ラティス(プレイステーション)
2009年10月2日掲載
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細長い四角柱が連結したような格子(ラティス)を連想させるコースを疾走し、ひたすらに敵を撃ち障害物を避けゴールを目指すという3Dシューティングが「ラティス」です。コースは柱の4つの側面です。コースのつながりを解析し、アイテムを取りながら、時にはコースを逆走し、必要なルートを巡ります。
このように書くと普通のゲームっぽいですが、本作は言わば「トランス系シューティング」です。そんな言葉が本当にあるかどうかは知りませんが、以下のような一定の特徴を持ったシューティングが世の中にいくつもあります。
・浮遊感を持った三次元視点
・スピード感のある比較的単純なゲーム内容
・目のくらむような抽象的な映像
・単調なだけに瞑想的な効果のある音楽
操作、映像、音響の相乗効果によって、陶酔と覚醒を同時に迎えるような感覚になります。危険を感じるほどの没入感を得る人もいるかもしれません。トランス系シューティングでメジャーな作品としてはセガの「Rez」が挙げられます。先発していたこの「ラティス」も同系統に分類されるでしょうが、「Rez」とはかなり異なる印象があります。
「Rez」はゲーム的な形はとっているけれど、そのインタラクティブ性だけを借用して、ゲームとは別のものへの没入感を伴うよう意図されていたと考えられます。一方で「ラティス」は、目を引く奇妙な映像と、単調な音楽とを利用することで、敵を撃ち障害物を避けるというゲーム作業そのものに没入させるよう設計されているようです。
本作の方がより純粋なゲームに近いのですが、このことは操作性からも理解できます。「Rez」では方向キーと○×ボタンだけしか使いませんが、「ラティス」では方向キーと○×△□LRボタンの全てを使います。特にゲートを通過するために必要なキーカプセルに撃ち込む時など、L2とR2ボタンの左右移動と×ボタンのジャンプで障害物をかわしながら、R1+方向キーで照準を移動させ、□ボタンでショットを撃ちつつ、○ボタンで特殊武器を使い、カプセルを追い越した時には△ボタンで逆走する、という困難な操作が要求されます。さらにL1+×ボタンでハイジャンプ。
しかも本作は難易度が結構高いように感じます。ワールド3あたりからラティスの構造が複雑になり、障害物の配置もシビアになってきます。道中で拾った特殊武器を惜しまず使うのがいいでしょう。難易度が高いとは言っても、きっちり覚えていけば十分に進めます。このようにゲームとしては本気の作りですが、この手のゲームを真面目に攻略することにどれほど意味があるかは、まあ横に置いておきましょう。
ゲームメーカー大手が作った「Rez」がゲームから離れる方向の作品であったのに対し、マルチメディア屋さんが作った「ラティス」がゲームの原始的な部分を抽出したような作品であったことは非常に興味深い事実です。まさに、かつて人類がテレビゲームに遭遇した時の、あの「電子との戯れ」のような感覚を呼び起こさせるゲームです。
2009年10月2日掲載
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細長い四角柱が連結したような格子(ラティス)を連想させるコースを疾走し、ひたすらに敵を撃ち障害物を避けゴールを目指すという3Dシューティングが「ラティス」です。コースは柱の4つの側面です。コースのつながりを解析し、アイテムを取りながら、時にはコースを逆走し、必要なルートを巡ります。
このように書くと普通のゲームっぽいですが、本作は言わば「トランス系シューティング」です。そんな言葉が本当にあるかどうかは知りませんが、以下のような一定の特徴を持ったシューティングが世の中にいくつもあります。
・浮遊感を持った三次元視点
・スピード感のある比較的単純なゲーム内容
・目のくらむような抽象的な映像
・単調なだけに瞑想的な効果のある音楽
操作、映像、音響の相乗効果によって、陶酔と覚醒を同時に迎えるような感覚になります。危険を感じるほどの没入感を得る人もいるかもしれません。トランス系シューティングでメジャーな作品としてはセガの「Rez」が挙げられます。先発していたこの「ラティス」も同系統に分類されるでしょうが、「Rez」とはかなり異なる印象があります。
「Rez」はゲーム的な形はとっているけれど、そのインタラクティブ性だけを借用して、ゲームとは別のものへの没入感を伴うよう意図されていたと考えられます。一方で「ラティス」は、目を引く奇妙な映像と、単調な音楽とを利用することで、敵を撃ち障害物を避けるというゲーム作業そのものに没入させるよう設計されているようです。
本作の方がより純粋なゲームに近いのですが、このことは操作性からも理解できます。「Rez」では方向キーと○×ボタンだけしか使いませんが、「ラティス」では方向キーと○×△□LRボタンの全てを使います。特にゲートを通過するために必要なキーカプセルに撃ち込む時など、L2とR2ボタンの左右移動と×ボタンのジャンプで障害物をかわしながら、R1+方向キーで照準を移動させ、□ボタンでショットを撃ちつつ、○ボタンで特殊武器を使い、カプセルを追い越した時には△ボタンで逆走する、という困難な操作が要求されます。さらにL1+×ボタンでハイジャンプ。
しかも本作は難易度が結構高いように感じます。ワールド3あたりからラティスの構造が複雑になり、障害物の配置もシビアになってきます。道中で拾った特殊武器を惜しまず使うのがいいでしょう。難易度が高いとは言っても、きっちり覚えていけば十分に進めます。このようにゲームとしては本気の作りですが、この手のゲームを真面目に攻略することにどれほど意味があるかは、まあ横に置いておきましょう。
ゲームメーカー大手が作った「Rez」がゲームから離れる方向の作品であったのに対し、マルチメディア屋さんが作った「ラティス」がゲームの原始的な部分を抽出したような作品であったことは非常に興味深い事実です。まさに、かつて人類がテレビゲームに遭遇した時の、あの「電子との戯れ」のような感覚を呼び起こさせるゲームです。
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