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アルコール中毒になってしまった作者の実体験を
基に書かれた小説で、『砂の女』のときと違って
この作品はスラスラと読み終わってしまった。
厳しい現実世界にシラフで立ち向かえなくなるということ、
もしも自分がお酒にめっぽう強かったら有り得たかもしれない。
お酒の弱い私でも『飲まなきゃやってられねぇ~よぉ~』
などとぼやくことがあるのだから。
どうせ死ぬなら大好きな酒を飲むだけ飲んで死にたい。
それでいい。
何がいけない?
私も仕事や色々なことで疲れてくると弱音を吐いてしまう。
ボロボロになって、少しお酒を飲んだだけでクラクラになって、
あぁ、このまま眠って目を覚まさなかったら楽だろうなぁ、
なんてことを考えてしまったこともある。
『あたしは、自分とおんなじ人たち、
生きようとしてても運悪く死んでしまう人たちの中で生きたいの。
生きる意志を杖にして歩いていく人たちの流れの中にいて、
そんな人たちのためだけに泣いたり笑ったりしたいの』
そんな主人公に対して身近な人が放った言葉。
人間はたくさんの人たちと関わりあって生きている。
もしかしたら自分の命は自分だけのものではないのかもしれない。
強いところなんてほとんどなくて、
もうそれこそ弱いところだらけかもしれないけれど、
それでも生きなきゃいけないんだ。
辛いことだらけでも、きっと良いこともある。
乾杯。
明日は金曜日。
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