ミーターの大冒険 第二部 イルミナ 第5話 「我らは銀河の子」
あらすじ
ミーターの体は4年間で完全に復旧し、無事に同じく修理されたファー・スター2世号に戻された。
イルミナは当然無事だった。彼女の本体は、ターミナスの帝国辞書編纂図書館の地下からのコントロールなので、受動機さえあれば、どこにでも移送されるからだ。
イルミナはミーターが時々白昼夢を見、独り言を喋り出す癖を発見する。ミーターの体の全体がまるでアルカディアの思い出で満たされているように。イルミナはミーターの白昼夢の内容を知っているにもかかわらず敢えて尋ねるのであった。
思い出の一つは、その時が必ず来る事を50年も待っていたアルカディアのある晩のことであった。
アルカディアとペレアス・アンソーアの再会の出来事であった。
場面は、ミーターを乗せたファー・スター2世号のなか。シンナ星に軌道上にいて、時にミーターは地表探索を重ねる。再度の銀河横断に対しての並々ならぬ決意が滲み出ている。
シンナ星から見上げる眩(まばゆ)い極光になにかしらの兆(きざ)しを感じるミーターだった。
ただ時たまイルミナのちょっかいが耳障りだが、それでも面白いと感じる。
イルミナのアンソーアについての感想が際立つ。
ミーターは、それでも「音痴」という言葉から何かに気がつく。
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イルミナ ミーターさん、音痴ってこの世の中には実在するのね。アンソーアさんの歌は聴けたもんじゃないわねぇ!ミーターさん、あなた、また思い出しているのね。そういうの「追憶の鍵」を開けているっていうの、知ってた。
ミーター イルミナ、控えろ!アルカディアは、目を瞑って、聞いているじゃないか。
それにしてもイルミナ、君は僕の頭の中も読めるのか?いや聴けるのか?恐れ入った能力じゃないか!あれから何年過ぎたんだろう。アンソーアさんがアルカディアの館に再訪した夜から。
イルミナ さっき言ったでしょう。私は「心理スキャン備え付け最新鋭イルミネーショナー」って。あなたのいまの白昼夢とやらも、お茶の子サイサイなんですよ。
それにしても、アンソーアさんは音痴だわ!
強いて誉めろと言えば、う~そうね、ここシンナの地表から私たち二人が見上げる天空かしら!シンナの星空って、銀河一かも知れませんね!オーロラと横たわる銀河が交差しているの。ずっと観ていたいわ。
イルミナ、僕の追憶はターミナスのアルカディアの館のあの夜のことで、ここシンナのことじゃない。
で、その音痴な歌っていうものの歌詞は分かるのか?スキャン・アップしてくれないか?
分かったわ。今出すね!
(ターミナスのプライマリーで歌われる『我らは銀河の子』)
「冷たい銀河の風に打たれても
僕らは怯まない
なぜって
僕らは高邁な理想に燃えているから
セルダン先生のあとを追いかけて
たとえボロなスペースワゴンだって
へいちゃらさ
優しい銀河の風に打たれて
僕らは涙する
だって僕らは銀河の子
我らの命 愛 夢 勇気は銀河の塵でできている
ドーニック先生から教わった織姫と彦星
貿易商人は三年に一度も
恋人に会えなかった
熱い銀河の風に打たれて僕らは戦う
なぜって銀河はそれを望んでいる
ファウンデーションはきっと大銀河を復興し
希望が愛に変わる
宇宙の果てまで紫(モーブ)に染まる
美しい銀河の風に打たれて女たちは踊る
オルフェウスの琴の音に心が溶かされた
ニンフのエリディケのように
たとえドースが R であってもセルダンを助けてアンドロメダまで行っちゃうよね」
ミーター 「音痴」、「交差」か?
https://youtu.be/3U39Gymkcxw
yatcha john s.
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