人生をひらく東洋思想からの伝言

様々な東洋思想の言葉やその精神を通じて、ともに学びながら一緒に人生や経営をひらいていけたら嬉しいです。

第140回『共創の思想』(佐々木正)

2024年05月27日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】

第140回

『共創の思想』(佐々木正)


佐々木先生は、言葉だけでなく、

「共創」の思想を日本の技術を通して、
世界に発信された偉大な方でもあります。

「共創とは、お互いの信頼関係を築き、お互いの思想を尊重し、

そこから新しいものを共に創りあげる」ということで、

もともとは日本人の心に根付いている思想だと、佐々木先生は仰っていました。


佐々木先生は、1915年に島根県浜田市にお生まれになり、

代々浜田藩にお仕えされていた家系ということで、

お父様も凛とした藩士としての生き方を徹底して貫かれた方だったそうで、

その影響もあり幼少期から『論語』の素読、習字、剣道などを仕込まれたそうです。


お父様の代で、一家で台湾に渡り、呉服屋をされていたそうで、

制の台湾一中時代には、昭和5年に開催された

「第15回全国中等学校優勝野球大会」が甲子園で開催されたときに、

出場された野球球児でもありました。

その後、京都大学工学部を卒業後、

神戸工業(前身・川西機械製作所、現・富士通)取締役を経て、

ャープ(株)副社長、顧問を歴任され、2018年に102歳で永眠されました。

電卓の生みの親であり、シャープを日本有数の家電メーカーに育て上げ、

液晶、太陽電池など常に日本の先端電子技術の開発に携わり、

半導体産業の礎を築いたお一人でもあります。

ソフトバンク孫正義社長からも、「一番苦しい創業期を支えてくれた恩人」として

毎年主催する「恩人の日」にも招かれていたそうです。

この本は、佐々木先生がお亡くなりになられる4年前の2014年に、

佐々木先生の遺言の書として、私の出版業界におけるメンターが編集された大切な本でもあり、

毎朝私は、この本を通じて、佐々木先生と心の対話をさせて頂いております。

今回は、この本から、大切なメッセージを3つご紹介させて頂きます。


1つ目は、「誰でも、大切な役割がある」ということ。

生きていくということは、誰かに喜んでもらうために何らかの活動をすることです。

ですから、喜んでもらうために、自分の役割について考えてみるのも大切です。

大きな役割(ミッション)もあれば、日々変わる小さな役割もあります。

小さな役割に気づくことは、年齢に関係なく、「いつも、現役!」で生きていくということです。


2つ目は、「価値観が違うから、価値がある」ということです。

価値観が違う人や異質な人を遠ざける人もいますが、

そのようなグループからは斬新なものはなかなか生まれません。

むしろ積極的に会い、議論し、新しい価値をどんどん生み出していくことが大事です。

ビジネスの世界でも「新たな化合物を、速やかに生み出す」ための考え方が求められていて、

その答えやヒントが、共に創るという「共創」の思想にあります。


3つ目は、「自分を高める心を、忘れない」ということです。

問題意識の高い、優秀な人こそ、いろいろな落とし穴にも陥りやすく、

そうならないためにも、自分を高めていって欲しい。

自分が高められれば、相手も高まり、お互いの人生が良くなります。


以上3つになります。佐々木先生とご縁のあった方々にお話をお聞きすると、

本当にお優しかったそうで、皆さま心から感謝され、尊敬されている感じで、

微笑ましい関係性と絆が紡がれていたご様子が伺えました。

多くの方々に、佐々木先生のことを知っていただき、

現代に「共創の思想」をより発展して、繋いでいきたいと思っています。


参考文献
『生きる力 活かす力』佐々木正著 かんき出版

 

 


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