「それでもあなたの道を行け」
めるくまーる
ジョセフ・ブルチャック 編
中沢新一 石川雄午 訳
「ヌビア ―アフリカ智慧の言葉」
宝島社
ルイ・クワミ・ボストン著
どちらも智慧の言葉について取り扱った本である。
僕は簡単に読めてしまう、わかったような気になる本というのはあまり好きではない。
音楽を楽譜にするのと同じように、本の文字にされた言葉というのはある意味で一度死んでいるのだと思う。
その一度死んでしまったものをよみがえらせる作業は僕らの想像をはるかに超えて難しいことだ。
そして、言葉というのは文字化されたものをただ持っているだけでは、全くやくにたたない。
そういう意味で言葉というものの扱い方、捉え方が対照的な2冊だった。
ヌビアの方は言葉自体にアフリカの智慧的なものが入っている雰囲気はあっても、言葉の扱い方に智慧が
やくだっているとは僕には思えなかった。
言葉と一緒に載せている解説のような物語が言葉の価値をなくしている。
一方、「それでもあなたの道を行け」の扱い方にとてもいい印象を持った。
言葉だけではなく、本の中に載せてあるいくつものアメリカ先住民の写真は見る価値が十分にある。
『ここにある言葉を読んで、簡単に癒されたりしないでほしい。
それよりも、これらの言葉の背後で呼吸している世界の深さ、優しさ、純粋さに触れて、むしろ畏れおののいてほしい。
この本から吹きつけているのは、有だけでできたこの私たちの世界を切り裂く、「ナチュラル・ウィズダム」という名前の
無の烈風なのだから。』
訳者のあとがきからの引用
めるくまーる
ジョセフ・ブルチャック 編
中沢新一 石川雄午 訳
「ヌビア ―アフリカ智慧の言葉」
宝島社
ルイ・クワミ・ボストン著
どちらも智慧の言葉について取り扱った本である。
僕は簡単に読めてしまう、わかったような気になる本というのはあまり好きではない。
音楽を楽譜にするのと同じように、本の文字にされた言葉というのはある意味で一度死んでいるのだと思う。
その一度死んでしまったものをよみがえらせる作業は僕らの想像をはるかに超えて難しいことだ。
そして、言葉というのは文字化されたものをただ持っているだけでは、全くやくにたたない。
そういう意味で言葉というものの扱い方、捉え方が対照的な2冊だった。
ヌビアの方は言葉自体にアフリカの智慧的なものが入っている雰囲気はあっても、言葉の扱い方に智慧が
やくだっているとは僕には思えなかった。
言葉と一緒に載せている解説のような物語が言葉の価値をなくしている。
一方、「それでもあなたの道を行け」の扱い方にとてもいい印象を持った。
言葉だけではなく、本の中に載せてあるいくつものアメリカ先住民の写真は見る価値が十分にある。
『ここにある言葉を読んで、簡単に癒されたりしないでほしい。
それよりも、これらの言葉の背後で呼吸している世界の深さ、優しさ、純粋さに触れて、むしろ畏れおののいてほしい。
この本から吹きつけているのは、有だけでできたこの私たちの世界を切り裂く、「ナチュラル・ウィズダム」という名前の
無の烈風なのだから。』
訳者のあとがきからの引用