東京の田舎から

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青梅ライナーの廃止と西多摩格差

2019-03-02 18:58:49 | ぼやき
青梅ライナーが廃止される。今まで、朝の上り1本、夜の下り3本の全部が突然に廃止されてしまう。代りに、朝と夜に「特急」「おうめ」が各1本が新設されて運転されるとのこと。
この特急、今までの「青梅ライナー」と比べると、例えば、東京21時30分の最終の青梅ライナーでは青梅まで1時間13分である。ライナー券は510円である。
ところが、新たに走る「特急」は1本だけである。その所要時間は、東京22時30分発で青梅着は、23時47分である。特急になったら、所要時間は1時間17分。ライナーより、4分も遅い。そして、特急料金の計算は56kmであり、その料金は100キロメートルまでとなり、特急券の購入形態によって、1260円、1000円、900円である。
所要時間が増えて料金は倍増、それ以上である。

ところで、現在のライナーの利用者数を、筆者の乗った車両で数えてみた。数えたのは東京駅21時30分の最終の青梅ライナーで、金曜日のことである。一つの例であるが、大凡の傾向はこんなものであろう。
東京駅を出て、新宿駅で満席である。筆者が乗った車両は16列×4席=64人であった。立川で39人が降りた。何と、6割が降りてしまった。残りの人数は25人である。次の停車駅・拝島では14人が降りた。残りは11人である。次の停車駅・河辺では6人が降りた。青梅まで行く人は5人である。因みに、このとき隣の車両を見てみたが、3人しか乗っていなかったように見えた。
このように人数が少ないのは、青梅線のダイヤにも原因があると考える。すなわち、ライナーの停まらない途中駅の利用者にとっては、立川または拝島、河辺でライナーを降りて、後続の各駅停車に乗らなければならない。ところが、その各駅停車とライナーとは接続していないように感じる。すなわち、10分、15分と待たなければならない。これでは、途中駅を利用している人にとっては、全く便利ではない。そのため、利用されないのであろう。
言いかえれば、ライナーの停車駅で降りる人しか便利ではない。その結果、利用者が少ないとも考えられる。青梅線ダイヤの工夫をしないままに、「利用者が少ない」として、廃止され、代わりに1本の「特急」である。
結果として、青梅は「交通の便が悪い僻地である」として、ライナーの停車駅でさえ住人が減少する。そして、ますます「過疎化が進む」。このような「負のスパイラル」に陥って地域が衰退していくのであろう。青梅市の人口はここ数年で随分と減少し、青梅駅近辺では食料品の入手さえ簡単ではなくなっている。まさに過疎である。

 現在、青梅線の電車は、青梅-立川間18.5kmを32~33分かかっている。これは、大昔から変わっていない。昔の茶色の鉄骨・木造のボロ電車から、現在の高性能電車の時代になっても、変わらない。他の線と比べてみると、そのユックリさは際だっている。簡単には、中央線から青梅線に入ったとたんに、電車が発する「音」が変る。いかにもユックリな音になる。

 東京駅から東側にある千葉県では、交通が便利なって地域が発展したとのことである。昔、東西線か通ってから、それまでの田園風景は一変したとのことである。しかし、西側の多摩地域、特に、青梅のある西多摩地域では、交通が便利にならなかった。
 当時の国鉄は、通勤5方面作戦と称して、通勤混雑区間の改良をした。しかし、中央線は、三鷹までしか実現されなかった。他の線区では全て実現されているのにである。
中央線の複々線は三鷹までで工事が止まってしまった。おまけに、中野-三鷹間では、快速線と緩行線が同じように各駅に停っている。折角、複々線にしても、緩行線が2組あるだけである。この片方を「快速線」と称して、通勤電車と長距離特急などを通している。スピードが異なる種別の列車を同一の線路上に置いている。その結果、少しの時間遅れが発生すれば、ダイヤは乱れてしまう。所要時間は早くできない。中央線「快速」は「快速もどき」である。そして、中央線は、既に増発が出来ない程の過密ダイヤの路線である。

 ところで、せっかく複々線にしたのに、両方が緩行線という不思議な現象には、複雑な「歴史問題」がある。
 当時は国鉄の時代である。1960年代に中央線複々線化工事を行った。計画では、当然に快速線と緩行線とを分けて、快速線は、途中駅を通過させる予定であった。ところが、通過駅である杉並区内にある3駅、すなわち、高円寺・阿佐ヶ谷・西荻窪の通過は、杉並区の住民に反対されてしまった。その結果、当時の国鉄は、杉並3駅を「通過させない」との覚書を出して工事をせざるを得なくなった。それから現在まで60余年、杉並区という「地域のエゴ」で、西荻窪より以西の利用者は、毎日の利用に多大な迷惑を甘受している。言いかえれば、杉並区は西多摩地域にとって、発展を阻んでいる「憎むべき存在」とも言える。
 こうして、多摩の格差は拡大している。困ったものである。


「多摩格差の解消」といえば、都知事選挙のとき、現在の小池都知事は、青梅市・河辺の駅前で聴衆を前に、「多摩格差をなくします!」と演説していた。しかし、現在まで「格差解消をした」とか、「その努力をしているとか」のことは聞いていない。公約は忘れたのであろう。都会議員も、小池氏が率いる「都民ファースト」の公認が当選したが、選挙以来、その姿も見かけていない。これも何もしていないのであろう。座っているだけで、高額の議員報酬を受取っているのである。税金を払うのがアホらしくなる。

 もっとも、以前の石原都知事は、多摩の振興とは逆なことをしてくれた。しかし、地元からは、非難の声さえあがらなかった。

 すなわち、
 以前、「青梅マラソン」は全国的な知名度があった。青梅の片田舎で、唯一? とも言える行事であった。当時の石原都知事も来て、スタートの合図をしていたこともあった。
 
 ところがである。青梅マラソンの活況を「これは良い」とでも思ったのか、これにヒントを得たのであろう。それから後に、「東京マラソン」の開催をしたのである。青梅マラソンの1カ月程の後の開催である。当然に、それまでの青梅マラソンの参加者は、東京マラソンに移ってしまう。かくして、青梅マラソンは、全国的な有名の位置から、転落した。
 都知事が地域の振興を奪ってしまったのである。選挙のときにだけ「多摩格差をなくします」と、言っても、端からそんな気はないのである。

 かくして、青梅はますます、衰退していく。そして、「過疎地のカス」などと揶揄されているのである。

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2 コメント

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Unknown (イチ)
2020-11-17 06:40:50
青梅駅から東青梅駅間の単線問題を解決しないと無理じゃないでしょうか?
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Unknown (本人)
2020-11-17 11:23:09
コメント有り難うございます。

青梅⇔東青梅間の複線化どころか、
東青梅駅までの複線までもが、グリーン車導入の12両化のために、「ホーム用地がない」との理由で、単線にされてしまいます。このこと、市議会議員さんに話したところ、「JRと話した」とのことで、私にその結果を説明をしてくれましたが、結論としては、何の解決策も示されませんでした。
ライナーの廃止のあと、特急になり、1年後?だったか、1本増えて夜2本となりましたが、ライナーのときよりも、本数は1本減です。しかし、料金だけが倍増以上です。
特急停車駅での普通電車との接続は、ダイヤの組み方で、今よりも改善は可能だと考えますが・・・、退避用のホームを増設しないと無理ですか?
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