先回の続きです。⇒ 10月の花のアルバム ② 2023-11-18
今回も、先回同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。
Stardust Revue / 木蘭の涙 // スターダストレビュー / Mokuren no namida
別名「アマランサス・クルエンタス」とも呼ばれる中央アメリカ原産の一年草です。花の寿命が長く装飾的であり、背が高く最大約2mまで垂直に成長します。
開花時期は夏から初秋、花色は赤色もしくは紫色で複穂状花序に花を咲かせます。草姿は直立して高さ約90(200)cm × 幅は約60(120)cmまで成長します。
種(実)が紀元前4000年頃から北米や中央アメリカで食料源として利用されてきており、現在も栄養価の高い穀物としてポップコーンの様に炒り膨らませて食べられたり、お粥の様にして食べられます。
<スギモリケイトウ(杉森鶏頭) ヒユ科ヒユ(アマランサス)属>
10/18 北柏ふるさと公園
秋を象徴する植物として日本文化の中で重要な植物であり、十五夜の飾り、花鳥画や、蒔絵などの秋草紋様、「すすきみみずく」などの郷土玩具などに見られます。
かつては屋根をふく材料としても重要であり、そのため、人里近くには必ず萱場(かやば)と呼ばれる採集するための場所がありました。
<ススキ(薄) イネ科ススキ属>
10/20 柏の葉公園
ヨーロッパ原産のイソマツ科の一年草または多年草。本種の野生種は砂漠や荒れ地に自生し、園芸種をふくめると世界で約150品種以上が存在しています。
花期は5月~6月ですが、切り花としては1年中流通しています。花色は青やピンク、黄色、白、紫、赤などがあり、中の花が白ではなく黄色や青の品種もあり、花の大きさにもバリエーションがあります。
<スターチス(リモニウム) イソマツ科イソマツ属>
10/11 千葉市緑化植物園
ヨーロッパ中部から小アジアが原産で、ステルンベルギア属の多年草。日本では本種が最もよく栽培されている種で、和名はキバナタマスダレです。
秋に休眠から覚めたあと、葉の出現と同時、あるいは先駆けて1つの球根から2~3本の花茎を出し、クロッカスに似た黄色い花を咲かせます。花後も葉を残し、冬を経過したあと、初夏に葉が枯れて夏に休眠します。
ステルンベルギア属には5-8種がありますが、本種が最も多く栽培されるため、一般にステルンベルギアと言うと本種を指します。
<ステルンベルギア・ルチア ヒガンバナ科キバナタマスダレ属(ステルンベルギア属)>
10/11 千葉市緑化植物園
草刈りをしたことがある人なら、おなじみの雑草です。都会の空き地でもよく見かけます。すさまじい勢いで生えてくる厄介者といったイメージのこの草、実はすごく使える薬草だったのです。
北アメリカ原産の外来種で、花はハーブとして利用されているそうです。体内の毒を排出してくれる作用があるため、肌にもよくて、アトピー性皮膚炎を改善するといわれています。
<セイタカアワダチソウ(背高泡立草) キク科アキノキリンソウ属>
10/18 北柏ふるさと公園
古くから親しまれているアサガオは中国原産で、奈良時代に渡来したといわれています。アサガオにはいろいろな種類があり、熱帯アメリカ原産のアサガオは、日本では本種の名前で呼ばれています。
美しいブルーの花を咲かせる品種が多くあることから、ソライロアサガオとも呼ばれます。本種は生育力がとても旺盛で、品種によってはつるを10mくらい伸ばします。
日本のアサガオは7月から咲き出しますが、本種は8月中旬に入ってから咲き出し、霜が降りる頃まで長く楽しめるのも大きな魅力です。
<セイヨウアサガオ(西洋朝顔) ヒルガオ科サツマイモ属>
10/18 あけぼの山農業公園
熱帯アメリカ原産で、花後に枯れる一年草です。日本には江戸時代前期に渡来したとされます。
主な開花期は夏から秋で、花色は紫紅、白、ピンク、オレンジなどがあります。炎天下でもめげずに茎がよく枝分かれして茂り、球状の花を咲かせます。
花びらはもたず、色づいているのは苞葉(ほうよう)と呼ばれる花の付け根に付く葉っぱです。夏から秋まで長い間、紅色が色あせないことからこの名前になったそうです。
<センニチコウ(千日紅) ヒユ科センニチコウ属(ゴンフレナ属)>
10/18 北柏ふるさと公園
お正月のお飾りでよく目にする赤い実は、縁起物として愛されている本種です。花言葉は利益、祝福、富、財産ですが、どれもたくさん実をつけることから付けられています。
観賞用に栽植する常緑小低木で、高さ50~80 cmで群生します。葉は革質でつやがあり長さ8~18 cmほどで対生、先は鋭くとがり、縁には鋸歯があります。
数多くの赤い実がなるヤブコウジ科マンリョウ(万両)に対し、実の数が少ないことから本種の名前となりました。
<センリョウ(千両) センリョウ科センリョウ属>
10/11 千葉市緑化植物園
台湾ではごく普通にみられるホトトギスですが、日本での自生地は南西諸島の一部に限られ、絶滅危惧1類Aに指定されています。
ただ、多くの庭で栽培されるため、絶滅危惧種なのですが目にする頻度は高い品種です。ホトトギスは、交配による品種改良がさかんで、いくつもの園芸品種が生まれています。
一般には、本種とホトトギスとの交配種も「ホトトギス」として売られています。多く流通しているのは、丈夫な本種とその交配種です。
日本のホトトギスと本種との大きな違いは、花の付き方です。本種は茎の上部が枝分かれして、花だけを複数つけます。対して日本のホトトギスは、葉腋に花を付けます。
<タイワンホトトギス ユリ科ホトトギス属>
10/28 坂野ローズガーデン
本州、四国、九州及び沖縄に分布するマメ科の一年草。湿気を好み、湖沼の周辺や湿った草地に多いが、日当たりのよい乾いた場所にも見られます。
開花は夏から秋で、青紫色をした長さ1センチほどの蝶形の花が茎の先で密生して花穂を作ります。花は昼過ぎから開き、夕暮れには萎みます。
果実(豆果)は長い楕円形で褐色の毛が密生し、中には十数個の種子を含みます。乾いた果実を採取して手で振るとカラカラと音を立てます。
名前の由来は花をタヌキの顔に見たてたこと、あるいは褐色の毛に覆われる実をタヌキあるいはタヌキの陰嚢に見立てたことによります。
<タヌキマメ(狸豆) マメ科タヌキマメ属>
10/11 千葉市緑化植物園
花自体はがく紫陽花に似ていて「花火」のような形をしています。高さは150cmほどです。
葉は大きな楕円形で、ふちはギザギザで全体がザラザラしています。つぼみは「球状」でこれが名の由来になっています。
<タマアジサイ(玉紫陽花) アジサイ科アジサイ属>
10/11 千葉市緑化植物園
メキシコ原産のキク科の多年草で、根は球根になっています。日本には江戸時代1842年(天保13年)にオランダから長崎に持ち込まれました。
大輪種から、中輪種や小輪種、一重咲きや変化咲きなど品種が非常に多く、古くから親しまれてきた春植え球根です。
花名は名前はスウェーデン植物学者ダール氏の名前にちなんで付けられたものです。また、花姿がボタンに似ており、和名は天竺牡丹と名づけられています。
<ダリア(天竺牡丹) キク科テンジクボタン属(ダリア属)>
10/11 千葉市緑化植物園
乾燥した野原や道ばたなどに生え、しばしば群生します。特に砂利道に沿って多く見られる傾向があります。多年草で、何年もかけて根をがっしりと張っていきます。
夏の終わりから秋にかけて、エノコログサを大きくしたようなブラシ状の穂を次から次へと出します。穂の剛毛は紫がかった色をついてるのが普通ですが、ごく稀に緑色のものも見られます。
漢字で書くと力芝。多年草で何年もかけて大株に育ち、がっしりと力強く根を張ることが名前の由来となっています。
<チカラシバ(力芝) イネ科チカラシバ属>
10/11 千葉市緑化植物園
万葉集にも記述があり、古い時代より日本人から親しまれている日本が誇る花木のひとつです。花の少ない冬に美しい花を咲かせることから茶花としても重宝され、盛んに園芸品種の作出が行われてきました。
夏、翠色の艶やかな実を結びます。この球状の実はやがて紅を帯び、秋には褐色となり成熟を迎えます。熟すと背が三つに割れて硬い暗褐色の種が2~4個飛び出ます。
<ツバキ(椿) ツバキ科ツバキ属>
10/18 あけぼの山農業公園
原産は日本で、本州(岩手県南部以南)、四国、九州、沖縄、朝鮮南部、中国、台湾に分布します。海岸に自生しますが、生垣や公園に普通に植栽されています。
花は初夏に整った5弁の白花を咲かせます。果実は球形で、秋に灰褐色に熟して実が三つに裂け、粘着質の真っ赤な種が出てきます。
名前の由来は節分に魔よけのために枝を門扉に挿した「扉の木」が「トビラ」が「トベラ」になっていきました。
<トベラ(扉) トベラ科トベラ属>
10/18 あけぼの山農業公園
原産地のインドシナ半島やアフリカで約40種が知られています。スミレに似た小さな花は可憐で、夏から秋の長期間にわたって花を咲かせ続けます。
花色も豊富、カラフルで暑さや乾燥に強く、育てやすいことから、夏の花壇に人気の草花のひとつです。
花形は唇形で花色が野生のスミレに似ていることから別名にナツスミレ(夏菫)やハナウリクサ(花瓜草)といわれています。
<トレニア(夏菫) アゼトウガラシ科ツルウリクサ属(トレニア属)>
10/18 北柏ふるさと公園
中国の中南部を原産地とし、江戸時代に種子から蝋を採る有用樹として長崎に渡来したものが、後に街路や公園に使われるようになりました。
新緑、紅葉、そして寂しい冬の街路を彩る風変わりな果実など、年間を通じて観賞価値が高い樹木です。開花は5~7月で、枝先に黄緑色をした小花が、長さ5~15センチの穂状に連なって咲きます。
秋に熟す果実は黒褐色の殻(種皮)に覆われているが、寒くなるにつれて殻が割れ、中からポップコーンのような三つの種子が飛び出します。
「ハゼと同じように蝋が採取できる中国の木」という意味合いで命名されたという説が有力です。
<ナンキンハゼ(南京櫨) トウダイグサ科ナンキンハゼ属>
10/18 北柏ふるさと公園
中国原産で、日本では縁起物として庭木として植えられることが多い樹木です。乾燥させた実から咳止めの効果が期待できることから、薬用植物としても扱われています。
開花は初夏(5~6月)で、枝先に伸びた円錐状の花序(花の集り)に、白い小花が多数集まって咲きます。花は長さ6ミリほどで雌しべの周りに6個の雄しべがあり、その先端に黄色い葯があります。
和名は漢名「南天燭」の略とされています。和名は難を転ずることにも通じるため、縁起木、厄よけ、魔よけとして古くから庭に植えられてきました。
<ナンテン(南天) メギ科ナンテン属>
10/11 千葉市緑化植物園
中国原産での落葉性のつる性木本。平安時代には日本に渡来していたと考えられます。古くから観賞用に植えられており、庭園、公園などに庭木として利用されています。
夏から秋にかけ橙色あるいは赤色の大きな美しい花をつけ、気根を出して樹木や壁などの他物に付着してつるを伸ばします。
<ノウゼンカズラ(凌霄花) ノウゼンカズラ科ノウゼンカズラ属>
10/11 千葉市緑化植物園
熱帯アジア、インド一帯に自生するヒユ科セロシア属の一年草。日本でも関東地方以西の暖地では野生化し荒地や休耕地一面を覆う光景などがみられます。
花色は淡いピンクから濃い赤紫色で、ロウソクの炎のような形をしています。園芸植物として主に観賞されてきたのは本種とケイトウの2種で、ともに高温と乾燥に強く荒れ地でもよく育つ丈夫な植物です。
花序は水分が少なくかさかさしており、枝ごと切り取って逆さに吊るしておくだけで、簡単にきれいな色のドライフラワーができ上がります。
園芸品種として「セロシア」という名称で鉢花や切り花として流通しています。
<ノゲイトウ(野鶏頭) ヒユ科ケイトウ属(セロシア属)>
10/18 北柏ふるさと公園
今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。
「10月の花のアルバム④」20品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「10月の花のアルバム ⑤」に続きます。