってことは普通ありえないし、だいたい舞台初心者に舞監を任せるというのは危険すぎることです。保育園児に送迎バス運転させるようなものです。

それでも任されたからには何とかしないとと思い、できる限り頑張りました。ちゃんと運転できたかは謎です。最後の方はだいぶ出来ていたと思いますが、幻想かも。なんせ大変でしたが、もっとデキる舞監はもっと大変なのでしょう。

舞監の仕事の中で一番楽しかったのは、「キュー出し」です。

開場前に音響ブースや照明ブース、舞台袖や制作などの各セクションにスタンバイOKの確認をとり、「それでは開場お願いします!」と、開場キューを出します。

まずこれが気持ちいい。大した能力もないのに、やらせてもらって良いのだろうかと不安になるくらいです。

それから客の入り具合を見て、「前説キュー」「消灯キュー」「開演Mキュー」をシーバーで出してゆきます。自分が出さないと全てが止まってしまうという重責感はありますが、それ以上に憧れの舞監の仕事ができるという高揚感でいっぱいでした。

芝居が始まってしまえば雀は暗い袖中に待機して、ハケてくる役者のために扉を開けたり、ライトで蓄光テープにひたすら光をためたりしてます。

この蓄光テープがかなりのくせ者で、光をためて暗闇で光り、暗転中や真っ暗な袖中で役者の通行を助けるのですが、なんせすぐ光が抜ける・・・。暑い袖中で、真っ黒な長袖長ズボンで、おまけに黒手袋までして、1時間40分間ひたすら懐中電灯で光をためる。場所が場所なら軽く殺人犯に見えそうです。

そんなこんなで楽日を迎え、大楽。

やっぱり千秋楽は独特の雰囲気がありました。スタッフも役者も、不思議な高揚感。

本番中、袖で聞いていると役者の演技も結構違う。う~ん・・・これが演劇というものかと感動していると、そろそろ役者がハケてくるタイミング。取っ手をつかんでスタンバイ。

・・・っどーん!

なんか強くね?!いつもより強くね?!ってか痛い!・・・これが演劇というものか・・・。

打ち上げは日をまたいで朝まで続きました。もう二度と揃うことはないかもしれないメンバーが、二ヶ月一緒に頑張ったメンバーが、楽しく飲んでいる光景はとっても幸せになると同時に、なんだか突然寂しくなるものでした。

演劇って生ものだから形には決して残りません。その儚さと確かさを改めて感じて、やっぱ演劇って良いなって思った雀さんです。

誰かが歌った加藤登紀子の「時には昔の話を」が、なんだか耳にずっと残っていました。

気づいたら政権は交代し、台風11号は去っていました。


「お前のおごりな。」

2009年08月18日 | ゆるゆる日記

連日9時から22時までの猛稽古が続いております。

う~ん・・・高校時代より忙しい気がする・・・。

昨日は日芸江古田校舎での稽古でした。

王子より近い!交通費安い!と思いきや、バスを使うので王子行くより高いという社会の矛盾を見せつけられました。

雀さん普段はチャリと電車しか使わないので、久しぶりのバス。

バスの運転手さんって、対向車線からバスが来たときに手を軽く挙げて挨拶するの格好いいですよね。

ただ手を挙げるだけじゃなくて、いろんな種類のサインがある様子。

「今日、飲みに行こう。」とか言ってるのかな。

そんなこんなで、窓の外をぼーっと見ていて気づいたこと。

東京のバスってすごい!ものすごいギリギリのところを普通に通る。

塀から数十センチのところとか、人がわらわら歩いてる道とかを割とスイスイと。しかも、自転車とかバイクとかが容赦なくすりぬけていきます。

あれで接触事故が無い意味がわからん。

感心して運転手さんをながめていると、前方からバスが!

これはすれ違うの大変だぞ・・・。

って、挨拶なんていいから!ちゃんと前見て!ハンドルにぎって!

残暑も吹っ飛ぶ肝冷え体験でした。


星に願いを。

2009年07月07日 | ゆるゆる日記

お久しぶりです。更新ものすごく遅れて申し訳ないです。「早く更新しろ~。」というお声に尻を叩かれてやっと書いております。

もう、寝る暇もないほど毎日楽しいです。

演出助手をやる劇団の稽古がついに始まり、朝から晩までそのことでいっぱいです。

この劇団、稽古場が王子なんですね。劇団員がみんな王子周辺に住んでいるからなんですが。

・・・遠い!そして電車賃高い!

稽古は7月中は週4、8月に入るとほぼ毎日だと思うので定期作りたいくらいですが、「通学」ではとれないんですよね。雀としては学びには行ってると言い切れるけれど、「通学」はとれないらしいです。

で、一演劇人の主張・・・「通演定期券」を発行してくれー!

稽古ともなれば1ヶ月2ヶ月普通にかかります。稽古場が近いとも限りません。そんなときに嬉しいのがこの「通演定期」。しかも文化振興のため、国の補助でものすごく安くなります。

・・・っていうのが欲しい。すごく。

本当に今、雀財政が大変なことになっております。髪を切りにもいけないほどです。ただ、この場合はただ単にお金がないというより、「4000円かぁ・・・小劇場で2本観られる・・・。」とか考えてしまうことにある気がします。

いいのか華の女子大生・・・。オレンジデイズとかハチクロとか、甘酸っぱい学園生活のためにはお金とか時間とか、いろいろ足りない気がする。しかも演劇という性質上、みんな仲間でやっていくからロマンスが生まれない。むしろ兄弟みたいになってる。

このままでは、雀の人生にひとかけらの甘酸っぱいも無くなってしまう!ただの酸っぱいになってしまう!

しかーし、今日は七夕。演劇学科生のたまるアートセンターでは、みんな(勝手に)置いてある観葉植物に願い事をしたためた短冊を貼っていきます。よし、織り姫と彦星にこの願いを託そう!

「5万円拾いますように  雀」


フォースを使え。

2009年06月08日 | ゆるゆる日記

このところ毎日とにかく忙しいです。

時間がたりない・・・。

5月末には山田和也さんの演出する『ミーアンドマイガール』(略してミーマイ)の仕込みを見せて貰いました。

回転舞台ガーッとセリがバーッとで、もうすごいことすごいこと。

今回は照明家さんと美術家さんに直接質問することが出来、今まで知らなかった新たな世界をかいま見た気がしました。照明プランやセットの模型も見せてもらえ、それが現在進行形で舞台の上に出来上がってゆくのを見るのは感動的でした。

仕込みの見学は、客席の隅の方の邪魔にならない所に座って、ひたすら舞台を眺めるというものですが、和也さんが時々戻ってきて隣に座るときに気になることを質問することができます。

雀「先生あの仕掛けって、どうやって動かしてるんですか?」

和也「え~、それは教えられないなぁ。」

ちょっと意地悪です。

でも、「セリがすげーすげー」言っていたら奈落を見せてくれました。帝国劇場では現在、大中小合わせて6台のセリがあり(多っ)、それらは二段構造になっているため地下6階まで(深っ)ぶち抜いた巨大な縦穴を上下しています。しかも回り舞台になってるから、回るんですよこれが。円筒型回り舞台と言います。

もう、スターウォーズとかサンダーバードとかエヴァンゲリオンとか、そういう感じ。何かが発進しそう。

セリといえば、オケピ(オーケストラピット)も昇降するんですよ。雀、初めて見ました。公演でどういう風に使われるのか・・・気になる。

この日は役者の台詞や歌、曲をかけての転換もやっていて、見ていてかなり面白かったです。で、今回知ったこと。

舞台って結構アナログなんだ。

たとえば小さいセットが回るとか動くとか、扉が閉まるとか開くとか。ミュージカルを観ていると、動きがきれいに揃っていて無駄が無くて、「きっと機械で上手くやってんだろな」と思っていたものが、実は大道具さんが後ろで動かしていたということが判明。

やっぱりどうしても動きが合わない所もあり、色々工夫して何回も何回も練習して、ほんの数秒っていうシーンを4時間くらいずっとやってる。ステージマジックはスタッフの汗と涙で支えられていたのでした。

客として観ていたときは「俳優ってすごい!」って思っていたけど(もちろんすごいんだけども)、照明や音響、装置などのスタッフやその他大勢の人間に支えられて、初めて役者は舞台に立てるんだなぁと実感。むしろ舞台の上で拍手を浴びられるのは俳優だけというのは、何だか理不尽な感じさえします。

今度舞台を観るときは、ぜひその裏のスタッフにも拍手を送って下さい。

この日は結局、12時から23時まで11時間も帝劇にいたワケなんですが、全然飽きませんでした。次の日に学校がなかったら朝までいたと思います。

なんせ帝劇は雀の聖地。6年前にこの場所で初めて本当に感動したチビっ子が、同じ場所で舞台の勉強している・・・感慨深いです。

翌日は、今度雀が演出助手をすることになった劇団の演出家さんと劇場選び。数人の小さな劇団なので、劇場も地下にある小さな小さな劇場。50人でいっぱいになってしまう小屋です。帝劇が確か1900人・・・もはや同じ『劇場』と呼んでいいのか。

でもこの小さな劇場が雀の出発点。感動する側から感動させる側へ、記念すべき小さな第一歩です。