
2007年度のMotoGPも気が付けば9戦を終えている。
開幕前の冬季テストの結果は、シーズンが始まってしまえば
余り関係のないものになる印象があったのだが、
今シーズンは排気量が990ccから800ccに縮小というレギュレーション変更
の影響からなのか、私の予想はことごとく外れた。
Ducati MarlboroのCasey Stoner#27が9戦中5勝。
21ポイント差でFiat Yamaha TeamのValentino Rossi#46を押さえている状態だ。
しかも内容が非常に伴っているから驚きだ。
幾度となくRossiとバトルを繰り広げているが決して動じない。
自分とオートバイに揺るがない自信が付いてきたのだろう。
走りを見ていてもそれはハッキリと感じる。
ヒヤリとする場面がなく、肝が据わっていて落ち着いている。
しかも21歳という、Repsol HondaのDani Pedrosa#26と同じく
MotoGPクラス最年少。
昨年の転倒の多さがまるで嘘のようだ。
若き天才が2人も存在していて、尚且つそれを生で見られるというのは
もしかしたらものすごく幸せなことなのではないだろうか。
しかし本当の天才というのは時として薄命なのでは・・・という考えが、
不安を含んだ雨雲みたいに私の心に浮かんでいる。
神様に目を付けられてあっさりと側に置かれてしまう。
いや、普段の人が80年くらいかけてなしえることとか、
感動を与えることとか、使命とか、そういったものが
凝縮されて20数年で全て出し切ってしまうのかなとも思う。
少し話はそれたが、今年はSuzuki、そしてブリジストンタイヤが
乗りに乗っている。
Hondaも8戦目まではかなり苦戦を強いられていて、実はまだ1勝も
出来ていないという緊急事態なのだが、
前戦でRepsol HondaのNicky Hayden#1も3位表彰台に立ち、
いよいよHondaファクトリーの反撃かと、楽しみな要素も多い。
Konica Minolta Hondaの中野真矢選手#56は今シーズン全く良いところがない。
KawasakiのファクトリーからHondaのサテライトに移籍して、
体制、マシン、タイヤ、全てが新しくなり、その中で自分の出来る最大限、
いや、それ以上のトライをし奮闘していることだろう。
実は中野選手は今シーズン一気に行くと予想していたのだけれど、
これも全く外れてしまった。
しかし中野選手が表彰台の真ん中に立つ姿が見たいのだ。
後半戦に向けてのRossiの反撃、Hondaの復調、まだまだ楽しくなる要素が
盛りだくさんだ。
そんなことを考えていたら猛烈にオートバイに乗りたくなってきた。
うぅ~。