ちゅう年マンデーフライデー

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80歳キムタクファンの母と観た「武士の一分」

2007年01月17日 | 映画
 キムタクファンの80歳の母親を連れて「武士の一分」(山田洋次監督)を観にいった。静かで分かりやすい時代劇に老人はいたく満足の様子で、久しぶりの親孝行という一日ではあった。

 藤沢周平の下級武士の凛々しさとはイメージを異にするキムタクだったが、脇の俳優人はなかなか面白いし、いつになく長くカメラを回す演出も好感が持てたが、視力を失ったキムタクが再び剣の修行を積み、盲目の剣士としての再生する道程があっさりしすぎていて、果し合いでの勝敗のカタルシスがあまり感じられないので、どうもすっきりしない。これはかなりこの映画で重要なポイントだと思うが。
坂東三津五郎の悪役は、人妻を手篭めにした男の雰囲気が出ていてよかっただけに、これだけがんばったんだからキムタクが勝ってよかったよね、という展開がほしかった。

 原作は読んでいないので、決闘シーンがどう終わったのか分からないが、三津五郎が背後の小屋の屋根から襲い掛かるというのは、テレビの怪獣映画じゃあるまいし、これを映画的と思っているなら、これはちょっと困りモンだ。

 それにしても、三津五郎とキムタクの妻・壇れいとの出会いのシーンで、隣の母が「ああ、こいつが悪いやつなんだ」とか、小林稔侍が貝の毒の責任をとってあっさり切腹してしまうと、「なんだ、もう死んじゃうのかい」とか、自宅にいるようなくつろぎぶりで楽しんでいたので、何はともあれ、新年初回の映画鑑賞はめでたしめでたしなのであった。

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