〈読書会〉おもしろ☆本棚

毎月都内で読書会を開いています。
お問い合わせは omohon.renraku@gmail.com まで

会員の選ぶベスト本4

2019-01-22 11:11:23 | ・怒涛のベスト本

4回目にご紹介するのは、昨年の新刊の日本の小説2冊です。
楽しそうな要素てんこ盛りだったり、時代や国家について
考えさせられたり。

『雪の階』 奥泉 光 中央公論新社


戦前の昭和、友人の心中事件の謎を追う令嬢と
実働役の元「お相手役」の女性カメラマン。
謎のドイツ人ピアニスト、革命を目指す若い士官、
昭和十一年二月二十六日、銀世界の朝。

とくると、北村薫の「ベッキーさん」シリーズを思わせますが
そこは奥泉光。
令嬢は妖艶な美女なのに趣味は数学と囲碁、
幼馴染の女性カメラマンはやたらと食いしん坊、
『雪の階』の意味がわかるシーンはBL、と趣向盛りだくさん。
複雑に謎が絡み合っている割にはすっきりと読めました。


『宝島』 真藤順丈 講談社

敗戦の混乱期から1970年のコザ騒動をはさんで
72年の本土復帰までの沖縄現代史をタテ糸に、
戦後の沖縄を疾走した3人の青春をヨコ糸に、
沖縄に生きる人々の、怒り、悲しみ、痛み、苦しみ、悔しさといった
ありとあらゆる感情のチャンプルーを描ききった傑作。

時代に、国家に、政治に翻弄されてもなお、
ナンクルナイサーと前を向くウチナンチュウのたくましさよ!

第160回直木賞受賞!
そして、2月のおもしろ本棚課題本です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2018 会員の選ぶベスト本 3 | トップ | 2018会員の選ぶベスト本5 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

・怒涛のベスト本」カテゴリの最新記事