人々が並行世界間を日常的に無自覚的に行き来することが実証された世界。佐藤栞を不幸にしてしまった俺が、なんだか淡々とした研究だけの人生を終えてしまう。その俺が平行世界の僕になり和音を愛するようになるための物語のようです。最後のシーンは、つまり別の並行世界の栞が入れ替わった先で幽霊になった自分を観察してるってことでしょうか。
並行世界の存在が実証されて、並行世界間で日常的に無自覚的に行き来することがある世界。そんな、なかなかの設定で始まる世界。高校生の僕は、瀧川和音という少女と出会い、そして愛するようになるのです。思ったほどの大きな出来事もなく、大人になり、子供が生まれ、その子供も大人になって孫ができる。静かに幸せに物語は終わるのです。まあ、最後に出会ったのが佐藤栞なのでしょうね。
ドラマが好きだったので、このノベライズを読んでみた。たぶんほとんど原作のドラマと同じ内容で、小説独自の内容も特になかったようだ。しかし、読んでるとドラマの情景が思い出されてきて、なんか良いと思うのです。
クリプスリーとダレンはシルク・ド・フリークを離れ、ある街にいく。蛇少年のエブラも一緒に。その街で、デビーという女の子に出会い恋をするダレン。クリプスリーは毎夜どこかに出かける。そんな中、連続殺人のニュースを知るダレンとエブラ。死体はみんな血を抜かれた状態だったことを知り、クリプスリーが犯人なのではないかと疑い調べるのです。さて、クリスマスの街を舞台に、ダレンの恋はどうなるのか。なかなか緊迫したシーンが多く面白かったです。バンパニーズのマーロックというのが出てきました。
ええと、よく分からなかった。
アーダムとサフィアーンが魔王となったことを見抜いたファラーがアーダムを永遠の眠りにつかせる。そして、ファラーは深淵のなかに残ることを選んだのです。そして、サフィアーンやドゥドゥ姫の後日談を語るズームルッド。ボナパルトはカイロを占拠し、アイユーブはいつのまにか主人公になって「空白」となっていた。よく分からないが災いの書となったのです。ズームルッドの娘でありファラーとドゥドゥ姫の血をひいた糸杉がアイユーブの物語を譚りはじめて物語は終わる。
結局どうゆうこと??
少年が探偵に憧れる感じのストーリーだが、中盤あたりからかなりハードな内容になっていく。推理ものというよりも冒険ものって感じでした。怪盗ゴディバが誰なのか、途中からなんとなく分かりました。
それはそうと、この本はこれまで読んだ乙一さんの話とはかなり雰囲気が違います。同じ人が書いたとは思えない感じでした。
この巻ではモーゼが敵になっていく。二言目にはヤーウェの名ばかり口にして、何を言っているのかわからないって感じ。でも、この超有名人が何をしたのかはなんとなく知っているので、それほどの驚きはない。ヒッタイトとの外交ではアーシャが大活躍し、ついに条約を締結する。戦争は終わり、2つの国は平和になった。オフィールとドレントは捕まり、シェナルはしぶとく逃げたようです。そして、この本の副題。なんとなく予測していましたが、やっぱりそうなんですね。トーヤもネフェルタリも亡くなり、ついでに犬も亡くなった。次の最終巻どうなる?
下巻に入るとこれまでの話がうそのように好転していく。楽俊(ラクシュン)という大きなネズミが現れて陽子の味方になってくれるのだ。そして、この世界のことが次々と明かされていく。最後のあたりはかなり早足で物語は語られ、そして終わるのです。でもまあ、ケイキももう少し説明できたはずだとは思うのでした。この後の陽子の物語はどのように続いていくのか。まあ、続きはいっぱいあるので一つ一つ楽しんで読んでいきます。
祖母が病院に運ばれて、もう助からないかもと覚悟していたが、なんとか命をとりとめて、ほっとして母と妹とレストランで白ワインを飲む。ろくでもない男たちはおらずほっとした雰囲気で。安全でも適切でもない世界で。って感じの表題作を始め、全て20〜30ページくらいの短い話の詰まった短編集でした。彼女たちはだいたい奥さんのいる男と付き合っていて。たまにそうでないとしても、犬小屋で寝ている夫がいる話だったりする。その中で、「サマーブランケット」がなんだかちょっと気に入った。
前作同様のノリで始まった物語。さまよう幽霊、謎の数字。でも徐々に物語は前作よりもずっと重く激しいものとなっていくのです。嵐が丘を題材にした話であり、嵐が丘並みの愛憎劇が繰り広げられるのです。あり得ないとは言い切れない。そんな激しく悲しい物語でした。