【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第98回
「見素抱朴 少私寡欲(けんそほうぼく、しょうしかよく)」(老子)
老子の名言のひとつになります。
人より良く見せたいと 余計な見栄を張り、
外聞など外の評価を気にするあまりに 無理をすることは何の意味もない、
それよりは素朴に飾らずに ありのままの自分をそのまま表わしなさい。
同時に私利私欲などで動いたところで、何も共感を得ないどころか、
反感を買うだけなので、出来るだけ欲を少なくして生きなさい。
シンプルメッセージでありますが、心に沁みる言葉でもありますね。
ついつい、いろんな場面で自分自身の都合を入れたくなってしまうのが、
人間の性(さが)でもあるので、そんな自分自身を戒めるのに とても説得力のある言葉ですよね。
自分にとって、都合の悪い時や、不利な時、理不尽だと感じる時こそ、
この言葉を思い出して、いかにバランスを取ったらいいか、
どうしたら調和を取れるかなどの 視点を忘れずに対応していきたいと思います。
参考文献
『老子道徳経講義』田口佳史著 致知出版社