ちゅう年マンデーフライデー

ライク・ア・ローリングストーンなブログマガジン「マンフラ」

ダイアナのベサメ・ムーチョに桜吹雪舞う

2007年04月12日 | 音楽
 花見する間もなく、早東京の桜は終わりになりつつある。この媚びない散り際が桜の持ち味だ。土曜日に法事があり田舎に行く。彼の地は東京より1週間ほど桜の季節がずれているので、遅ればせながら花見でも楽しんでこようか。

 桜前線という言葉があるように、3月から5月にかけて沖縄から北海道まで、この桜前線が日本列島を縦断北上する。こんな国も珍しい。桜ほどの大木で、全体が薄桃色の花に覆われ、しかも、それがいたる所で並木を形成して春の景色を彩るなんていう国は、世界中で日本だけだろう。川べりや土手の並木、学校の校庭、丘の坂道など桜の名所は数多あるが、山の中腹にぽつんと1本咲いている山桜、路地裏に目立たなく咲いていたって桜は周囲をいっぺんに明るくしてくれる。江戸時代の吉原は、メーンストリートに、花の時期だけ桜の植木を並べて並木にしたというから豪勢だ。どうせ死ぬなら、こんな時期がいい。祖母も父も亡くなったのは、花の季節だった。兄は入梅前の6月。最後の桜は病室から眺めていたはず。どんな思いだったのだろうか。僕には、お盆よりこの季節のほうが、死者たちが里帰りを楽しんでいるように感じる。

 街灯に照らされて桜吹雪舞う夜、なぜか、ダイアナ・クラール「べサメ・ムーチョ」にしびれた。

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