今年は合歓の木が華やいだ
去年の数倍大きく
この世の夏を再び連れてくる
じめっとした草いきれも引き立たせる可愛さそのもの
まさしく何にも代えがたい幼気(いたいけ)さ
グラスハウスから木橋を渡り
海の見下ろせるこの小路を下る
イヤフォンから流れる軽音楽
僕が二十歳の時の
かわいげな二人の声が重なりあって
甘いミルクキャラメルの味のする
合歓の木の下で初めて恋を打ち明けた
意地悪なそよ風が彼女の後れ毛を弄(いじ)り
涙溢れて首をふった
「薔薇の花束抱いていそいそ出かけ行きました」
夏の初めはちょっと顔を出したお日様とピンクが似合う
海の涙色を覆い尽くす
意地悪なそよ風が「胸のときめき」をよびさましておりました
https://youtu.be/REnxNAFeBPA
yatcha john s. 「 alder flower’s song」
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