10日目 11月2日(土)
昨夜から雨が降り続き今朝は本降りになってきました。
明日の早朝帰国のため今日中にリスボンに戻ればいいので本場のポートワインの
ワイナリーとかドウロ川クルーズなど、もう一つこなしてからと思っていましたが、
もうそんな意欲も打ち砕かれる天気です。
きのうバスチケットの予約に行ったところ、
「明日は混まないから乗る30分前に来れば大丈夫。」
と言われたので時刻表だけもらっておきました。
宿はこんな日のために打って付けの場所で、バスターミナルが隣りにあり、
カフェも傘要らずの距離でした。
そこで朝食だけはのんびり取ってから出発しようと言う事になったのです。
バスチケット 全席指定 ポルト、リスボン間 20ユーロ
10:30発のバスは乗客がたったの6人、さすがチケット売り場の人の
予想が当たりました。
道路は平坦で急なカーブもなく空いていました。
ドライバーさんはクッキーを食べながらのリラックス運転で、足がアクセルから
離れていて100km/hキープ。この道路事情じゃクルーズコントロール。
ブサコ、コインブラ、フィゲイラ・ダ・フォス、レイリア、バターリャ、ファティマ
などの表示が出てきて、もしマデイラに行ってなければこれらの町で
有名な修道院とか教会を周っていたかもしれないと思うのでした。
バスは唯一の停車場所ファティマでトイレ休憩、ここからの乗客もいました。
ポルトガルに限らず、高速道路からの風景はおもしろいものがある訳もなく
何事もなく3時間半でリスボンのセッテ・リオス・バスターミナルに到着しました。
でも、今までそんな平穏無事に終わった日は無かったから。
早速不穏な気配が。
宿に行くためメトロの券売機に立ち向かうがまたしてもどうにも買えない。
駅員さんに来てもらったら、あっさりとそれは鉄道の券売機だと。
メトロの乗り場はもう少し先だったのです。そりゃあ、買えるわけがない。
ポルトガル最後の宿はロシオ広場の近くで賑やかな盛り場にありました。
どうせ寝ないだろうし、荷物が置けて早朝タクシーが拾い易いところにしたのです。
狭い階段を上り4階の部屋に着いた。
珍しく、鍵はすんなり開いた。バスルームもまあまあだし、小奇麗だし。
が、ハプニングはすぐ起こった。
荷物を置いてちょっと休もうとして椅子を引いた途端、まるでコントのように
壊れた。もう、笑うしかなかった。今まで生きて来てこれほど簡単に壊れる
椅子に出会ったことはありません。
おそらくもう長い間この部屋ではこの事件が繰り返されていたに違いありません。
クレームもめんどくさいし黙って元通りにして置くだけです。
そしてコンセントの位置の高いこと。ご丁寧に2箇所とも。
低い所のはテレビが繋がっているし。
まあ、テレビを見なければそこを使えばいいのですが。
楽しい部屋です、最後まで。
一番思い出に残るのは教会でもなく、修道院でもなく4箇所の宿になりそうです。
必ずなんかしらありましたから。特に鍵については考えさせられました。
本来の機能上、簡単に開けられたらいけないんではないかと。
いくら位から印象に残らないイイ宿(ホテル)になるんでしょうか。
ポルトからリスボン
残された数時間は食事をしたりちょっと気になるお店を覗いたりで街歩き。
ポルトガルは深夜まで人通りがある所でも7~8時には靴屋とか洋服店などの
主だったお店が閉店してしまいます。この時期だからなのかもしれませんが。
開けておいたらどんなに売れるだろにと思いますが、
ウインドウショッピングするしかないです。
飲食関係、お土産店、スーパー、デパートは開いてますので、
旅人には充分です。
宿のそばにジンジーニャ(甘いさくらんぼ酒)の立ち飲み屋があり、
多くの人で賑わっていました。
ショットグラスで1,35ユーロ、好みでさくらんぼの実を入れてもらうこともできる。
プラカップに入れてもらつて思い思いの場所にたむろってチビチビやり、盛り上がっている。
路上では心地いい音楽が聞こえてきた。ゲリラライブです。
民俗音楽(たぶん)のグループに黒山の人だかりが出来、しっとり踊り始める人も。
最後にアルファマ地区を1周する12番の市電のコースを徒歩で回ってみました。
昼間には見られない庶民生活の様子に出会いながら。
深夜になり市電の営業が終わった長い急坂を、若者達が猛スピードの自転車で
下る遊びをしていました。上ることを考えたら大変だと思うのですが、若さです。
この国の若者はいったいどこに行ったんだろうと思っていましたが、こんな所で
爆発させていたんですね。
裏通りの庶民的な食料品、雑貨店に入ってみました。
意外と実用的な土産になるような物があったりするものです。
ポルトガル料理もほぼ食べつくした感があり、有名と言われていながら
最後まで二の足を踏んでいたイワシの塩焼きを食べたとき、あなどれない
おいしさを感じたのです。何が違うの、たかがイワシされどイワシ。
そう、塩です、塩がこのうまさを引き出していると感じました。
そこで、あのうまさをもう一度日本で味わうには塩を買おう。
狭い通路が二通りあり両脇に商品が所狭しと並んでいます。
奥まで行きたいのに途中でおじいさんが閉店に向けて
掃除をしていて、行く手をはばんでいます。退く気配はなし。
と、ちょうどそこの棚に塩が3種類あり、重くなるのを嫌い小袋入りの高い
のを手に取って見ていました。
それを見ていたおじいさん「なんでそんな高いのを買うんだ、大きいほうが
お得だよ。」 「そう?これとこれは同じ品物?」 「そうそう」
そんな会話が、おじいさんはポルトガル語、こっちは日本語。
親切なアドバイスで1kで50円くらいのを買いました。
最初に買おうとしていたのは300gで500円くらい。
商売気がないありがたいおじいさんでした。