ちゅう年マンデーフライデー

ライク・ア・ローリングストーンなブログマガジン「マンフラ」

頬に花びら、春よりも若く、口ずさむアリア

2007年04月03日 | アフター・アワーズ
玄関のドアを開けると春風に乗って桜の花びらが二片舞い込んできた。ドアの向こうに、ところどころ芽吹き始めた欅並木の淡い緑と満開の桜の薄桃色が織り成す色彩の海が、春の長閑な光に包まれて広がっている。やはり、死ぬならこんな春がいいなと思う。

足早には歩きたくない。ときどき立ち止まって、桜の香りを胸いっぱいに吸い、肺を満たしたい。空を横切るひばりの声に耳を傾けたい。風が運ぶ、遠くの宴の音曲も騒々しいとは思わない。口笛を吹く。曲は「ゴールドベルク」のアリア。グレン・グールドの気分で、「草枕」の情景を思い浮かべる。

「Younger Than Spring」。ミュージカル「南太平洋」の1曲「春よりも若く」。君は春よりも若く、そんな君を抱きしめると、僕も春より若くなる気分だ。そんな意味の歌だったかどうか。甘いメロディを口ずさみたくなる、幸せな時間がこの季節にはある。
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