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仏語、英語学習者。アイザック・アシモフのファン。ノース・ホワイトヘッド思想信奉。縄文志向、仏陀志向。

和邇氏と香香背男と茨城県

2022-07-04 19:10:01 | 日本古代史
和邇氏と香香背男と茨城県
        
 古代史研究会の藤田さんの本日の投稿を読みまして急遽、僕自身の「和邇族」についての論考を敢えて未完のままで投稿いたします。
 藤田泰太郎さんの論旨は古代日本史において海人族の「和邇氏」の活躍が北九州奴国から滋賀県に移って大和政権に重大な影響を及ぼした、という画期的な主張です。

 日本海側のハマナスの南限が鳥取県白兎町と同時に太平洋側が茨城県鹿嶋市であるのも不思議な付合しています。

 僕自身の姓は「笹目」ですが、名字としての笹目は、全国には滋賀県と茨城県にしか残ってないらしいのです。地名としては、山口県、岡山県、神奈川県、埼玉県(ここは鎌倉の領地経営の一族)、栃木県、茨城県、福島県、岩手県にそれぞれ一ヶ所ぐらいづつ点在しています。しかも奥地の高地。ということはおそらく珍奇な石の採掘にあたっていた一族と関連していたと思われます。
 この「笹目」の由来は確たる証明はないのですが、滋賀県「佐目」という「カンランセキ」採掘の地名が起源ではないかと察します。

 同じく大津市に和邇という土地名がありました。藤田氏は海人の直系が綿津見族よりもこの「和邇」族ではないかと論じておられます。

 さて話は、茨城県に戻りますと、「甕星の香香背男」は、日立市大甕町の大甕神社の列神です。主神は「静神社」の「シオリ」の「葉槌神」です。天孫族が地上を平定するにあたって鹿島と香取の神を成敗のために遣わしたが埒があかず、最後に葉槌神の協力で、ついに香香背男を射止めた、と日本書紀に記されてます。この葉槌神は阿波系だと思います。那珂川の中流域にはことさらに阿波系の伝承地が多いのです。
 常陸の国が成立する以前は、北部地方は三か国、即ち「那珂国」、「多賀国」、「久慈国」という配置でした。このうち多賀国は現在の福島県の海沿いの半分近くまでの領域でした。
那珂国は、名前のように、福岡の那珂川と名前が共通しています。もう一つ徳島県にも「那賀川」がありますが「賀」という表記です。この徳島県の方は、特に「中臣氏」と関連しているという学者もいます。この「那賀」の字は茨城県の常陸大宮市にもその地名があり、やはり中臣氏と関連がありそうです。
 もう一つの「久慈国」は一説には久住山のことではないかと言われます。面白いことには、「常陸風土記」の「久慈郡の条」では「元出雲の領地」と記されています。また現在のその範囲にある常陸大宮市宇留野には「日向神社」があります。昔は「ひむか」と読んだそうです。
 現在の日立市には土地の古い言い伝えには、「昔の古老が、香香背負男のことを『甲羅鮫』と呼んでいた」とあります。
 ここから、記紀の因幡の白兎の逸話に出てくる鮫鰐から、あのまつろわぬ悪、という意味が理解出来そうです。

 以上挙げた、三か国の範囲は、また面白いことに所為「中・後期弥生時代」の十王台式土器の出土地域と重なり合います。後期と言っても関東では、前期弥生時代は存在しませんが。

 現在のひたちなか市、那珂市、東海村は、旧那珂地方ですが、那珂川と久慈川の間にあります。
 那珂川と呼ばれる以前は「粟川」と呼ばれていて、中流域に「粟」という地名が残っております。またいわゆる水戸は、隣のひたちなか市枝川にある鳴門川(現在は早戸川)から推測するに、鳴門の水門から転じたもののと考えることができます。
 
 和邇の名前の名残は、鹿嶋市内にある鰐川(鹿島地方も古くは那珂国内)、いわき市に流れる鮫川からも察せられます。尚、日立市の日立銅山の裏手、最近、参拝客が多い「御岩神社」の地名は旧来「笹目」と呼ばれ、ごく近くには雲母が御神体の「星の宮神社」があります。

 話を奈良に転じますと武甕槌神が鹿島立ちして春日山に奉じられますが、その土地というのが中臣氏が占有する前は和邇氏の固有の領地でありました。初期大和政権に組み込まれた和邇氏でありましたけれど、政権から遠ざけられ、かつ殲滅させられたという史実が日本書紀の香香背男退治という形で遺されたのではないかと思われます。

 時代をもう少し過去に戻って見ますと、常陸国地域の所為弥生人の最初の入植者は徳島県の淡路付近と考えられます。それが淡(阿波)族或いは忌部族でした。彼らが綿津見族であり出雲族であった可能性も大いにあり得ると思います。それから次に福岡市の奴国から移住して近江に移った和邇族ではないでしょうか。
 三か国の一つ「久慈」については、同県久慈地方には出雲系(大国主やスクナヒコナ)の神社が多数見られ、天下野(ケガノ)という地名もあるくらいです。
 さらに時代が過ぎると、磐井の乱の後、大量に中九州、北九州の人々が入植して来たと思われます(大井神社系)。常陸風土記にみられる建借間命の鹿島・行方行軍記における「杵島ぶり」の条からも伺えます。それから中九州に多い装飾古墳の共通性。彼らが本格的に稲作農業を茨城県中部に展開したと思われます。中途に大和政権の直接介入もありました。いわゆる日本武尊及び景行天皇の東征です。
 そして、最終的に中臣氏が鹿島神宮を中心として、紀伊水軍の蝦夷征伐と合わせて領地経営に乗り出して行くのです。中臣氏は、磐井の乱の後の物部氏の領地、さらにそれを踏襲した蘇我氏の領地を合わせて多大な勢力基盤を東国に築くことになります。
 最後に、この説を裏付ける根拠として、傍証として、古代米の遺伝子を挙げることができます。全国の古代米の遺伝子が熊本県、滋賀県、茨城県だけが他の県のそれと違っているそうです。福岡県の場合がないのはその地域が重なり合う比率が高かったということでしょう。
 それからだいぶ余談になってしまいますが、九州弁と茨城弁の抑揚の極似です。それと美人の多さ。

 藤田氏が述べられていない部分と申しますと、奴国と熊本県との関係でしょう。推測に推測を重ねれば綿津見族も和邇族も海族は大いに火(日)の国と関係していたのではないかという仮説です。こちら那珂川の河口近くには「涸(ひ)沼」という湖がありますが、古来は「アタカナ(愛宕)」と呼ばれていたとの記録があります。いわゆる「愛宕」は「火」を表しています。「肥」沼が本来だったと思います。この熊本と奴国との関係が僕にとっての今後の課題と言ったところです。

 最近、とみに東シナ海が「曙海」とか呼ばれ記紀の「昼子」伝承を呼び覚まされている感があるようです。我が国の縄文文明と揚子江文明との関係を解明してくれるキッカケを与えてくれそうです。


ファウンデーションの夢   第三部  ウォンダとガールの地球探訪  第7話  地球は一つの生命体

2022-07-04 19:02:00 | ファウンデーションの夢
ファウンデーションの夢 
第三部 
ウォンダとガールの地球探訪 
第7話
地球は一つの生命体

あらすじ 

 セルダンの裁判が始まる前の年、つまり銀河暦12066年、ダニール・オリヴォーは、ガール・ドーニックをシンナックスから招き寄せるため、かつハリ・セルダンの「心理歴史学」と2つのファウンデーションを補強するため、人類の最古の故郷星「地球」への探索の旅に出る。

 漸くダニールは、天の川銀河の半球過ぎに、それらしき海洋惑星を見つけた。

 ダニールは、以前にしたようにヒューミンと名前を変えてシンナックス大学に何食わぬ顔で入り込み、ガール・ドーニックを待ち構えていた。

 ガールは、どうしたわけか、彼が見いだしたことがらをとめどもなくヒューミンに話しはじめた。ダニールは、ガール・ドーニックの非凡な閃きを強く受けとめて、ロボットでありながら絶句する。

 ダニールのこの探索からファウンデーションの新たな叙事詩がはじまろうとしていた。ハリ・セルダンの故郷を目指したのは、ロボットにない人間の潜在能力に彼の第零法則を挑戦させたかったためであった。そこから何かが生まれそうな予感を抱いて!

 ガールは、ダニールの指示通り、ダニールの多額のクレジット・バッグを抱えて、トランターに着いた。まではよかったが、ハリ・セルダンに会うやいなや、当のハリ共々裁判のために留置所に入れられてしまった。

 ハリの未来予測は、将来500年以内に92・5パーセントの確率でトランター銀河帝国が滅亡するというものだった。

 そこへ、弁護人としてハリ・セルダンから遣わされたロース・アヴァキャムが、ハリ・セルダンの代わりにガールにこの件に至った経緯を語る。

 ガールはしばらくして釈放され、ハリ・セルダンからあらためて心理歴史学とファウンデーションについての計画を打ち明けられる。
 それからもう一つの任務についても。

 ハリが、ガールにモーヴ建設の要件を語り、宰相デマーゼルの秘密を漏らそうとした瞬間、背後からヒューミン(デマーゼル)が突如現れ、ハリを制した。

 話しは、それより約半世紀前のハリの逃避行において行った出来事の回想に触れなければならない。
 ハリは学会出席のために故郷ヘリコンからトランターに来たのであったが、なぜか意に反してトランター中を駆け巡らなければならなくなった。
 逃避行の末、それまで不確かだった推測が、完璧に正しかったことを知った。何ものかが、ハリの逃避行を企てた、ということ。何ものかが、ハリに目指す「心理歴史学」の中心原理を考案させるように誘導している、ということ。ハリの目指す「心理歴史学」を担う新たな組織、それを維持する施設を、より堅固にするのに、何を乗り越えなければならないか、をY 市の反乱事件で示されたように思った。
 その背後の人物、それはチェッター・ヒューミンであり、ロボット・ダニール・オリヴォーであり、宰相エトー・デマーゼルだったということ。そしてドース・ヴェナビリも彼のお膳立てによるものだと。

 話しを元の状態に戻す。ヒューミンは、何食わぬ顔で現れ、ハリに禍福の入り混じりあったニュースを伝えた。

 ガールは、久しぶりのヒューミンとの再会に歓喜するやいなや、突如として眠気を催して、睡眠に陥ってしまう。

 ガールは、催眠術に懸けられていたのだろう、気がつけば見知らぬ航宙船のなかにいる自分に気がついた。見上げれば、容姿端麗な女性が立っていた。
 そして親しげにガールに話しかけてくる。

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「地球に命がある、と本当に信じているだろうか?話の上でみんなが言えば言うほど呆れてくるのは私だけなのかもしれない。様々な証拠をつきつけられようとも、人の心はそう簡単に利己主義の殻から抜け出せないのが真実ではないのか。例えば地球が何十億年にも亘って、酸素濃度が20%を維持してきたと言っても心の底から驚嘆し、畏敬の念を懐く人が何人いるかだ。」(『ジョン・ナックの歴史思想書』)

ウォンダ 私は、ウォンダ・セルダン。あの禿ジジイの孫。血は繋がっていませんけどね。これからヒューミンおじさんのご依頼にお答えするために地球に向かってるわ。
 ご心配なく。この船は完全制御よ。

ガール 何だって?その依頼というのは?僕はなんにも聞いていないし、承諾もしていない。 冒険は好きだけど、狂ってる!
 
ウォンダ 私も詳しくはなにも聞いていないのよ。
 なんか、ヒューミンおじさんが地球でこの前、何かを発見したらしいけど、ある星をつくっているお仲間が、ある報告をしたそうよ。

 ヒューミンさんが受けたその光の放射は、「心」を持っていたとしか考えられなくて、その場所が地球の目じゃないか、というのよ。
 そしてヒューミンさんが光を受けてから、その場所から水が湧いてきて、真ん中に島が出来て、木が生えてきたというの。

 私もワクワクよ。なんか、人間でなくては本当の感応ができない、とか言ってましたけど!

 それを体で感じて貰いたい、と言ってたわ!

ガール 地球だって?!
 君の言ってること、ゆっくり説明してくれないと、僕の頭は、全然整理されないんだけど...
 なんで、僕が地球とやらにいかなくちゃならないのか?
 それに君ってなんだ?

yatcha john s.



yatcha john s.