伊勢皇大神宮の別宮【倭姫宮】
【伊勢自動車道】伊勢西インター沿いの伊勢神宮外宮と内宮を結ぶ伊勢磯部線からは外れて、
伊勢インター方面にひっそりとある静かな宮。
車を停める場所も数台と僅かしない。
周りにある伊勢神宮の美術館や博物館の駐車場と比べると「えっ?」と、拍子抜けしてしまう儚さ。
倭姫は、天照大神を祀る場所を探すため、御杖となって各地を転々とし、
伊勢に辿り着き、ようやく天照大神をこの地に祀ることとなった。
伊勢神宮の起源となる由緒ある存在だ。
倭姫が巡った場所は「元伊勢」と呼ばれ、最近では倭姫の足跡を辿るお参りツアーもあるらしいが、
ここ倭姫宮は、いつ来ても静かで参拝客もまばらだ。
木立ちの中を下り、社務所の奥に空が開けていて倭姫宮がひっそりと鎮座している。
伊勢神宮は【天照大御神】が祀られている内宮を言うことが多いですが、
伊勢皇大神宮(内宮)別宮【倭姫宮】
伊勢豊受神宮(外宮)別宮【月読宮】
が点在し、
内宮外宮の中にもそれぞれ別宮が幾つかあります。
伊勢神宮(内宮)に行く時は朝・夕の空いてる時間帯に行きますが、それでも駐車場に入れられないような時は、倭姫宮または猿田彦神社や二見玉興神社など他の宮を先に周る様にしています。(順番はあまり気にしない、、)
今回は画像が少ないので、文章を多目に書かせてもらいます。
いわゆる神社と言っても
【神宮】【大社】【神社】と、三つの呼び名があるように、神々たちも
天つ神、国つ神、八百万の神といい
天孫系
(天孫降臨した天照大神の子孫)
国つ神系
(天孫降臨以前より日本列島にいた古い神々達)
出雲系
(天孫系に国を譲った出雲の神々)
に分かれています。
明確な基準はないようですが、
【神宮】は天皇家にゆかりのある神
天孫系の神を祭り
(明治神宮、伊勢神宮、霧島神宮)
【大社】は出雲の神やスサノオを祭り
(出雲大社、熊野大社、)
それ以外の神々様は神社に祀られています。
後から来た、天照大神を祭る天孫系と古い日本の神々を祭る国つ神系が総られる前の、ちょっと混沌としていた頃のお話です。
伊勢神宮に天照大神を祭った倭姫に関わるお話し、、
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
12代天皇.崇神天皇の世。
疫病が流行り国は荒れていた。
崇神天皇の娘【倭百襲姫】に、
国の神である【大国魂神】と、
王の神である【天照大神】を一緒に祀ってはならないと宣託が降りた為、
崇神天皇は宣託どおり、別々の場所に移して祭ってみた。
しかし、大国魂神と天照大神を祭るのが崇神天皇の娘だった為、災いは治ることがなかった。
ある時、古い神である三輪山の神・大物主神が夢枕に現れて、
子孫の大田田根子に【大国魂神】を祀らせるようにと告げられ、そのようにしたところ災いは治った。
一方、
【天照大神】を祭っていた崇神天皇の皇女・豊鍬入姫命は、
その後もさらに天照大神を祭る宮地を求めて丹波、大和、紀伊、吉備などの各地を巡っていたが、
天照大神を祭るに相応しい場所は見つからなかった。
やがて崇神天皇からその息子・13代.垂仁天皇の御代に代わると今度は、
垂仁天皇の皇女・倭姫が代わって、天照大神を祀る場所を探し、各地を転々とした。
倭姫は26ヵ所を経て、やがて伊勢にたどり着く。
元々は、渡会氏の磯宮だったが、波の寄せてくるこの美しい地に天照大神は鎮座することになり、
五十鈴川に伊勢神宮を祭り、神器(八咫鏡)を奉じて倭姫は初代の斎宮となった。
※斎宮=王家の祈願の為に宮に籠り仕えて、生涯を神に捧げる未婚の皇女
更に時が下リ。
倭姫の兄、14代.景行天皇の御代になると
その王子・ヤマトタケルが九州征伐の後、東国に出征することになって出征の前に伊勢を尋ねてきた。
「兵も与えて貰えずに、次々と無理な出征の命令、まるで父(景行天皇)は私が死ぬのを待ってるかの様だ、、」
と、悲しみ嘆くヤマトタケルに対し
倭姫はここで、ヤマトタケルに神剣・草薙の剣(天叢雲剣)を授けた。
その後、ヤマトタケルは苦難を乗り超えて見事に東国を治めてきたが、伊吹山(滋賀県)で大惨事に遭い重症を負う。
瀕死のまま帰郷を目指したが、能ぼ野(三重県)で事切れてしまった。
ヤマトタケルの葬儀は大田田根子が行なった。
▽▼▽▼▽▼▽▼▽
出雲系【大物主】(または事代主)を祭る、大田田根子と
天孫系【天照大神】を祭る、倭姫。
ヤマトタケルは、
この国を愛する女神たちに、深く愛されていたのではないでしょうか、
ヤマト姫が、ヤマトタケルに神剣を授けたエピソードには
実は出征前に、王として即位した儀式だったのではないか?
実は、倭姫は斎宮のため秘せられてるが景行天皇とは兄妹でなく夫婦で倭姫とは親子だったのではないか?
など都市伝説的な憶測もあります。
東国では倭武天皇と呼ばれていたり、景行天皇の子の後はヤマトタケルの子孫が代々天皇の位についていったことからも、なんとなくそのようなことが思い浮かびます。
私は、歴史にかくされた
倭姫
瀬織津姫
卑弥呼など
女神たちの想いを偲ばせて
宮を巡るのが好きです。
人々を愛するその思いが伝わってくる気がします。
〜ヒ、フ、ミ、ヨ、イム、ナ、ヤ
コト、
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