Autobianchi A112 (レストア)

朽ちかけたアウトビアンキに魂を!レストア生活のレポート

アウトビアンキ KさんのA112(故障の原因解説)

2012-04-01 21:35:05 | アウトビアンキ A112


4月1日(日)、昨日の嵐のような天候が嘘の様な春らしい本日。
このブログは、出張先の新大阪のホテルから書いているんですが、本日は天気が好かったので週末クラブ員が集まるだろうなぁ~と朝窓を開けると直感がひらめいたので、午前10時にカロッツェリア マチオヤジマに行きました。
案の定、次から次に仲間が集まってきました。
本日もイタリア度が高いガレージです。




これは3月31日(土)昨日の写真です。
Kさんのエンジンのオイルに水が入ったトラブルが直っている様子です。



先週はヘッドカバー裏に乳白色のクリーム状のオイルがベットリだったのですが、修理が完了したばかりのようです。



まだ、キャブレターなどの装着は済んでいないようですが、エンジンの腰上は仕上がっていました。
これが昨日までの作業状況です。



ここからは本日の写真です。
紺のアウトビアンキのオーナーSさんもタペット調整にガレージ入りしたのですが、Kさんの故障の原因解説に参加しました。
Sさんもニコニコしていますねぇ~。
故障を楽しみようになると一人前のアウトビアンキオーナー(エンスー)の仲間入りです。



オーナーの八王子のKさんを中心に、故障の原因解説セミナーがはじまりました。



みなさんで眺めているるのはボルトです。



ゲージでボルトの伸び具合を見ているわけです。
ボルトが何故伸びるのか?ここが水は入る原因になるわけです。



前回も説明したように、エンジンのオーバーホール時には、この9mmの規格にボルトを新品に交換するのが、メンテナンスの基本なんですが、アウトビアンキ(フィアット系)のこの9mmのボルト規格が日本では入手しにくい為に、同じボルトを2度3度締めるところに問題が生じるわけです。



矢島氏が手にしているトルクレンジを使うガレージが多いのですが、このトルクレンジを使って、音で締め具合を確認することで、実はボルトが伸びる原因になっている場合が多いのです。



矢島氏が指している解説書は、アウトビアンキの各所のボルトを締める数値が書いてある指示書です。
この数値に従って、ボルトを締めるトルクを決めるのですが、先ほどのトルクレンジでは締めすぎてしまって、螺旋部分が延びてしまう分けです。

この結果、ガスケットに隙間ができて水の浸入を促す結果になりわけです。
通常は問題がなくても、オーバーヒート地味になるとあるとき、ガスケットの隙間から水が浸入するわけです。

「アウトビアンキはオイルが白濁するのが普通だ!」なんてブログの書いている記事をみることがありますが、それは大きな誤解です。
エアコン付のアウトビアンキがこの故障の症状になりやすいのは、後付作業で、ボルトが伸びている為に、水の浸入を促しているケースが多い訳です。

この症状がひどくなると、機能しないピストンが出てしまうことにります。



写真の2本のトルクレンジ。
手前が締めすぎてしまう問題のレンジです。

奥にある古いトルクレンジは、微妙な締め具合を目で確認しながら、トルクをかけることができます。
古い自動車にも道具もその年代の物がようのでしょうか?
矢島氏いわく、「推理と感性を働かすことも大切だ」とのことです。




カロッツェリア マチオヤジマでは、エンジンを降ろしてのオーバーホールの時は、写真のように10mmのボルトに交換して締め直します。
10mmのボルトならば日本でも入手できるからです。
もちろん加工するわけですが・・。

左が9mm 右が10mmです。




こうしたノウハウの蓄積が、安心してアウトビアンキのことなら何でも相談できるカロッツェリア マチオヤジマですので、全国からアウトビアンキ仲間が集まるのでしょうね。




「レストアはネジにはじまってネジに終わる」と言われていますが、まさにそのとおりですね。
故障の原因を何度も見るだけでも、大変勉強になります。
週末に仲間が集まる(自称・週末クラブ員たち)のも、カロッツェリア マチオヤジマでは、知識やメンテナンス法を学べるのも、集まる理由の1つです。

それから、ガレージに集まる仲間はとてもフレンドリーで、大人の会話ができる方々が多いのも、週末集まるのでしょうね。

今日も出張前にガレージに訪問して楽しかったです。
みなさん、ありがとございます。


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