われら二匹は、昼寝もすれば歌も詠むネコである。キジトラが「たすけ」、しろいほうは、「ハク」と号する。ついでに出てくる犬が「金獅子号」、だけど「源・げんちゃん」と呼ばれ読み犬知らず歌なのも、なにか、あはれをさそうことではあるまいか。
ご主人が、このところ思いつきで西行法師に歌をならっているやに聞いて、われらも、本歌勝手取り風で詠んでみた。歌合の判詞はできてこないし、百猫一首まで編むのもなんだしで、自選家集をアップすることにした。
ご主人が、このところ思いつきで西行法師に歌をならっているやに聞いて、われらも、本歌勝手取り風で詠んでみた。歌合の判詞はできてこないし、百猫一首まで編むのもなんだしで、自選家集をアップすることにした。
― やわらかいものは、ついモミモミしてしまう、どんなもんだろうかと丸くなって詠める、 ■もみもみや 母とはぐれて 乳恋し とおき記憶に のこるしぐさよ ...これが、もみもみとした詠みぶりというものであろうか・・・ ■ここに来て はや十年も たちにけり まんま食って寝んねしてまたあした ...ぼく、むかしからシルバーだよね、前の句とは比べらんない出来、あたまかいちゃお~ | |
― 6年まえの夏、拾われて2週間め。いまでも煩悩はないけどぉ~orz 、わが身のいまの想いを、 □邪念なく ずっと子供で いらりょうか それにつけても タマのほしさよ ■惜しむとて惜しまれぬべきこの子かは 虎之助ちゃん 教授の家へ ...まもなく茶トラは、もらわれていった、あっちは、さぞかし頭よくなったろうな、ハク、この歌、訳してみなさい |
■この世をば 昇りつめたる ここちして それよりなにより あったかいもん ...なんでもまねするちび、こちらが一段上なのは、わかってるよネ □研ぐけれど すぐに伸びけり 我が爪は ダンボールの肌 はりさけるまで ...爪とぎも、立ちのポーズが好きだなあ、で、ふすまなんかも、 |
□ガラス越し どうにも獲れぬ 雀だな あっあっと鳴けば しとめた気持ち ...一生に一度ぐらい、本物をゲットしたいものである ■見わたせば 芝も もみじもなかりけり かけまわる柴 あいつのせいだ ...犬なんぞ陽気すぎて、もののあわれもわからん、こっちは正五位、あっちは翁まろ、外にいればぁ~ ★(返し 読み犬知らず) 我が庵は 温室改造 サンルーム 庭なら掘ったよ 18ホール ...どうだ!目線はご主人、早く散歩連れてけ、ガリガリガリ・・・ |
□ネコはいさ こころもしらず この家は どうせ年中 毛だらけ座敷 ...ねずみに飛びつくと、電灯もつけちゃったり、あぶねえなあ ■ねこどうし 人には言えぬ 思いあり いえじゅう走れば すぐに忘れん ...こっちはチカリタビー、かってに遊んでてくれよ、おっと、しっぽ動かすとヤバイな | |
■すりすりは 右にひだりに クロスせん まとわりすぎれば 踏まれてギャッオ~ ...いじめられたことない、わざとじゃないのはわかるけど、気をつけてね~ ■何ゆえか 蛸ほど好きな ものはなし キャットフードは 療法食よ ...たすけのは、やわらかいところだけコマ切れ、最近、腎臓がおかしいらしいんだ |
□われによき もぐりこまれる ふくろあれ 頭かくして 尻尾はみ出る ...閉空間がたまんないw~、高所恐怖症はないけど、これって閉所歓喜症なの? □どうしても 入りたくなる ダンボール なぞめく心 浮き立ついのち ...これはまたこれでよかれ、われを忘れる「箱男」なのだ |
― お出迎えはボクだけの独壇場、一目散に二階から駆け下りて、 ■ぶぶ・ぶぶぶ ママのくるまの バクオンだ かわいく鳴いて カツブシ期待 □とび出たら 出家の気分 先輩に 四つき帰れぬ とらちゃんありぬ ...初代のトラちゃんはうっかり外に出たばかりに4ヶ月も漂泊とかで、玄関には白河の関が設けられている | |
■砂なくば かける仕草を いかにせん してもかいなき わがあとしまつ ...おかあちゃんに教えられたマナーだ。ネコ砂ないんで床をかいてみるけど、どうにもこうにも・・・ ■顔ぬぐい みづくろいなら おてのもの 頭のうえに ハナカツオかな ・・・好物、ふがふがハナ息であちこち飛ぶんだ。「かな」は詠嘆とも疑問とも・・・ともかく風流にハナを詠んだ一首なのである |
― 草食系のふりをして、もっと野菜を・・・でも、あとがたいへん、こりず繰り返す悲しきサガを詠める、 □ねこ草の 青き香りに さそわれて つい手を出せば 毛玉がゲボッ □きょうもまた 心底からの リラックス あわれ噛み跡 籐椅子なりけり ...日々これ好日、タオルなんかかけたって意味ないってば | |
― とくに澄ましたわけでもなく、すべては心のきめたまぁ~まに、と自然体にて歌う、 ■尾をたたみ みつ指つけば よきすがた しばしとどめむ 毛でもなめるか ■夏の夜は ひんやり木の床 よいものだ 冬なら冬で どっか見つけむ ...寝るトコロあちこち転々、西行法師みたいだね・・・ |