エルロイ、パーカー絶賛の腰巻惹句、翻訳がトンプスンでおなじみ三川基好(音が氷川きよしとMHの違いのみという恵まれた名前)ときたので、きっと面白かろうと買ってしまったタイトルは「ダーティ・ハリー」でも「のっぽのサリー」でもない「ダーティ・サリー」。マイケル・サイモンという作家ののデビュー作。
確か巨乳ポルノ女優シャロン・ケリーの映画で「ダーティーサリーのなんとか」みたいなのが昔あったと思い出したが、もちろん全く関係ない。ちなみにこちらの映画の男優は、ダーティ・ハリーならぬ巨砲男のハリー・リームズ。ケリーとハリーのガチンコ対決というすごい一品。
さて、ダーティ・サリーとは身元不明のバラバラ死体のとりあえずの呼称なのだが、彼女は何者だったのかを探るうちに、テキサス州の街を牛耳る権力者や警察の巨悪が暴かれ、これと闘う主人公の刑事ダン・レリスの孤独な人生が交錯するというお話。まあ、すぐハリウッドがとびつきそうなストーリーではある。
猟奇的殺人、汚職、人種差別、娼婦、ドラッグ、変態、家庭の崩壊と舞台装置はアメリカの暗部がてんこ盛りだ。首と四肢を切断され、内臓が見える人体標本状態で発見されるサリーという若い女は、なぜこんな状態で自分の人生を終えなければならなかったのかという問いが、ダンをこの捜査にのめりこませていくのだが、それはダン自らのバラバラになった心の再生物語でもあるのだった。
だから、この小説の醍醐味は、犯人探しではない。容疑者や関係者が次々と謎の死やら殺されるやら、まさに、そして誰もいなくなった状態へと物語は進んでいく一方で、バラバラだったサリーの体と人格は形を成し明らかになっていく。その中で主人公ダンは、巨悪と戦いながらまるでサリーの体のように解体していた自らの心を再生しようと格闘する。そいう男の心の葛藤を読ませる小説なのだが、どうやらその物語はこの一篇だけでは終わらないようなのだった。
確か巨乳ポルノ女優シャロン・ケリーの映画で「ダーティーサリーのなんとか」みたいなのが昔あったと思い出したが、もちろん全く関係ない。ちなみにこちらの映画の男優は、ダーティ・ハリーならぬ巨砲男のハリー・リームズ。ケリーとハリーのガチンコ対決というすごい一品。
さて、ダーティ・サリーとは身元不明のバラバラ死体のとりあえずの呼称なのだが、彼女は何者だったのかを探るうちに、テキサス州の街を牛耳る権力者や警察の巨悪が暴かれ、これと闘う主人公の刑事ダン・レリスの孤独な人生が交錯するというお話。まあ、すぐハリウッドがとびつきそうなストーリーではある。
猟奇的殺人、汚職、人種差別、娼婦、ドラッグ、変態、家庭の崩壊と舞台装置はアメリカの暗部がてんこ盛りだ。首と四肢を切断され、内臓が見える人体標本状態で発見されるサリーという若い女は、なぜこんな状態で自分の人生を終えなければならなかったのかという問いが、ダンをこの捜査にのめりこませていくのだが、それはダン自らのバラバラになった心の再生物語でもあるのだった。
だから、この小説の醍醐味は、犯人探しではない。容疑者や関係者が次々と謎の死やら殺されるやら、まさに、そして誰もいなくなった状態へと物語は進んでいく一方で、バラバラだったサリーの体と人格は形を成し明らかになっていく。その中で主人公ダンは、巨悪と戦いながらまるでサリーの体のように解体していた自らの心を再生しようと格闘する。そいう男の心の葛藤を読ませる小説なのだが、どうやらその物語はこの一篇だけでは終わらないようなのだった。