マヨの本音

日本の古代史から現代まで、歴史を学びながら現代を読み解く。起こった出来事は偶然なのか、それとも仕組まれたものなのか?

橘の秘密・・・・後編

2010年04月07日 06時00分40秒 | 古代史
さて、アメンヘテプ三世の時代の考古学的資料はいわゆる粘土板を解読したアマルナ文書と呼ばれる。ここで栗原氏は相変らず謎の言葉を投げかけるのである。

「問題は新都アケトアテン建設の趣旨にあり、粘土板文章を隠れ蓑に秘匿が謀られたパピルスにあるのだ。それが第二次世界大戦中ユダヤ弾圧の意に通じたら、驚天動地の歴史は現在と未来を透かすことになり、、史上にはじめて平和という絵空事を達成する手がかりも得られる。それこそが本稿の真骨頂なのである。」

ここでいうパピルスはどこにあるのか、あるいはなにが書かれているのか・・・、それがわかればユダヤ弾圧の原因も、世界平和の道筋もわかると栗原氏は述べている。その解明が本稿、つまりこの連載の本質なのだという。もちろん、現時点で私にはまったくわからない。ただ、たぶんだが、この一神教が葬り去られる時期とユダヤ教でいう出エジプトの時期が一致するとしたら、一神教の趣旨、目的を承知し後にユダヤ教を作り出す大元がこのアケトアテンの研究で明らかになるのである。

さて、橘である。栗原さんはアンクを意味すると述べた。では、橘こそ一神教だったのだろうか。古代史を学んでいると失われたイスラエル10部族に関連させることが多く、それがロマンでもあり、楽しいことは楽しいが、その時点で研究が止まってしまうのも事実なのである。
以前の考察のように、橘のマークとアンクの紋章は確かに似ている。アケトアテンで一神教を創設し、その後その本義を理解する神官たちがはるばる日本までやってきて、橘マークを目印に古代日本で理想の一神教=天皇制を作り出したとでも言うのだろうか。
なんともはや・・・・、現時点で私は何の結論も持ち合わせていない。ただ、橘の家紋ひとつでエジプトの古代世界までたどらなければならないとすると、歴史研究も楽じゃないと思うのみである。

橘の秘密・・・・前編

2010年04月07日 05時58分55秒 | 古代史
世界戦略情報「みち」という情報誌を定期購読することにした。これは編集人の天童さんから「憎悪の呪縛」という大変な大著をいただいたお礼もあるが、実をいうと連載中である栗原さんの「アッシリア文明史論」を読みたいからでもある。年間購読料二万四千円は少々痛いが、他では得られない情報だからしかたがない。まあ、一回千円と考えればそれほどでもあるまい・・・・、と大蔵省であるパリちゃんを説得した。

さて、「マヨの本音」で以前書いた「橘の家紋」の意味ですが、以前話しで聞いたのは「アンク」もしくは「アクエンアテン」という謎めいた言葉だった。そのあたりの事情に関し、ちょうど今日届いた「みち」4月1日号に載っている。相変らず栗原さんの文章は謎めいて「わかるものだけわかればいい」という感じである。これが楽しいのだな・・・。

もう少しわかりやすい説明はないのかと考え、いつもの世界史講座のエジプトを参照してみた。
「アメンホテプ4世、別名イクナートン(前1379年ころ~前1362年ころ)の時、エジプトは多神教の世界で、いろいろな地域にそれぞれの神様がいて、時代とともに流行の神様も変化するのですが、この新王国でもっとも信仰されていたのがアメン神です。そしてアメン神に仕える神官たちの勢力が非常に大きくなっていた。王権を左右するほどにね。 アメンホテプのアメンはその神の名からきている。
 ところがアメンホテプ4世は神官たちが神の名をかりて政治に介入するのを嫌いました。しかし、かれらのバックには神がついているので、あからさまに対立することも難しかった。」と、そして、この多神教たるアメン信仰を廃絶させるため、自分の名前をアクエンアテンと改め、新都アケトアテンを建てて首都に定めたのである。

さて、問題なのはこのアクエンアテンは多神教アメンを廃絶し、一神教を開始したことである。このファラオは従来の伝統を否定し、「彫刻は見たとおりに表現すべし」という記録が残っているという。そして本人の像は「細長い手足にたれた胸、突き出た腹は醜悪にも見える」だった。
神像表現は太陽を示す円盤と、多数放射線の先端に手が付されるのは、万民に手を差し伸べるアテン一神教の性質を現すのだという。
しかし、ファラオとアメン神官団との対立は激しかったようで、イクナートンが亡くなると、次のファラオによってアトン信仰は捨てられアメン信仰が復活しました。 次のファラオというのがツタンカーメンです。ツタンカーメンをもう少し正確に言うならトゥト・アンク・アメンといい、両方の名前が入っているわけだ。
このアクエンアテン没後アメン復活の前後に驚天動地の謎が沈められたと栗原氏は書く。
ちょっと長くなるので後から後編を書きます。