ちゅう年マンデーフライデー

ライク・ア・ローリングストーンなブログマガジン「マンフラ」

「葉桜の季節に君を想うということ 」を読んであの後のことを思う。

2007年06月18日 | 
 歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ 」(文春文庫)を読んだ。いきなり、射精したあと女の乳など揉みたくない、後戯なんてごめんだという男の独白で始まる。つかみはOKというところか。かくいう私もこの冒頭で読む気になった。そう、確かに射精の後は、こっちが愛撫してもらいたいくらいだ。ただ、この独白も、年齢によるだろうよ。

 交通事故で死んだ資産家の老人の死をめぐってその真相を突き止めるべく、健康器具などの詐欺商法で荒稼ぎする団体に果敢に挑む素人探偵のお話なのだが、本筋のミステリーとは別の部分で、終盤にどんでん返しがあるという小説。おもしろいといえば、おもしろいが、「このミス」の上位にランクされるほどのものかどうか。まあ、長時間の乗り物のお供にはいいかもしれない。

 そういえば、この小説の中で、詐欺集団の一人が、年寄りが貯蓄というかたちで滞らせている金を流通させることで経済を活性化させているのだと居直っていた。最近世間を騒がせているトマソンだったかコマソンだったかの介護サービス企業が、入居料3億円の超高級介護施設を作っていたという報道があったが、悪いやつらは考えることの根本が同じなのだなと思った次第。

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