岩佐和裁のブログ、裁縫記:IWASA WASAI's blog, SAIHOUKI

岩佐和裁で販売している和服や和裁用具を紹介しています。

和裁?

2005年01月31日 17時41分31秒 | 未分類
和裁を教室や事業所または本などで独学でマスターするにしても、運針と三つ折りぐけ、縫いぐけが出来なければ着物を仕立てるのは難しいと思います。(三つ折りぐけは単衣の袖口や脇の縫い込みなどを折り,折の内側に糸を通し表に小さな針目を出すくけ方で、縫いぐけは広衿など縫い込みを折って形を作ってから表に針目を出さず折りの内側に糸を通すくけ方です)特に運針は重要で、初めは針目や縫い目の曲がりなどはどうでもいいですから生地を引っ張って、両手の間隔を8寸ぐらいにしてとにかく早く縫い、手が動かなくなったら少し休みまた同じ練習をします(糸はとおさずに練習します)これは手の筋肉を鍛える為です。時間的には最低でも二時間は続けたほうが効果があると思います。でも同じ事ばかりしていても厭きますので時々は糸をとおして運針し、糸こきの練習をするのもいいですよ!そしてだいぶ手が動くようになったら生地の手前や反対側に細かい針目を出す片面針の運針も練習もして、三つ折りぐけや縫いぐけの練習も始め(先ほど二時間ぐらいの練習と言いましたが一日8時間の運針を二週間ぐらい続ければかなり上達します)後は着物を縫う毎にうまくなります(うまい人の仕事を見るのも大変勉強になります)和裁を毎日する事が出来ない人も一日10分でもいいですから運針をするとだいぶ違います、それと寸法は是非鯨尺で覚えて下さい。ゴルフだってメートルではなくヤードを使うじゃないですか、もともと鯨尺を使った文化の中で生まれたのが着物です。
 たとえば並寸法を基に羽織や襦袢の寸法を割り出す計算をするときも鯨尺のほうが簡単です、cmではなんだか端数が付く半端な値になる事が多く寸法を覚えるにしても計算するにしても大変ですよ。
 それから運針の練習をする生地は天竺の様な木綿地で針は三の四ぐらいの長めの木綿針がいいと思います。

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変り衿のコート

2005年01月30日 13時13分15秒 | 未分類
和服のほとんどの物は直線裁なので洋服みたいに型紙を使いませんが、被布衿、都衿、新都衿、千代田衿、へちま衿のコートの衿をつくるときには型紙を使います。
 普段なら縫い方を失敗しても、縫い直せばいいのですが(プロとして、してはならない事ですが)これらは衿の縫込みを型紙どおりに切り落とすので失敗が許されず、余り枚数をこなしていない私などは裁断の時や衿の縫込みを切り落とす時など、いつも緊張します(もっとうまく、早く縫いたいです)てな訳で時間のあるときには衿を部分的につくって練習しています。
 写真はへちま衿の上前の衿の部分縫いです、生地は木綿の色モスです(絹では値段が高いですし全部つくるには時間もお金もありませんので)

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地のし

2005年01月26日 19時06分35秒 | 未分類
着物を仕立てる前に反物全体にアイロンをかける事を地のし、と言い生地により蒸気アイロンか普通のアイロン(蒸気の出ない)を使い分けます。
 特に蒸気アイロンは絞りやお召しに使うと変に縮んでしまうので使い方が難しいですが、縮緬類などの生地や、紬の表に錦紗などの詰まる(生地が縮まる事)裾廻しが付いたときなどには普通のアイロンより地詰め(アイロンをかけて生地を縮める事)が出来る為、仕立てた後の生地のくるいが少なく、丈や幅のかぶりが出にくいです、(着用した後の手入れのアイロンがけぐらいで詰まってしまうようでは扱いが難しいですよね)またウールや化繊など普通のアイロンでは折のつきにくい物にも重宝しています。
 職業で使う道具類は一般の物より丈夫につくられていて、私の使っているアイロンはそのさいたるもので母の代から20年以上現役です、ただこのアイロンはサーモスタットが付いていない為、温度管理はスイッチのON,OFFでおこない感が頼りです。
 写真は蒸気アイロンと仕上げ台です、写真右下にある黄色い箱のようなのがボイラーでここで圧力のかかった蒸気をつくりアイロンでもう一度加熱してから蒸気を出します。また蒸気を出したままでは下の台が湿気で水浸しになってしまうので掃除機みたいに下面から蒸気を吸い取り背面から排出します。
 また仕上げ台の上からアイロンを吊るせるのでアイロンが軽く四十肩にならず助かってます。
 伝統的な和裁道具ではないですが、馬鹿と鋏は使いようで、便利なのですが使いこなすのに苦労しています。(昨年はアイロンから出る蒸気による湿気で部屋にあるパソコンが壊れました)

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着物の博物館

2005年01月25日 13時32分51秒 | 未分類
修行中先生に、和服を縫うのだから着物の柄を覚えるのはもちろん、時々は美術館に行き日本画を見る様に、と言われたことがあります。(実際はほとんど行ってません)

 勉強といえば堅苦しいのですが、染めや織りはもちろん、仕立てにしてもすぐれた技術者がつくったものは美しく作品から強いオーラみたいな物を感じます。
 何年か前に池田重子コレクションの写真集を買いましたが写真で見ただけですが、とても素晴らしくため息がでました。(池袋の西武ギャラリーで展示会もあったのですが仕事の都合で行く事が出来ず悔しい思いをしました)
 以前仕事で大変お世話になっている先輩(というよりは先生です)にその話をしたところ東京は上野の国立博物館には、和裁で唯一人間国宝になった小見外次朗先生の作品をはじめ染めや織りなどの素晴らしい作品が多数あり、その収蔵量は以前行ったことのある横浜のシルク博物館をしのぐとのことで、先輩は以前特別に見せてもらったそうです。(というのも通常展示はしていないからです)でもある程度の人数が揃えば見せてもらえるそうなので是非一度は見てみたいです。
 それから染色の作品の何点かは、国立博物館のホームページで見ることが出来ます。
 東京国立博物館のホームページで館蔵品ギャラリー→工芸→染色で見ることが出来ます。

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昔の生地

2005年01月23日 08時26分55秒 | 未分類
昨日仕立て屋仲間の会合で、昔はよく着物に使われたけれど最近ではほとんど見ない(新しい物)富士絹、赤い裏の紅絹や縫い取りお召しなどを今でも織っているところがないか聞いてみました。
 富士絹(胴裏)紅絹はわかりませんでしたが、縫い取りお召しはまだ作っているところがあるそうで、最近高島屋の仕事で縫い取りお召しの附下の着物を仕立てたそうです。(反物の値段は50万前後だったそうです)今度残った端布を見せてくれるそうなので産地や会社の名前、住所など聞いてみるつもりです。
 こらからも唐桟や銘仙などを今でも織っているところがないか探してみようと思います。

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着物のしわとほころび

2005年01月20日 07時34分23秒 | 未分類
着物も何回か着ているうちに段々としわが増えてくると思います。もちろん一回着るごとにアイロンをかけ,しわを伸ばすと思いますが、特に袷の着物は表地と裏地の伸縮率の違いから出来るしわがあり、この場合縦または横と縮まなかったほうの生地がしわになります。
 表地より裏地が縮んだ場合(主に縦に縮む物が多いですが)表の縫い目がひきつれた感じで、下げると表地が、かぶりになります(裾吹きがなくなる感じ)表地が紬やお召しで胴裏に輸出羽二重、裾廻しに錦紗、縮緬、羽二重を使った物は長いうちには裏地が縮みます。(先ほども述べた表の縫い目がひきつれた感じになり、たたんだときに肩山や袖山の裏がすきます)
 表地が縮緬や絞りなどでは、縦横共に縮み、特にしわ伸ばすときなどに蒸気アイロンを使う時は表地を多少を引っ張ってかけないと縮んでしまいます。程度にもよりますが縦で表地が縮んで裏がかぶったのであれば着付けでカバー出来ますが、横が縮んで身八ッ口や袖の振りで裏が出てくるようでしたら縫い直さないと直りません。
 直し物の着物でよく綻びているのは、袖口の止め、袖付け、身八っ口の止め、衿先の止めの部分がよく綻びています。
 また汚れやしみは、共衿では山(幅の中心、広衿の折るところ、特に首回り)上前の胸の部分、身頃では上前の胸や前身頃の帯から下の部分、おくみも身頃と同じで上前が汚れていて、袖口や裾の吹きも結構汚れています。
リサイクル等の着物を選ぶ時に色や柄、寸法以外にこんな事も参考にするといいかもしれません。

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縫いやすい生地、縫いにくい生地

2005年01月16日 18時32分06秒 | 未分類
和裁で針通りの悪い、堅い生地を縫うのは嫌なもんです。運針が遅くなるのはもちろん、一番嫌なのは指貫を針が貫通して指にささる事です。これはとても痛いです。
 生地で一番堅いと思ったのは、仙台平(男物の袴の縦縞模様のあれです)なれない頃は針がなかなか通らず指に汗をかき、段々生地が湿っぽくなり、ますます堅くなる(仙台平は水分を含むと刀でも切りにくくなり、簡易的な鎧の役目もはたしたそうです)そして指抜き貫通、最悪です。
 他にも絵羽物の柄の白いところに使われるごふん(貝殻の粉を糊で固めた物)や合成樹脂で描かれた柄、これは接着剤のように針や糸にまとわりつき、針は抜けない、糸は切れる、総柄物なんかでは悪戦苦闘します。
 今では知り合いの帯屋さんに教わった指貫の一部分が切れていて太さを調節できる金属性の指貫に皮を貼って使っている為、もう貫通はないだろうと思っていたら、金属性でも長く使えば弱るのですね、久々にあの痛みをあじわいました。


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七、五、三廻しの身幅の着物

2005年01月15日 21時05分52秒 | 未分類
”七、五、三廻し”先生にこうゆう身幅の着物があると教わりました。
 未だに縫った事はありませんが、やくざさんの着物の身幅だそうで刀(どす、やっとう)を振り回した時に、身幅が広いと足さばきが悪いため、身幅を狭くしたそうで、それぞれ後幅7寸5分、前幅5寸5分の通し、おくみ幅3寸5分の通しだそうです。
 最近先生の処にこの身幅を依頼したお客様が直接いらしたそうで、はじめは本物の上に”や”が付く自由業の方と思ったそうですが、本当のところは着物大好きな着こなし上手のタクシードライバーさんだったそうです。
ちなみに男物の並寸法の身幅は、それぞれ後幅8寸、前幅6寸5分、おくみ幅4寸です。

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和裁と腰痛

2005年01月13日 10時05分26秒 | 未分類
体質なのか和裁を始めてすぐに腰痛持ちになりました。仕事はあぐらでしますがこの姿勢は腰に負担がかかるらしく、他にも肩こり、四十肩、顔面神経痛など背骨の歪みが原因で経験し、一番ひどかった時は、どんな姿勢でも痛みがひかず(激痛、左足のふくらはぎがねじ切られるような)鎮痛剤を飲み続けるはめになりました。
 でも凄腕のオステオパシーの先生に治して頂き、一月で仕事が出来るようになりました。(あの先生がいなかったらと思うとぞっとします)それからは一月一回はその先生の治療を受け、何とか事なきをえていたのですが健康になると、ついつい治療が面倒くさくなり、通院をさぼるようになると、続けざまに四十肩、顔面神経痛に襲われ、慌てて先生に治してもらい、もう先生抜きの生活はありえないと思い始めた矢先、先生が癌で亡くなってしまったのです。
この時はかなり慌てました、整体も自分に合う合わないがあるらしく、以前一月寝込んだ時は別の整体院の治療が体質に合わず、かえって症状が悪化したからです。ですから新しい整体にかかりたいのですが、もし体に合わなかったらと思うとなかなかふんぎりがつかず、だんだん背中の筋肉が板みたいに硬くなり、あせっていると姉が大宮の氷川神社の近くでオステオパシーの整体院を見つけてくれ、もう爆弾が破裂寸前でしたので、わらおもつかむ思いで飛び込むと、運のいいことに私の体にあった治療をしてくれる先生で助かりました。以後、治療をさぼっては、四十肩やぎっくり腰になり、その度にお世話になっています。
今は、以前テレビで見たO脚を補正する体操がきいているのか、爆弾も休止状態ですが余り治療をさぼるとまた破裂するので近いうちに治療してもらいに行こうと思っています。

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和裁言葉

2005年01月09日 07時03分33秒 | 未分類
和裁で使う単語は和裁以外ではまず使わないでしょう,和裁士どうしでも着物の各部分の名称はだいたい同じですが縫う時に使う言葉は教わった先生により微妙に違い仲間同士で着物の縫い方の話をしている時でも、「それってこうゆう事?」と聞くことも度々です。たとえば、糸こき、地のし、きせ、ゆるみ、かぶり、ぐし、5分とばし、かくし、横とじ、縦とじ、接ぎて、ちどり、等解る人は少ないですよね。
時々しつけ、の始末や羽織の衿やコートのちどり、はどうしたらいいのか、と言う疑問を聞きます。
しつけ、とは躾と書き仕立て上がりの着物の袖口、共衿や褄下、裾に白い細い糸でして有るあれです。着物を縫うときに一時的に形を固定する、いわば家を建てる時の足場の様なもので、まだ一度も袖を通したことの無い着物の証明書の様なものです、もちろんはずしてから着ます。
また留袖等の共衿、袖口等にしてある白い点々の縫い目はぐしびつけと呼び今ではデザインの一部になっており解かずにそのまま着用します、また羽織の衿の衿肩付近(衿が折れる処)にしてある垣根の様な縫い目は(生地と同色が多いですが色の組み合わせによっては別色にしても面白いです)ちどり、と呼び畳んだ衿の縫込みをおさえてあり、これははずしません。
コートのちどりも縦衿のポケット口の白い細い糸(ぞべ、と呼びますが)のちどりは、はずしますが縦衿の裏側のちどりはポケットの縫込みをおさえてあり解きません。

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