僕の旅と彼方の友と

旅が好きアマチュア無線が好き、そんな僕の呑気な日々を綴ります。

Googleの入社試験

2008年08月26日 21時00分13秒 | 僕の日記

この村には100組の夫婦がいて、夫は全員浮気しています。
妻は全員、自分の夫以外が浮気していることは知っています。そしてこの村の掟では浮気や姦通は許されていません。また、どの妻も自分の夫が浮気していると知ればすぐに自分の夫を殺すという掟があります。この村の女達は掟には背きません。ある日、村の女王が言いました。この村には浮気をしている男が少なくとも1人はいる。さて、この村に何が起きますか?


 江戸時代日本では妻が浮気をするとその妻は『死罪』だったんだそうな。それで実際に夫が妻の浮気を知ったらどうしたかというと、三者で話し合いをして「無かったことに」することが多かったんだそうな。勿論実際に『死罪』になった妻もいれば、お金で解決したこともあったそうな。
 つまり、妻の浮気の結果は必ずしも一つではなかったのです。

 さて設問は単純そうで実は複雑です。簡単に答えを出してはいけません。人生どこに落とし穴があるかわかったものではありません。慎重にいきましょう。

 こういった複雑な問題は、まず幾つかに分解してそれぞれ解答を出し、最後に矛盾しないよう調整して結論を出します。

 まずは大きく
◎確定的要素。
   と
◎不確定要素。
 に分けます。

「確定的要素」とはその文章からでは他の事象を推定できないもの、とします。
「不確定要素」とはその文章では事象を確定できず、幾つかの事象が推測できるもの、とします。

この文章のなかでの
『確定的要素』
①夫は全員浮気している。
②村の掟では浮気や姦通は許されていない。
③妻は自分の夫が浮気していると知ればすぐに自分の夫を殺すという掟がある。
④村の女達は掟には背かない。

『不確定要素』
①この村。
②100組の夫婦。
③妻は全員、自分の夫以外が浮気していることは知っている。
④女王の発言「この村には浮気をしている男が少なくとも1人はいる。」

 ここで不確定要素について確定的要素と反しない形で考えます。
 「①この村」について
 どの辺の村なんでしょうか。日本?アメリカ?中東辺り?はたまたアマゾン川の源流の奥の奥の村?ひょっとしたら隣の家まで10マイルも離れているような村かもしれません。超過疎地域ではコミュニケーション(噂話)も難しい筈です。

 「②100組の夫婦」について
 100組=200人とは限りません。一夫多妻かその逆か、あるいはもっととんでもない組み合わせであるかもしれません。自国の法律に基づいて考えるのは禁物です。また子供の有無も書かれていません、それによって「情緒的事由」による事態の変化が発生する筈です。仮に一夫多妻で一人の妻が夫の浮気を知ったとて、他の妻が知らなかったらどうなるのでしょう。それを訴えても、信じる妻もいれば信じない妻もいるはずです。

 「③妻は全員、自分の夫以外が浮気していることは知っている。」
 自分の夫以外の夫とは、村の人間なのか村以外の人間なのか、判断できません。ただ村の夫が村外で浮気しても『確定的要素』の②と③から妻に発覚すれば死刑でしょう。
 また、妻全員も浮気しているとも考えられるし、ただ知っているだけともいえます。

 
 「④女王の発言「この村には浮気をしている男が少なくとも1人はいる。」」
 この発言だけではこの男が村の人間なのか村外の人間なのか、既婚か未婚かも判りません。それらによって結果は異なります。さらにこの女王はこの発言をどこでしか、村民の集まった席での発言か、リビングでの独り言かでも結果は異なります。

さて、このように不確定要素の多い質問に対してどの様に答えうるのか。

 nfw流解答

その1:分かりません。

その2:「何事も起こらない」という事も含めて「何事でも起こりうる」

※先日「シリコンバレーの伝説」というタイトルで記事を書くとお伝えしましたが、単刀直入に「Googleの入社試験」というふうに変更しました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする