小さいころ「夜、爪を切ると親の死に目にあえない」と言われました。理由は今のような爪切りがなく小刀で爪を切っていた時代、夜は暗くて誤って指を切ってしまう恐れがあったことから夜の爪切りを戒めるために言われたなど諸説あるようです。いずれも合理的な理由はあったようですが、科学的な根拠はないようです。しかし、私は子どもながら親の死に目にあえないのは嫌だと思い、夜に爪を切ったことはありませんでした。
父。危篤状態に陥り何とか間に合い病院に到着。しかし、その日私は胃カメラの予約をしていました。主治医に相談したところ「今日明日は大丈夫」と言われましたが、胃カメラを飲んで病院に戻った時には父は亡くなっていました。
そして母。末期ガンで寝たきりでした。娘や孫を連れ面会に行きましたが、容態を取り戻したため一旦帰宅。翌早朝、姉から容体急変の連絡を受けましたが間に合いませんでした。
私に「夜、爪を切ると親の死に目にあえない」と言っていた当の本人は二人とも私がいないときに亡くなりました。あれほど言いつけを守っていたのに。
今、私は誰に気兼ねするともなく夜、爪を切っています。「パッチン、パッチン」
父。危篤状態に陥り何とか間に合い病院に到着。しかし、その日私は胃カメラの予約をしていました。主治医に相談したところ「今日明日は大丈夫」と言われましたが、胃カメラを飲んで病院に戻った時には父は亡くなっていました。
そして母。末期ガンで寝たきりでした。娘や孫を連れ面会に行きましたが、容態を取り戻したため一旦帰宅。翌早朝、姉から容体急変の連絡を受けましたが間に合いませんでした。
私に「夜、爪を切ると親の死に目にあえない」と言っていた当の本人は二人とも私がいないときに亡くなりました。あれほど言いつけを守っていたのに。
今、私は誰に気兼ねするともなく夜、爪を切っています。「パッチン、パッチン」