先回の続きです。⇒ 12月の花のアルバム ⑥ 2024-1-23
12月に出会った植物の花や鳥の写真を整理してみました。12月は花が少なくなる季節でもあり、木の実や紅葉などを中心に、84品種ほど撮影できました。毎月恒例の記録として8回に分けて投稿しています。
今回も、11月の花のアルバム同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。
緑黄色社会『花になって』Official Video / Ryokuoushoku Shakai – Be a flower
野生のスミレが交配されて生まれました。日本には明治時代末期に渡ってきたと言われています。
本来春に咲く植物ですが、品種改良が進んでいる今では、まだ暑さが残る初秋から春まで花を咲かせ、長い期間開花を楽しめるようになっています。
現在は品種改良が進み、何百種もの品種が存在していて、毎年新品種が出ています。色合いも豊富ですが、咲き方もフリル咲き、八重咲きなど、変わった咲きの品種なども流通するようになりました。
<パンジー( 三色菫) スミレ科スミレ属>
12/20 アンデルセン公園
草丈が3mほどに生長するイネ科の多年草です。雌雄異株で花穂が白っぽいのが雌花、茶色っぽいのが雄花として見分けることができます。
ススキに似てると言われることの多い植物ですが、日本のススキのような軽やかさはありません。夏の終わりから秋に、真直ぐに伸びた茎の先に魔女の箒のような穂を咲かせ、花穂だけでも50cmほどある姿は圧巻です。
<パンパスグラス(白銀葭) イネ科シロガネヨシ属>
12/20 アンデルセン公園
台湾、中国に分布する常緑性の低木です。日本に渡来したのは1681~1687年(天和・貞享年間)のこと。漢名を十大功労といいます。
初夏にでき始める果実は直径7~8ミリの球形で水分を含みます。秋にはブルーベリーのように黒紫色に熟し、表面に白い粉を吹きます。
遠目で見れば葉の雰囲気はナンテンに似ており、葉の縁にヒイラギのようなトゲがあることから、名前がつきました。
<ヒイラギナンテン(柊南天) メギ科メギ属>
12/20 アンデルセン公園
メキシコを中心に南北アメリカに15種類が分布する植物です。5月~11月と長期間咲く草花です。
日本には江戸時代末期に入ってきましたが。栽培や品種改良が盛んになったのは戦後になってからです。それまでは仏花として栽培される程度だったそうです。
初夏~晩秋にかけての長い期間、花を咲かせ続けるところから本種の名で呼ばれます。またジニアという名前でも流通しています。
<ヒャクニチソウ(百日草) キク科ヒャクニチソウ属(ジニア属)>
12/1 北柏ふるさと公園
熱帯アメリカ原産のナス属の植物です。ナス属は世界の熱帯から温帯にかけて1700種ほどが分布しています。
春まき一年草として栽培され、秋に実る黄色の果実を観賞します。果実には大小数個の突起があり、その形がキツネの顔に似ていることから本種の名前で呼ばれます。
また、小鳥の一種であるカナリアの黄色い羽を連想するためか、「カナリアナス」の名前でも呼ばれます。
<フォックスフェイス ナス科 ナス属>
12/20 アンデルセン公園
日本原産のつる性の落葉高木で、日本人には万葉の時代からなじみのある植物です。4~5月頃に蝶のような形をした紫色の小花を房状にぶら下げます。
総状花序の一つの花が、一つの豆果になるので、よく見ると花軸に豆果がぶら下がります。つまり多くの花があっても1~3個ほどしか結実しないことが分かります。
葉は、秋にはやや透明感のある黄色に変わりますが、観賞すべき期間は短いようです。
<フジ(藤) マメ科フジ属 (落葉つる性)>
12/1 あけぼの山農業公園
ヨーロッパ原産で、タンポポモドキという別名もあり、道路脇、空き地、牧場、草原、農耕地の周辺で自生しています。
日本には昭和初期に入り、日本全国の広い範囲に分布しています。空き地等に咲くたくさん咲く風景は、さながら黄色い絨毯を広げたような美しい光景です。
美しい花には似つかわしくない名前ですが、フランスでの俗名 Salade de porc(ブタのサラダ)を翻訳したものが由来となっています。
<ブタナ(豚菜) キク科エゾコウゾリナ属>
12/1 あけぼの山農業公園
観賞用トウガラシはトウガラシの仲間ですが、あくまでも観賞専門で食用にはできません。食用のトウガラシと同じくナス科の一年草です。
観賞期間は6月~12月と長く、最近は葉もの素材としても鑑賞価値が高い品種も多く、花壇や寄せ植えなど、様々な用途で利用されています。
本種は黒葉に紫の花が咲き、やがてその実は紫~黒紫~赤へ変化します。若葉(新芽)のときは緑色ですが徐々に美しい黒葉になります。
黒真珠のような輝きを放つ黒とも紺ともいえないきれいな実が、時間が経つにつれて対照的な赤い実に変化していく様がとっても魅力的です。
<ブラックパール(観賞用トウガラシ) ナス科トウガラシ属>
12/1 北柏ふるさと公園
道端、畑、空き地、土手、などによく自生しているのでよく見かける雑草です。開花時期は2月~5月頃ですが、近年は秋から冬にも咲ているようです。
花を囲むよう対生する葉の形が、仏の台座のように見えることから呼ばれるようになったという面白い形の草花です。葉が段々になることから「三界草」(さんがいぐさ)とも呼ばれます。
春の七草に含まれる同じ名前の植物とは別物で、道端に生えている本種は食用にはなりません。
<ホトケノザ(仏の座) シソ科オドリコソウ属>
12/1 北柏ふるさと公園
原産地は日本で、沖縄を除く日本各地の山野に分布する樹木で樹高は5m-10m、冬に落葉します。早春1月-3月を代表する花木のひとつで、庭木として広く親しまれています。
冬の名残のある野山などで、木々の芽吹きも始まらない季節に、黄色の花を咲かせ、いち早く春の訪れを告げる花木です。
寒冷地では秋の黄葉が美しく、秋の生け花に使われることもありますが、欧米に渡った本種は特に綺麗に黄葉するといいます。
<マンサク(満作) マンサク科マンサク属>
12/1 あけぼの山農業公園
ノボタン科の熱帯性花木です。花が大変美しいことから「熱帯の宝石」とも呼ばれていて、植物園の温室では見かける機会の多い花です。
熱帯アジアなどに多くの種類が分布していますが、花が美しい種類は、フィリピン原産のマグニフィカとジャワ島原産のスペキオサです。
二つの違いは、花序に大きな苞があるのがマグニフィカで、スペキオサには苞がありません。この属は、1820年にマリアナ諸島の知事であるJ. デメディニラにちなんで命名されました。
<メディニラ(大葉の宿り野牡丹) メラストマ科メディニラ属>
12/13 柏の葉公園
今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。
「12月の花のアルバム⑦」10品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「12月の花のアルバム ⑧(最終回)」に続きます。