仕事疲れが溜まってきて読書に実が入らなくなってきた。こういうとき気楽に読めて面白い本はないか。面白い本はいつも本屋の書棚で待ち伏せして手にとられることを待っている。数多ある本の中から吸い寄せられるように僕の手が伸びる幸福な邂逅。ビル・クロウ『ジャズ・アネクドーツ』(村上春樹訳・新潮社文庫)もそんな本だ。どこから読んでもよくて面白い。
そういえば、以前「プレーボーイ」のコルトレーン特集に長時間化するコルトレーンの演奏にマイルスが「サックスから口を話せばいい」といったエピソードが紹介されていたけれど、これもこの本がネタ本のようだ。ジャズはバップの頃から次第に都市黒人インテリゲンツィアの音楽になっていくけれど、それでも譜面を読めないジャズマンはたくさんいたようで、耳と体と魂で演奏していた連中が多かった。
そんな連中がビッグ・バンドをやっていたのも驚きだが、アート・ブレイキーがもともとはピアニストで、しかも譜面は読めずいつも3本指でやっていながら大した人気だったという。やがて自分がフルバンドを率いるようになったのはいいが、譜面で演奏するようになるとピアノのソロパートでいつも演奏が中断するのに「俺が譜面を読めねーことは知ってるだろう」と居直った挙句、以来ドラマーになったという話だ。
ブレイキーは演奏もナイアガラ奏法なんていわれて、こういう形容の仕方が「銀髪の吸血鬼」とか「人間風車」とかプロレスぽくていいんだけど、とにかくドラミングもやることも豪快だ。まあ組長みたいなもんだよね。ベニー・ゴルソンみたいな作・編曲もできるちょっと知的な若頭がいて、鉄砲玉のリー・モーガンがいつでも「とッタルデェー」みたいに血気盛んとくればスウィングしないわけがない。
そんなわけで今夜はリー・モーガンの「イージー・リビング」でも聴いてみよう。リー・モーガンを聴くと、なぜか「青春!」を感じてしまうのだった。
そういえば、以前「プレーボーイ」のコルトレーン特集に長時間化するコルトレーンの演奏にマイルスが「サックスから口を話せばいい」といったエピソードが紹介されていたけれど、これもこの本がネタ本のようだ。ジャズはバップの頃から次第に都市黒人インテリゲンツィアの音楽になっていくけれど、それでも譜面を読めないジャズマンはたくさんいたようで、耳と体と魂で演奏していた連中が多かった。
そんな連中がビッグ・バンドをやっていたのも驚きだが、アート・ブレイキーがもともとはピアニストで、しかも譜面は読めずいつも3本指でやっていながら大した人気だったという。やがて自分がフルバンドを率いるようになったのはいいが、譜面で演奏するようになるとピアノのソロパートでいつも演奏が中断するのに「俺が譜面を読めねーことは知ってるだろう」と居直った挙句、以来ドラマーになったという話だ。
ブレイキーは演奏もナイアガラ奏法なんていわれて、こういう形容の仕方が「銀髪の吸血鬼」とか「人間風車」とかプロレスぽくていいんだけど、とにかくドラミングもやることも豪快だ。まあ組長みたいなもんだよね。ベニー・ゴルソンみたいな作・編曲もできるちょっと知的な若頭がいて、鉄砲玉のリー・モーガンがいつでも「とッタルデェー」みたいに血気盛んとくればスウィングしないわけがない。
そんなわけで今夜はリー・モーガンの「イージー・リビング」でも聴いてみよう。リー・モーガンを聴くと、なぜか「青春!」を感じてしまうのだった。