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TPPとは 講座① ”究極の自由化” 講座② ”農林水産業の破壊” 24の分野・雇用や地域経済・国土売り渡し

2011-08-04 | TPPとは・講座

  ”究極の自由化” 講座「TPP問題を考える」①    赤旗日刊紙2011年3月1日(火)

(前略)
 菅首相は、6月にはTPP(環太平洋連携協定=Trans-Pacific Partnership Agreement)への参加を判断すると明言して突き進んでいます。
 財界やマスメディアも「バスに乗り遅れるな」と参加をあおっています。

 この「講座」では、「国のあり方」や国民の暮らし全般に大きく関わるTPP問題について、さまざまな角度から考えて生きます。


 昨年来9カ国交渉

 TPPは太平洋を囲む国々が参加して「貿易自由化」を広げ、経済活動に関わるルールを共通のものにしようという協定のことです。
 2006年にシンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの4カ国で発足、その後、アメリカ、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシアなど5カ国が参加を表明し、昨年来、9カ国による、より広域な協定を目指した交渉が行われています。

 当初は、貿易依存度の高い小国による協定でしたが、超大国アメリカが参加することによってアジア太平洋地域に一定の影響力をもつアメリカ主導の自由貿易協定という性格が強まっています。

 世界の国々は輸入品に税金(関税)をかけることで国内産業を保護しています。 「貿易自由化」とは、関税をなくし、保護の垣根を取り払うことです。

 TPPの最大の特徴は、すべての品目の関税撤廃を原則にしていることです。

 これまで日本はアジア諸国などと2国(または複数国)間で自由貿易を拡大する協定(FTA・EPA、別項注)を結んできましたが、そこでは、米など重要な農産品については関税撤廃の例外扱いを認めさせることが可能でした。
 TPP交渉はそれが全く通用せず、100%に近い自由化が前提にされています。

  ※ FTA(自由貿易協定)は、2国間(複数国間)で関税の撤廃・削減などを定める協定。
    EPA(経済連携協定)は、関税のほか投資の自由化、経済協力など包括的な経済連携を定める協定。
    日本が結んだのはEPAがほとんど。EPAを含めてFTAと総称することもある。


 非関税障壁の撤廃

 貿易といえば、最近は、モノだけでなく金融や保険、医療、通信、建設などサービス貿易も大きな比重を占めています。
 TPP交渉は、こうしたサービス貿易や公共事業への参入、人の移動など幅広い分野も対象にしています。
 
 現在の交渉は24分野(別項注)にわたって行われています。

 そこでは、国民の暮らしの安全や社会を守る各国独自の制度や仕組み・基準などが、国を越えた資本や人の移動、大企業の活動を阻害する「非関税障壁」とされ、可能な限り撤廃・緩和することが迫られます。

 さらに輸出入手続きの簡素化、各国の資格・基準の統一、内外企業の平等な扱いなども求められます


 全参加国の同意で

 TPP交渉に新たに参加するには、すべての交渉国(9カ国)の同意が必要とされます。カナダが乳製品の例外扱いを求めたために交渉そのものへの参加を拒否されたのは、その表れです。l
 日本がTPP交渉に参加するということは、新たなルール作りへの参加ではなく、交渉の入り口でTPPの枠組みー”究極の自由化”を受け入れることにほかなりません


  つづく (日本共産党 国民運動委員会 橋本正一)

 
 ※ 24の分野

 主席交渉官協議、 市場アクセス(工業)・(繊維)・(農業)、
 原産地規制、 貿易円滑化、 SPS(衛生植物検疫)、TBT(貿易の技術的障害)、貿易救済(セーフガード等)、
 政府調達、 知的財産権、 競争政策、 越境サービス、 金融、 電気通信、 電子商取引、 投資、 商用移動、
 環境、 労働、 制度的事項、 紛争解決、 協力、 横断的事項(中小企業、競争など) 以上24。

 
   
    

  ”農林水産業の破壊” 講座「TPP問題を考える」②   赤旗日刊紙2011年3月3日(木)


 日本が(TPP)環太平洋連携協定に参加すれば、まず何よりも国民への食料の安定供給が危険にさらされます
 農産物の関税がゼロになれば輸出大国であるアメリカ、オーストラリアなどから米、畜産物、砂糖などが大量になだれ込み、国内生産は致命的な打撃を受けます。

 米生産は90%が無くなり、小麦は99%、牛乳乳製品56%、サトウキビ100%、牛肉75%、豚肉75%が打撃を受けます。
 農産物の生産額は4兆1000億円減少(50%減)します(農水省の試算、以下も同じ)。
 (中略)
 
 
 国民の生存脅かす

 農林水産物の壊滅的打撃によって食料自給率は40%から13%に低下してしまいます。
 2010年3月、民主党政府は、食料自給率を10年後に50%に引き上げる「食糧・農業・農村基本計画」を打ち出したばかりですが、それとは逆行する事態です。

 国の独立や国民の生存に責任を持つ政府ならば、食糧は自国でまかなうのが世界の常識です。
 しかも近年は、異常気象による生産減や新興国の人口増と経済成長等で食糧需給がひっ迫し、国連食糧農業機関(FAO)の発表によれば1月の世界の食料価格は過去最高を更新しています。
 

 地域経済も国土も
 
 農林水産業の壊滅は、肥料や農業機械、食品加工、流通・販売などの関連産業に深刻な影響を及ぼします。
 関連産業を含めた国内総生産(GDP)の減少額は、8兆4000億に達し、約350万人の就業機会も失われます

 日本最大の食料基地・北海道では、農家の7割以上が減少し、農林水産業と関連産業で生産額が2兆1000億円減少すると試算されています。(農業の多面的機能の喪失額試算は3兆7000億円
 まさに、地域経済の受ける打撃は甚大です。これでは、農山村は維持できなくなります。


 農林水産業は、生産物の供給だけでなく、国土や環境を守る大事な役割を果たしています。稲作では水田に水をため、用排水路やあぜ道を管理することで洪水を防止し、土壌流失を防いでいます。
 四季ごとに変わる田園風景や都市住民への憩いの場の提供なども農業生産を抜きにはありえません。

 林業は森林の整備により災害を防止し、水源を守り、大気の浄化に役立っています。(TPP参加での、林産物の生産減少額試算500億円
 漁業も海岸や離島・僻地の社会を守り、環境の改善に貢献しています。(TPP参加での、水産物の生産減少額試算4200億円

 TPP参加は、地域社会を成り立たせている、これらの根本の部分を掘り崩し、国土や環境、地域社会を破壊してしまいます。

  つづく (日本共産党 国民運動委員会 橋本正一)

「TPP 食糧増産の流れに逆行」 共産党 原発事前指摘の吉井英勝衆院議員質問youtube  

2011-08-04 | TPPとは・講座
TPP 食糧増産の流れに逆行



TPP食糧増産の流れに逆行 吉井英勝衆議院議員の質問
   しんぶん赤旗日刊紙 2011.3.1


 日本共産党の吉井英勝議員は28日の衆院予算委員会で、環太平洋連携協定(TPP)への参加は、民主党の公約にも食料増産を求める世界の流れにも逆行することを明らかにし、「TPPへの参加も検討もやめるよう」菅直人首相に求めました。

 吉井氏は、事実上の日米自由貿易協定(FTA)であるTPPへの参加は、菅首相が民主党の代表代行(当時)として発表した声明で、「米など重要品目の関税を引き下げ・撤廃するとの考えをとるつもりはない」「日本の農林漁業・農山漁村を犠牲にする協定の締結はあり得ない」(2009年7月29日の声明)と明言した公約にそむくものだと指摘。「『農業の競争力強化』を言うが、中山間地の多い日本で、豪州や米国のように大規模化できるのか。日本の農業が成り立たない」と指摘しました。

 菅首相は、その姿勢で交渉に臨むことは変わらないとの苦しい弁明に終始。吉井氏が「すべての品目を自由化対象とする」とした政府の交渉方針と公約は全く違うことを追及しました。

 吉井氏は、投機マネーの動きに左右されて穀物価格が高騰していることを指摘。20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でも食料と投機マネーが議題になったこともあげ、「世界では食料危機克服が最大の課題なのに、TPP参加によって日本の食料自給率は13%(現在40%)に低下する。政府目標の自給率50%とも両立しない」とただしました。

 菅氏は、「(自給率を)下げていいとか言っていない」と弁明。吉井氏は、「今考えるべきは、食料主権にたった貿易ルールの確立だ。TPP参加も検討もきっぱりやめよ」と求めました