Storia‐異人列伝

歴史に名を残す人物と時間・空間を超えて―すばらしき人たちの物語

清水先輩の電気自動車「Eliica」

2006-10-28 14:33:39 | ローカルな話題
高校時代のバレー部の2年先輩清水浩さんが、卒業40年同窓会で里帰りされたので、昨晩在仙の荒井先輩と後輩ども10人が清水さんを囲んであつまった。
バレーやら誰それの消息などのよもやま・あの頃の話、日体大の森田・角田やらが体育館に来て練習した?いつや?俺しゃねなあ、星さん。「生物」の追試で出らんねかったのがや?
最近は追試どころか必修科目未修で卒業させられないと突然大騒ぎ。とくに、世界史なんか敬遠だよネエ。ま、本日は高校の校長先生もいることで!?...

十数年前か県庁の加賀谷クンが環境庁時代の清水さんに環境問題セミナーをお願いしたときボクももぐりこんだが、そのころから車輪にモーターを組み込んだ前後左右に動ける自動車の夢をもたれていた。

いま慶應大環境情報学部教授として、電気とインホイールモータのもつパワーで800馬力で時速370kmの電気自動車「Eliica」を実現。
皇太子さまと雅子さま(ELIICA BLOG)も試乗されたようですね。
開発者の清水さんは、小柄で運動性能イマイチ?バレー部のレギュラーにはなれなかったが、ガソリン車をぶっちぎる「Eliica」によって電気自動車のほうの運動性能を世界に示したのでした。

後輩どものヨタ話はとても公開が憚れるが、この晩清水さんには貴重なお話を聞かせていただいた...

「時速100kmで自動運転、事故もない、汚染もない、ぶつかることがなければフレームもいらない、駐車場もいらない、レストランに車のまま入れる、こんなクルマとなれば、お酒を飲んでも運転できるでしょ。クルマがあるから酒がダメということがおかしいんだよ。

化石燃料エンジン・メカでなければ車体も人間のサイズですむ、なにより汚染の防止、電気エネルギーは無尽蔵の太陽光から・風力からとれるし、きれい。実用化が近道の電気エネルギーは、燃料電池よりもリチウム充電池かな。
夢の話だろうって?ちょっと前までは、誰もが今のケータイ電話への変化も予想できなかったでしょ。自動車とその制御システム全体の変化は、それよりも劇的なものになるだろうけどね。

ヒトは両手を使えるようになったことで進化したけど、反面二足歩行で唯一失ったものは何か、それは運動性だ。イヌより機敏に走れるヒトがいるかよ、ヒトの運動性と行動を劇的に変えうるものがクルマだ。
それを動かすエネルギー源の実現・供給と、交通などの自動化のシステム制御もいる。

年をとると危ないからといってクルマの運転もしなくなることが多いけど...80歳になったときこそ自分で運転できる車と環境が必要だよ。だからボクは、あと何年か刻みで、それを創りだす。車メーカは、このようなビジョンでの開発には消極的、電気エネルギー関連産業もおなじだなあ。いま 「Eliica」みたいなものは1台数千万かかるが、実用化・生産ベースでは10万台単位でドンドン、コストダウウンできるはずなのだ。

日本人の平均寿命は世界のトップクラス、平均寿命というものはその国の持つ総体的な力の指標だよ。その国の経済力、衣食住環境、衛生、医療、治安、教育、文化...日本人の平均寿命が伸びているというのは、この日本はまだまだ健全な進歩が続いているということだ。
未来を信じて、夢のある創造物を自分たちの世代でなんとか実現したいな..」


「Eliica」の車輪に組み込まれた「インホイールモータ」は100馬力(60kw)、8つで800馬力!!加速度0.7G!0~時速100kmがポルシェ4.2秒・エリカは4.1秒、0~160kmでポルシェ9.2秒・エリカは、7.0秒。
いまの大メーカの手がける電気自動車の大半は既存のくるまに手を入れる発想と取り組み、だから、構造はおんなじで電気はガソリンエンジンの補助程度、トロトロ走って電池が何キロもつかの話ばかり。
最初から新たなものを創造すれば、Eliicaのような、まったく違う移動物体が生まれるんですね。

この試作車をヨーロッパに出した頃、自動車雑誌でシロートの大学の先生に何ができるといったイヤミな記事をみたことがあった。評論家はメーカと仲良くしてないとやりずらいのであろう...思想を持った創造と、革新的な技術での突破、そもそも対象たるクルマへの情熱が大事、ニッポンから次の世代の車を実用化してほしいなあ。
ボクのルノー・トゥインゴちゃんは乗るほどに味のでるクルマ、欧州車には、こうあるべきだというエスプリがある。が、10万キロ間近でときどきご機嫌悪く...一人乗り電気自動車できるまで(家族乗ってくれない)、何とかもってくれよ~!




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世界最速 時速370kmの電気自動車 「Eliica」の創造主 清水浩 慶應義塾大学 環境情報学部教授

こうして生まれた高性能電気自動車ルシオール

日刊工業新聞社

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コメント (2)
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