甘酸っぱい日々

面白くても何ともならない世界で 何とかしようとする人達のために

神保町花月 『今宵、』

2011-12-12 23:50:42 | 神保町花月
だいぶ時間が経ってしまったのですが、少しだけ感想残してみることにします。
申し訳ないのですが、ほぼライスのことしか書いていません。
いつもの通り、あらすじは楽屋裏ブログにお任せし、好き勝手つらつらと。

今回のお話は、ストーリー自体はなんというか実がなくて(笑)、ただただ同じところを延々とループしていくという。
でも、その時間感覚失われる感じが、今の私にはとても心地よかったです。
頭の中空っぽにして、色んなこと忘れて、自分自身も夢の中にいるような気持ちで見てました。
なんだか今は、サクセスストーリーやハッピーエンドは見たくないという、ゆがんだ精神状態だったので(笑)
加えて、ただただ麻雀やりたいというちょっとダメな感じが、とても気楽に見れました。

ライス中心の話になってしまって申し訳ありませんが、結局やっぱり、神保町の話になると関町さんに尽きます。
今年のライスが出る神保町は、全て関町さんが主演で、
なんならグランジ班でもジューシーズ班でも、なぜか関町さん主演という異常事態で(笑)
それはもちろん嬉しい限りだったのですが、今回こうやって、久しぶりに2番手で動いているところを見るのもとても楽しかったです。
家城さんに振り回されながらも、結局言うとおりにしてあげる優しいところも。
そして黒木さんの夢を叶えてあげようと必死になるところも。
2人のシーン、本当に良かったなぁ!
黒木さんがもうすぐ死んでしまうと言いだした時の、あの沈黙があってからの関町さんの「……え?」がたまらない。
咳込んでお茶を飲むところの意味合いが、全く変わってきてしまうのも見もの。
それなのに、話として重苦しくならないところは本当に微妙なさじ加減なんだろうな。
そして、黒木さんのブログを拝見して、なんだかぐっときました。
重い思いを誰にも言わずに一人で抱え込み、最後まで「やるんだよ!!」と必死に麻雀を実現させようとした、
人の良さみたいなのが自然とにじみ出てくる関町さん、すごくいい2番手だったと思います。

田所さんは、これもまた、こういう田所さん久しぶりに見たなぁという感じで。
女の子とラブラブ、といった感じは、最近は関町さんの専売特許のようになっていたので(笑)
いつぶりか考えてみたら……10年計画ボーイズ以来??
関町さんには強気でいけるのに、彼女にはでれでれで気持ち悪くなるところ、とってもよかったです(笑)
もっとそういうシーンあってもいいくらいでした。

そして今回とてもわくわく・ぞくぞくしたのが、何度もループされるシーンの掛け合いでした。
特に一番好きだったのが、田所さんがせっかく彼女を連れてまで戻ってきたのに、一人足りないということを知って怒りだすところ。
「今一人足りないんだよ」
「はぁ!?どういうことだよ」
という、ライス二人の応酬のところ。
このシーン、結局3回行われたと思うんですが、全く同じように、まるで映像を流しているかのように演じられる二人を見て、ぞくぞくしました。
お芝居なのに、映像のようにまるっきり同じに再生できるところ。
加えてなんというか、無機質な感じがすごくよかったです。
まるで感情や温度が感じられない、淡々とした演技。
感情を爆発させて激昂するシーンだって上手い二人なのに、あえてそれを押し殺して、まるでロボットみたいに演じられるところ。
今まで気付かなかったのですが、私はライスのこういう無機質なところが結構好きなんじゃないかと、今更思うようになりました。
例えば、セリフを一文字変えてみようのネタでの、あの淡々とセリフを言っていくところとか。
そして例えば、転換のネタで何度も繰り返される、「今月厳しいんだ来月でもいいか?」「お前先月も同じこと言ってたからな」の応酬。
こういうライス、好きだなぁ。
改めて、振り幅の広い人達だと実感しました。

色々な意味で「久々」が多いお芝居でした。
とても楽しくて、そして本当の夢みたいな雰囲気が心地よかったです。

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