岩佐和裁のブログ、裁縫記:IWASA WASAI's blog, sewing notes.

着物や和裁を紹介しています。
Introducing kimonos and kimono sewing.

羽織下

2005年02月23日 09時02分03秒 | 未分類
被布の記事を書くので久しぶりに和裁の教科書を広げ、改めて何でも載っているんだなと感心しました。その中から羽織下を紹介します。
 羽織下は羽織の下に防寒用として着用するもので、残り布などを利用し、真綿などを入れてつくる場合が多い。形は一つ身裁ちにするもののほか、脇明を曲線でつくったもの、肩山を縫い下げたものなどいろいろ工夫されている。
 標準寸法は
1、身丈、1尺4寸から1尺7寸
2、後幅、いっぱい
3、前幅、いっぱい
4、襠幅、半幅いっぱい
5、脇明、1尺から1尺1寸
6、衿幅、5分
7、表地は長襦袢や羽裏の残り布を用いる場合が多く、それぞれの要尺は表布、並幅で4尺1寸   (1.55m)位。裏布、並幅で3尺4寸(1.3m)位。
8、綿は真綿又は木綿綿を適当に入れる。
それから、この間から記事を書くのに参考にした和裁の教科書は和服裁縫協同組合員用の本で本屋さんでは売っていません、入手するには組合員になるか、会員の方に買って貰うのがいいと思います。上巻、下巻にわかれていて兎に角なんでも載っています。値段は上巻が2940円、下巻が4725円だったと思います。
 写真は羽織下のページをスキャンしたものです。

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被布

2005年02月22日 08時57分11秒 | 未分類
少し前まで羽織を着ている女性を見かける事は稀でしたが、この頃時々見かける事もあり呉服屋さんにその話をしたところ、今は丈の長い羽織が流行っており品揃えも結構あるのだそうで、着物の上に着る羽織やコートについて少し考えてみました。
 羽織で男物と女物の一番の違いは、男物は室内でも着用してもいいのですが、女物は脱ぐのが一般的で、コートは男物、女物共室内では着用出来ません。
 そこで女物で着物の上に着て室内でも脱がなくてもいい物がないか考えて、被布を思い出しました。
 よく被布衿のコートといっしょにされがちですが、まったく別のもので、時代劇で武家の女性が着ているのを見た事があります。
 でも私自身縫ったことがなく、修行中に一枚だけ仕立ての注文があったぐらいで実際に着用している人を見た事はありません。
 で教科書の受け売りですが被布と被布衿のコートの違いを書きます。
1、被布は外出用にも室内着としても用いるが、被布衿コートは外出着であり、室内では脱ぐのが礼儀。
2、被布は長着の上に着用するが、被布衿コートは長着の上にも羽織の上にも着用する。
3、被布は襠つけるが、被布衿コートはつけない。
4、被布は竪衿と小衿の間を1寸5分から2寸明けるのに対し、被布衿コートは衿型により自由。
5、被布は竪衿縫目は片返し(竪衿側に)にしますが、被布衿コートは竪衿付は割り縫いにする。
6、被布の竪衿幅は上で狭くする場合もあるが、被布衿コートの竪衿幅は上まで同寸にする。
7、被布は飾り紐を付けるが、被布衿コートはくるみボタンの方が多い。
8、被布は中紐は付けないが、被布衿コートは中紐を付ける。
9、被布は前下りが付くが、被布衿コートは前下りが付かないこともある。
10、被布は竪衿の裾には丸みを付けないが、被布衿コートは竪衿裾の丸みは自由。
 ざっと被布と被布衿のコートではこれぐらいの違いがあります、また被布の身丈ですが身長155cmで2尺2寸ぐらいです。
 どこかに写真がないか探したのですが、見つからないので、教科書の絵を載せときます。

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裏縞

2005年02月18日 21時39分35秒 | 未分類
江戸小紋は片面染めが一般的ですが、型染めの本物の江戸小紋にも両面染めがあります。
 単衣の着物に仕立てたらすごく面白いと思います。
 で片面が縞で、縞の方を裏にした江戸小紋を裏縞と言います。それだけでも粋だと思うのですが、単衣の場合、縫い込みをくける袖口、褄下、裾や脇縫いの揚げの所は普通に仕立てると表地が出る為、くける所では縫い込みをもう一折したりして、裏側全てを縞にする裏縞仕立てがあります。
 私の先生はいろんな仕事を知っていて、怒られながら何枚か縫いましたが、特に裾と褄下(おくみの所)の角を額縁と言いますが、すごく難しかったです。
 前回のブログに載せた万筋が裏で、写真の鮫小紋を表にするなど裏縞は結構奥が深いです。

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目加減、手加減、いい加減

2005年02月18日 09時14分58秒 | 未分類
和服の仕立ては基本的には同じ長さの布をつり合いよく、真直ぐ、たいらに縫えばいいのですが、生地ごとに癖があり(主に伸縮率の事ですが)縮まる方の布を多少長くして縫い合わせます。
 この長くした分を緩みといい、同じ縮み具合の生地など同じ長さの物を縫い合せる事を、たいらに縫うと言います。
 また紬やお召しなどの先織りの生地や江戸小紋の万筋などは、幅などの寸法を多少変えても絣や縞を通したり、単衣地の絽なども、丈の寸法多少変えても袖下や揚げ、裾などは絽目を通したりします。
 つまり要は出来上がりの見栄えを良くする事が重要で、その為の加減をいい加減と言い、つり合いや縫い目の緩みを、目で見てちょうどいいか判断する事を目加減、その緩みなどを指先で感じ一針ごとにちょうどいいように入れたりする事を手加減といいます。
 と思うのですが、先生に教わったのは先の目加減、手加減して、いい加減に縫えと言う事だけで後は自分で勝手に解釈した事で、まだ間違えているところがたくさんあると思います。
 写真は江戸小紋の万筋です、向かって左側に型つぎがあります。
 うっかり見落として上前の前などに出したりすると裁間違いになりますので裁断のときは緊張します。


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少し変わった絽の附下

2005年02月16日 21時19分03秒 | 未分類
単衣の季節はまだ先ですが、単衣の附下の仕立てが2枚入りました。
そのうち一枚の絽の附下の生地が少し変わっていて、唐草の地紋の三本絽です。絽はそこそこ縫いましたが地紋の入った絽は、たぶん初めてだと思います。柄は自信はないのですが、鷺草でしょうか?
 写真は下前の袖の柄の部分です。

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江戸小紋

2005年02月15日 07時24分33秒 | 未分類
江戸小紋を裁つ時は結構緊張します。
 変な話ですが、いい物ほど色むらや型つぎ等の難があり、かえって柄を印刷した物の方がこれらの難が少ないです。
 あと不規則な幾何学模様の中に鮫小紋や霰、角通し等、数種類の江戸小紋が染められていて、その不規則な幾何学模様が上前のおくみ付けの所だけ柄が合う物が有ったり、型染めの鮫小紋は大抵反物に落款が有りますし、江戸小紋は紋を入れると礼装にもなりますので紋が入っている物が多く、特に染められた色に近い糸で縫い紋が入っている物も有るので、見落とさない様に目をさらの様にして検反します。
 写真は以前縫った型染めの絽の江戸小紋の男物の羽織と着物で、向かって左が羽織で右が着物です、このお客様は立派な体格で裄も2尺近く有る為、新たに型紙を作り別染めにしたそうです。
 あと立湧模様を合せる為、紋を入れる前に紋印もしました。
 向かって左の茶色ぽい方が羽織で右が着物です。

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紐の縫い目

2005年02月13日 22時26分13秒 | 未分類
付け紐の縫い目や袴の紐、羽織の乳下がり等での折りや縫いで、縫い目の向きを上にするのが女物、下向きにするのが男物です。
 これらは袴の紐からきているらしく、刀の抜き差し易い様に縫い目の向きを決めたそうです。
 私の先生によると、袴の紐の縫い目がほころびた時に刀が引っかからない様に袴の紐の縫い目の向きを下向きにして、女物はその逆にしたそうです。

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着物の保管

2005年02月12日 21時55分25秒 | 未分類
以前着物の洗濯と言うお題で二酸化炭素で洗うクリーニング(超臨界流体)の記事を書いたところ、それに頂いたコメントから、今度は防虫剤を使わないで着物を保存する方法がないか色々探して、教えてgooに投稿したところ早速回答を頂き自分で試した訳ではないのですが、これは使えそうな気がしますのでそれらの資料を載せときます。
 脱酸素剤「エージレスR」の主成分は鉄粉です。鉄が酸素と反応し酸化(=錆びる)する原理(鉄の酸化反応)を応用して、フィルムなどで密封された包装容器中の酸素を吸収し、無酸素状態にしています。鉄と酸素の酸化反応(酸化鉄=錆が出来る)では、化学的な発熱を伴ないます。脱酸素剤「エージレスR」は食品と共に密封され、包装容器内の酸素を吸収しますが、この時点では徐々に反応が進行するためあまり発熱はなく、包装容器内の酸素を吸収し終わると反応は停止します。食品の品質を長期間保持するためには、包装フィルムからわずかづつ透過、侵入してくる酸素を持続的に吸収する必要があり、脱酸素剤「エージレスR」の使用量は、酸素吸収能力にある程度余力を持たせています。一方、保存期間中には、包装容器内の湿気を脱酸素剤「エージレスR」が充分吸収した状態になります。開封時、脱酸素剤「エージレスR」の残存有効成分が空気中の酸素と接触し、かなり急速な酸化反応を起こし、発熱を生じることがあります。これは吸湿により酸素との反応性が使用開始時より速くなった為です。残存有効成分量にもよりますが、総発熱量は余り大きくなく、その持続時間も3~4分間程度(残存有効成分がなくなるまで)です。指等で表面に触れると瞬間的には熱いと感じる場合もありますが、総熱量が少ない為、直ぐに表面温度は低下し熱傷等までには通常なりません。残存有効成分がなくなると発熱も停止し、後は自然に冷えてきます。再び発熱することはありませんので、ごみ等と一緒に捨てても火災になる危険性はまったくありません。


 下記のアドレスからそのサービスをしている会社のホームページを見る事が出来ます。
シーラーパック</a>

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おまかせの寸法

2005年02月11日 21時09分49秒 | 未分類
お客様の着物を仕立てる時に絶対必要なのが寸法表です。
 でもこれも結構アバウトで、絵羽物などは柄を合わせる為に後幅、前幅合せて5分ぐらいお客様に聞くことなく広げています。
 着物は着付けで補正も出来ますし、それほど体のサイズに合わせなくてもいいようになっていると聞いていますが、誂えの仕立てで仕立て代を頂いている私的には、もっと細かい寸法表が欲しいと思う時が有ります。
 たとえば抱き幅や合褄幅は指定が有る事は少ないです。
 抱き幅は通しの時と曲げる時では、4分から5分ぐらい違いますし(曲げるとは、前幅が6寸の時に抱き幅を5寸6分にする様に、寸法を変える事を言います)合褄幅もおくみ幅通しでは4寸ですが、3寸8分や3寸6分など結構違いが有ります。
 あと裄にしても痩せている方等は、袖幅を袖付から袖山で3分広げればその分、身八ッ口から肩山にかけて前身頃の寸法が狭くなり、補正に使うタオルが少なくて済むのかな?なんて考えています。

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黄八丈その二

2005年02月10日 19時52分44秒 | 未分類
以前記事にした黄八丈が出来上がり、今日納品に行きました。
 どのぐらいの値段か聞いてみたところ、おおよそ50万円ぐらいだそうで、やはり黄八丈は高いんだなと思いました。
 私は黄八丈は昔は庶民の着物で値段もそれほどしないと思っていましたが、私の本当の先生にその話をしたところ、黄八丈は江戸時代からずっと高級品だったそうで、それを買うことの出来た人は、江戸時代では女性が稼ぐ事の出来る仕事がほとんどなかった為、茶屋で働いていた女性や、以外なのは町奉行所の同心も愛用していたそうで、彼らは俸禄は30俵2人扶持ですが、悪く言えば町衆からの付け届けがかなり有り、それら高級品も買えたそうです。
 それと今回の裾廻しは別染めと書きましたが、無地の裾廻しでも、あの手の色合いの物は既成品でも有るそうです。
 ついでに輸出羽二重の胴裏の事も聞いてみたところ、織りあがって時間がたち少し黄ばんだ胴裏すごく安くなるそうで、黄ばむ一歩手前の胴裏を問屋さんで一かま買えば35.000円ぐらいだそうです。
 ちなみに一かまで十人分の裏になります。
 縫いあがった黄八丈の着物の写真も載せときます。

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