なぞの旅人スーのブログ

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豊根村坂宇場地区 花祭り

2015-11-28 23:59:59 | 日記

 ここ数年この地区の花祭りを毎年訪ね、シーズン入りしている。先日の温泉無料デーで待ち遠しさが一気に増していた。午後6時過ぎに到着。もう夜だし、会場近くの道の駅の駐車場に余裕で車を停めれると思っていたら、空きがギリギリセーフだった。まだ売店が営業していた。朝何時から営業か分からないので、先に土産物を買った。花祭りを愛し、存続を願うよそ者の務めはお金を落としていくことであるし、別に義理でなくて美味しいものが食べられるのなら嬉しい。ブルーベリーとお茶のお菓子を買った。道の駅がリニューアルしたことで、温泉でも売られているものとは別の新商品も出た。ちなみに僕の土産物のオススメは、ブルーベリーの上品な甘さとしとやかな生地のブルーベリーパイ、独特の苦みがクセになるとち餅、濃厚な茶臼山高原飲むヨーグルトである。
 会所で御見舞、みかんを奉納し、会場の人達にも自由に食べてもらう様、みかんが入った箱を外に置いておいた。
 なんだかんだで、舞をしっかり見るのは「花の舞」が始まってからとなった。Iターン移住家族の子どもさんも舞デビューしたそうで、扇の手が2折あった。東栄町の御園地区にもIターン移住があって、今日その家族がこの地区の花祭りを見に来ているという話も、御園地区の花祭りに関わっておられる方から聞いた。奥三河へのIターン移住に対する関心が高まっているのか。


 僕が好きな舞の1つである「舞上げ」。幼少期の舞の最終段階の位置付けである。舞は「四ツ舞」、大人達の舞子の見守り方は「花の舞」という感じか?きびきびとした舞で、最後は「か~らすだ、かーらすだ」というせいと衆の囃子声の中、腰を落として釜の周りを跳ねてまわる烏跳びがあり、立ち上がった後に速くて強い囃子に必死についていき、力強く舞う。終わった後には盛大な拍手が送られる。
 いつも明るく「花の舞」で舞っていた少年がこの舞に進み、登場した時に「ついに○○(彼のニックネーム)もデビューか」と思わず口にした。子ども達とは別に深い縁は無いけど、なんか子ども達が次の舞に進むと感慨深いものがある。去年までの表情とはがらりと変わり、お父さんに導かれてりりしい舞を納めてくれた。他にも父親が我が子の舞を導くケースはあったであろう。我が子の舞を導きながら共に舞うのは、父親として喜ばしく、誇らしいことであろう。舞としての舞台の中に2人のハレの舞台がある。


 「一の舞」。舞子に榊で頭を叩かれると無病息災のご利益がある。釜のそば周りには、強く叩かれようとする地元の人達が集まる。今年は多くの兵が釜のそばに集まった(笑) 僕も釜のそばに行ったけど、奥過ぎて榊が届かなかった。それ位集まったのである。安心して下さい。一般の人は優しく榊で撫でる様に叩いてもらえますよ(笑)


 会場のボルテージも最高潮に達し、「山見鬼」の子鬼が出てくるまで鬼の舞の囃子の中、せいと衆が「て~ほとへ、とひゃひゃ」と乱舞した。花キチ少年がいるのは、花祭りの存続に頼もしい。


 「山見鬼」は人が多いし、ずっと囃し続けているのもしんどいので、最近は一服している。
 「三ツ舞(扇)」。盛り上がりが落ち着く地区もあるけど、この地区は常にボルテージ高い(笑) まだまだ「てほーへ、てほへ」と囃子声があがる。毎年横浜から一兄弟が舞いに来てくれる。地の縁でよその地に住んでいる子どもが舞う場合、中学生になったら部活などで忙しくなって舞いに来なくなるケースもあるけど、引き続き来てもらえて嬉しい。


 少年期の舞の最終段階は「三ツ舞」の刀剣の舞(やち、剣)であろう。今更ながらふと思ったけど、なんで やち、剣と刀剣の舞が2つあるのだろう?剣だけでも成り立つと思うのだが。この地区の「三ツ舞(やち、剣)」は存続している花祭りの中では一番激しいのではないだろうか。休止の豊根村三沢(山内)地区のものも激しかったし、本物を訪ねずじまいだった同村間黒地区の「三ツ舞(やち)」が去年の「とよねまつり」で実演された時、これも激しいなと感じたけど。やち、剣をバトントワリングみたいに華麗に操りながら、激しく舞う。女の子もこの舞を見事こなすので、凄い!


 今年度から県内の遠くの高校に下宿または寮から通っている舞の名手も、なんとか都合付けれた様で「三ツ舞(剣)」を舞いに来てくれた。力を出し尽くして大きく舞い、囃す方も囃し甲斐があった。


 「榊鬼」では、まさかりを松明に打ちつける「たい割り」で火の粉が舞うのが幻想的である。


 「味噌塗り」。面白い顔の面を被った舞子がすりこぎ、五平餅に付いた味噌を観客の顔に塗っていく。五穀豊穣、子孫繁栄を願う舞で、素朴で爽やかな笑いをもたらしてくれる舞である。僕もたくさん塗られた。


 「四ツ舞(扇)」。ここでも数年接している高校生が舞った。「四ツ舞」は大抵一服しているか仮眠しているので、囃すのが久し振りだった。始めは白いゆわぎを振りながら舞い、意外と この所作が大変そう。もちろん、最後には烏跳びがある。




 最後の盛り上がりどころの「湯ばやし」。まだ11月というせいもあるのか、裸族が多数出没した(笑) なんか、ムエタイの選手に見える人もいたなあ。中学生もまだ何人か残っていて、元気に囃していた。終盤、舞子が持っている「湯たぶさ」という藁の束で釜の中の湯が会場に撒かれ、浴びると無病息災のご利益がある。




 「朝鬼」で湯蓋とよばれる天井の中心の飾りが下ろされた後、その飾りの一部を貰い、「獅子」、天井の飾り全体が下ろされたところまで見て、帰路に就いた。道の駅の駐車場に戻ったら、車のフロントガラスが凍っていた・・・。安定の寒い坂宇場の花祭りだった。もう売店がやっていたので、追加で土産物を買った。
 アツく舞い、囃す若い人達が頼もしかった。元気を貰えた。ただ、夜通し寝ずにいたのに帰宅後もよく寝られなかったけど(苦笑) そして、長い時間囃して喉がやられた。