ここ数年の中でのマイベストです。
相変わらずぽんぽーとから借りてきた本ですが、読み終わると同時にアマゾンでポチりました。
この先、私のバイブルになります。
先日、図面を残す事が大切と記事にしましたが、この本はそれの典型。
基本的にこの本は、江戸時代の作事方や大工頭が書いた指図(今で言う図面)と、今も残っている建物に住む方のヒアリングからの考察で構成されています。
まさか、当時の大工さんも2~300年後に地方の設計士が、自分の書いた図面を見てえらく感動しているなんて思ってもいないでしょう。
しかし、その図面を見比べる事で、当時の職業、階級、地域、文化、宗教などによる住宅・生活の違いが、それとなく整理できました。(これだけの範囲の事が、この1冊にまとめられているのはすごいです)
現代の生活はとても便利になっていますが、便利になるほど失くしているものもある気がしてなりません。
私は、住宅の性能には合理性を求めています。そして、生活にはその地域の文化が欠かせないと思っています。広い意味では、日本の文化が欠かせないと思っています。その文化は歴史があり、昔を知ることで、文化の成り立ちを知ることができます。つまり、文化とはその地域(または日本)で絞り込まれた合理性と思っています。
まぁ、そこまで堅苦しく理解するつもりはありませんし、文化とはその地域の「あじ」だとも思っているので、
なぜ、そうなったのか、
なぜ、なくなったのか。
なぜ、残っているのか。
を、自分で理解して、私なりに残したいものを設計に反映させて、2~300年後の設計士に見てもらいたいと思います。
私が日ごろ言っている「理由ある設計」のルーツみたいな本でした。
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