くもり のち あめ

うしろ向き、うしろ向き、たまに、まえ向き。

Moon

2007-07-18 21:03:34 | 日記
私がそのゲームソフトと出会ったのは、
高校生のときだったろうか。

かなり記憶が曖昧だ。
それくらい昔ということだろうか。

発売元は『アスキー』だったと思う。
プレイステーションソフト『Moon』だ。



あのキャラクターデザインと世界観に惹かれて
中古ソフトを購入した。
たぶん当時はあまりお金がなくて新品を買うことが
出来なかったのだと思う。

ゲーム中、『おばあちゃんの家』で流れていた曲が
ものすごく印象的で、強烈に記憶に残っていた。
それはピアノの演奏曲で静かで落ち着いていて、
心が癒されたのだ。

この曲を作った人は天才だ。
ゲームミュージックの域を超えている。
もともと色々なアーティストが楽曲を提供していたらしく、
音楽にはすごくこだわりのあるゲームだったから、
これはその際たるものだと感動したのを覚えている。



おばあちゃんの本当の孫はもう死んでしまっていないのだけれど、
目が悪いおばあちゃんはゲームの中に迷い込んだ主人公を
本当の孫が帰ってきたのだと思っている。
(記憶が曖昧なので違ったかもしれない)
そして毎日焼きたてのクッキーを手渡してくれる。
当時その設定に少し涙した記憶がある。

そして10年近く時が経ち、
最近のテレビコマーシャルであのときの
音楽を耳にしたのだ。

『おばあちゃんの家』の曲が時を越え、
クルマか何かのCMに使われていた。

この曲に目(耳)を付けるとは広告代理店だか、
製作会社だか分からないが、
なかなかやるな、いや、かなりやるなと思っていた。

それと同時に

「待てよ、もしかしてこの曲はmoonの為に作られた曲ではなくて、
 もともと存在する名曲だったりするのかも・・・」

という信じたくもないような閃き。

恐る恐るネットで検索。

『クロード・ドビュッシー(1862-1918)』というフランスの作曲が
作曲した『月の光』という曲だった。

納得というかなんと言うか。

早速出勤途中に『モニク・アース』という女流ピアニストが
演奏している『ドビュッシー:ピアノ名曲集』を購入した。



こうして10年も前に感動した曲を改めて耳にすると、
本当にタイムスリップしたような、
心が安らぐというか、
なんともいえない落ち着いた気持ちになれる。

たぶんこの曲も、ゲームの中の『おばあちゃんの家』の
テーマソングとして出会わなければ
こんなに感動しなかったのだろうなと思う。

出合のタイミング。

縁。

やっぱりこの世はおもしろい。