3回目は良い小説の条件を考えさせる1冊と、
昨年の芥川賞受賞作からの1冊です。
『風土』 福永武彦 新潮文庫
何が良いかを語る時に、自分のボキャブラリーの無さをひしひしと感じます。
小説を読んでおもしろかった、わくわくしたというのは、
良い小説の条件だとは思います。
ただし、心に残るとか、ベスト本だというものについては、
何かそれとは違う感動が必須なのでしょう。
『風土』にはそれがあります。
それは何なのかを考えると、私にとってのそれは共感です。
共感は時と場合によって変動します。
『風土』についての共感とは何か?
主人公と同じように自分の人生って
もっと別なものであったはずではという思いなのでしょうか?
読後、3ヶ月経ちましたが、ベスト本の理由を今いろいろと考えてみました。
『百年泥』石井遊佳 新潮社
今年は全然読めなかったから、ベスト本は迷いましたが、
『百年泥』はマジックリアリズムな感じが好きで、
この人の作品をもっと読みたいと思いました。
これから読もうと思っている『自転車泥棒』(呉明益)と
『サラエボのチェリスト』(スティーヴン・ギャロウェイ)に
期待が高まります。
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