Ninbuのスマホで撮った花だって美しい!

サイクリング・テニス・散歩等の道すがら、公園・野原・湖畔・川辺等で見つけた美しい花をスマホで撮っています。

万葉の植物たち

2021-10-28 | みんなの花図鑑
千葉県市川市にある万葉植物園に行ってきました。
JR武蔵野線市川大野駅から徒歩約5分の場所にあります。



市川万葉植物園は、万葉集ゆかりの花木類197種類を集めた和風庭園です。
万葉集に詠まれている植物を集め、関連する和歌、作者などの説明書きがあります。

<ヒイラギナンテン説明書き>

 

さざんかさんからご指摘をいただいたので、ヒイラギナンテンを訂正しました。
 ↓ ↓
<マンリョウ(万両)サクラソウ科ヤブコウジ属>


植物ごとに説明書きがあり、和歌に詳しくなくても、1つ1つ読むと、知っている歌人があったりして、思っていた以上に、興味深く楽しい時間になります。



<キキョウ(桔梗) キキョウ科キキョウ属 6月撮影>


ウイークデーは入園する人も少なく、ゆっくり見学できます。私が滞在した1時間ほどの間に出会ったのは老夫婦一組だけでした。

<コムラサキ(小紫) クマツヅラ科ムラサキシキブ属>


みなさんご存じの通り、万葉集は7世紀後半から8世紀後半にかけて編纂された、現存する日本最古の歌集です。この時代に咲いていた花が、現在まで脈々と生き続けていることに感動すら覚えます。

<ケイトウ(鶏頭) ヒユ科ケイトウ属>


万葉集に詠まれた植物には、食用・薬用・衣料・染料、また建築・工芸の材料など、実用的な用途が多く含まれています。

<センリョウ(千両) センリョウ科センリョウ属>


園内には、せせらぎ・池・東屋・藤棚・石灯篭・つくばい等が、配置された和風庭園で、池には大きな鯉が泳いでいます。

<キヅタ(木蔦) ウコギ科キヅタ属>


万葉植物園は大野緑地と呼ばれる高台にあり、平坦な土地に和風庭園を設け、面積は3,387m²(約1,024坪)と、小ぶりです。平日には、散歩コースの一部になり、近隣の高齢者が散策を楽しんでいます。

<ツワブキ(石蕗) キク科ツワブキ属>


1989年(平成元年)6月に、春日大社神苑・萬葉植物園を、お手本にして作られ、開園しました。静かで落ち着いた環境のなか、万葉植物と親しむことが出来ます。

<ボケ(木瓜 ) バラ科ボケ属>


万葉集に登場する植物名と、現代の名前が違っている植物が、沢山ありますが、定義・解釈の決まっていない植物も含め、約300種類の植物が栽培され、春日大社神苑をお手本に、100種から150種程度の草木を、鑑賞することができます。

<ヨメナ(嫁菜) キク科ヨメナ属>


千葉県市川市は、万葉集にゆかりの深い土地です。特に伝説のヒロイン“真間の手児奈”は有名です。

<ヒオウギ(檜扇) アヤメ科ヒオウギ属>


手児奈(手児名)[てこな]は、万葉集に歌われた美女で、多くの男性に慕われつつも、だれに寄り添うこともなく、真間の入り江に身を投げたと伝えられる伝説のヒロインです。

<ハマギク(浜菊) キク科キク属>


「葛飾(勝鹿)の真間」と詠まれたように、東国一帯に広く知られただけでなく、市川にあった下総国府を訪れた都びとにも慕われた存在です。

<ワタ(綿) アオイ科ワタ属>




<万葉集の歌>

葛飾の真間の井見れば立ち平し水汲ましけむ手児名し思ほゆ
『葛飾の真間の井を見ると、立ちならして水を汲んだであろう手児名が偲ばれる』

<トリカブト(鳥兜 ) キンポウゲ科トリカブト属>


手児奈は、日本最古の歌集である万葉集に詠まれており、市川の文化芸術のシンボルといえます。

<リンドウ(竜胆) リンドウ科リンドウ属>


今の時期、植物園は花から実に変わる季節で、多くの実を見ることができました。来年の春や夏になったら、花がいっぱいの庭が広がっていると思います。また、来てみたい公園のひとつです。

<ヤエザキシュウメイギク(八重咲秀明菊) キンポウゲ科アネモネ属>


素朴だった万葉人の心を忍び、万葉時代の心の時間に和歌、作者など見ながら浸ってみるのも良いものです。遠い過去の時間を、共有することが出来そうな気がします。