青梅線の東青梅と青梅駅間は単線である。始発の青梅駅から東青梅までは一駅であり、駅間も短いので、所要時間は2分である。しかし、下り電車が東青梅駅を出発したところから単線になるため、列車の交換待ちにより、隣の河辺駅との間は4分となっていることがある。
ところで、青梅市は、この単線区間を複線化する要望を長年の間、JRにしているが、「費用が掛かりすぎる」との理由で、東青梅駅までの複線化が完成して以来、たった一駅の複線化だけが数十年経っても実現していない。
こうした中、中央線の12両化でグリーン車が導入されることになった。そして、青梅線は中央線への乗り入れをしているため、“棚からぼた餅”の如く、12両化されることになった。ところが、この12両化により、青梅線の各駅は12両化に対応するためのホーム延伸が必要になる。しかし、東青梅駅は用地の問題・・・河辺側は踏切と接している・・・でホーム延伸が不可能である。また、青梅側は、単線のため用地がない。この解決策として、現在、複線で入線できる東青梅駅を単線化して、線路の跡地にホームを設置して延長する計画が進んでいるようである。青梅市が長年要望している「青梅駅まで複線化」どころか、複線区間は河辺駅までとなり、東青梅駅は単線になってしまう。今、折角ある設備を不便な方向にして撤去してしまうのである。この工事は既に進んでいて、東青梅駅の河辺駅側に分岐器が新設されている。
【左が上り電車、この右側に下り線との分岐器が設置されている】
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そして、東青梅駅の一つ手前、河辺駅ではホームの増設が予定されているとのことである。
東青梅駅の単線化により、当然に青梅駅と東青梅駅間、そして、河辺駅までの線路容量は小さくなるので、今まで青梅止まり・始発であった電車のうち、何本かは河辺駅止まり・始発となり、河辺駅に増設されたホームから、立川・東京方面への折り返しとなるのであろう。
青梅市・市長らはこの「市からの長年に渡る要望」に「逆行する」計画を知っていて、知らん顔なのであろうか? それとも「知らない」のであろうか? なお、東京都の小池知事は、確か、最初の公約では、「多摩格差の解消」を言っていた筈である。ところが、今回のことは「多摩格差の増加」である。青梅市長・市議や東京都議会議員、国会議員らが、このことを知っていて放置していたとすれば、「寝ていても当選できる土地柄」の上に胡坐をかいているのであろう。そして、今回のことを「そのままにする」ということは、青梅駅と東青梅駅間の「複線化は諦める」ということに繋がるのである。
そして、複線を維持したままで不足するホーム用地を確保することは、これから利用できる年月を考えれば、僅かな投資で済む筈である。余りに「もったいない」ことである。
かくして、青梅線の末端では、「グリーン車導入」という "棚からぼた餅" の陰で、不便になってしまう。そして、青梅駅の周辺は、現在も衰退が進行中である。これに対して、市や都は「何らかの対策」をしているとも思えない。衰退に任せているのであろうか・・・?
【了】
青梅市は減便について真剣に考えてないフシがありますね
たかが一駅の棒線化、そう考えていたら後で実はここが転換点だったとなるのかも
当面、本数は維持というJRの回答をそのまま信じられるはずもありません
青梅市側から踏切廃止くらい提案するべきでした
東青梅駅での、上りと下り列車の交換ができなくなれば、当然に時間が余計に必要になります。朝の通勤時間帯の「単線にしては過密なダイヤ」は維持できなくなると考えます。
昨年に青梅市長は、JR八王子支社に「複線化について聞きに行った」とのこと。そのとき、「駅舎の改築を聞いた」とか。ホーム棒線化は、聞かなかったのか否か?