ここ最近はキャトル・イラストレーションのルーツとも言える、いくつかの資料を紹介していますが、今日の写真の「学習こども百科」も大変重要なアイテムのひとつです。
学研から全15巻セットで発行され、初版が1968年というこの百科辞典。実は妻が子供の頃に両親に買ってもらい、毎日眺めていた…という宝物のような辞典で、私自身も結婚前に彼女の家に遊びに行かせてもらうたびに眺めていた、とても懐かしい資料です。
1968年以前に編集されているため、「あ」から順番に並べられたその項目はもちろん、掲載されている写真も当時の時代背景を切り取った興味深いものが多く、挿絵を担当されている100名以上のイラストレーターの名前を見ると、今でも活躍されている大先輩の絵本画家さんのビッグネームがズラリと並び、その豪華さはまさに圧巻です。
百科事典というスタイル上、いつどこを開いても楽しめる利点と、お仕事の資料探しの時のあいうえお順の索引はとにかく便利。開くたびに子供の頃の記憶と直結している妻を羨ましく思う場面も多い(笑)ですが、時折二人揃ってお茶を飲みながら、この辞典を眺める時間はとても楽しいものです。
ブックローンの「せかいのちしきえほん」や「ピエロ・ダミのかがくえほん」、またアラン・グレの知識絵本やサセックの世界絵本のような、60~70年代の雰囲気満載の海外知識絵本も素敵ですが、昭和40年代の日本のすべてが15冊の中に凝縮されているようなこの「学習こども百科」も、私のイラストのルーツを語る上で欠かせない存在と言えるでしょう。
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