パエ-リャ

木製カトラリ-

パエ-リャの旅行記 - イスタンブル 旧市街と新市街

2015-01-27 21:30:38 | Weblog
イスタンブルも小さい町で、車や電車などに頼らないで歩いて行動できるサイズだ。考えてみると、東京が大きすぎるのだと思う。

前回はイスタンブル旧市街と、内陸部に飛行機で行ってみただけだったが、今回は橋を渡って新市街も見て来た。と言うか、ホテルがタクシン広場のそばだったので必然だった。

さて、旧市街はコンパクトなのでガイドブックの内容に付け加える事はあまりない。空港のそばの水族館に行きたいとか言い出さない限りは。それに、水族館は感覚的にイスタンブルとは関係のない世界だ。どうしても魚が見たければドバイかモナコに行けば良いだけの話だ。

で、旧市街のガイドブックがカバ-する範囲は端から端まで歩いても1時間だろう。サバサンドで有名な港を背にして、左側の坂道をゆっくりと登っていけばトプカピに着く。都電みたいな電車の通りだが、30分も歩けばトプカピの台地に出る。

そこまで登れば、後は基本的に平らなので、どの方向にもドンドン歩けるが、ブル-モスクとか大物は崖っぷちに建っているので局地的な急坂はある。でも、再び海まで下る訳ではないので大した事はない。地下宮殿もすぐそばにあるし、大学まで歩けば本屋が面白い。目玉のグランバザ-ルも大学の脇にある。兎に角、小さいので歩くのが良い。ガイドブックがカバ-するのは、恐らく2km四方もないのではと思う。

旧市街からサバサンドで有名な橋を渡ればいわゆる新市街になる。短い急坂を登り、豆電車の通りを行けばタクシム広場に出る。急坂を登り切ったところからタクシム広場までは多分ホコ天になっていると思う。清掃車などが通る位で、通りに面する店の人達がゴミを盛大に通りにぶちまけているのは盛観だ。

タクシン広場までは、ゆっくり歩いても30分位だろう。この広場が新市街の中心で、一時期デモ隊が占拠した場所だ。特にモニュメントらしきものがあるわけではなく、大きさ的には200m四方程だろう。

タクシン広場からは直ぐに海に降りられる。急斜面を5分程下るだけだ。一度海まで降りると帰り道が急で嫌になる程だ。で、タクシン広場から海を右手にして、更に奥に進むと、ゆっくりとした下り坂で、いわゆる新市街のビル街はそこにある。以前、爆破事件のあったヒルトンも同じ通りに面している。

で、実際問題として、普通の観光客にとってどこまでが新市街かと聞かれれば、距離的には軍事博物館までだろう。タクシン広場から緩い下り坂を歩いて30分位だ。路が大きな二股になる直前の右側にある軍事博物館は面白い。トルコは歴史的にはヴィエンナだけでなく、地中海でもマルタやシチリアなどに押しかけたが、博物館ではそのような事は無視されている。

そもそも、マルタに行った時に、トルコの悪口を散々聞かされたので、実際どうなんだと思って行ったのが最初のイスタンブル。でも、軍事博物館では地中海の話は出ない。レパントの「レ」も出ない。西側の地中海での話よりは、陸での出来事が展示の主体になっている印象を受けた。

一番印象に残ったのは軍楽隊の演奏だ。素晴らしいと思った。現在の世界中の軍楽隊のモデルになった元祖だ。動画をアップする。博物館の何処にいても、演奏が始まると派手な音が聞こえるので見逃す事は絶対にあり得ない。

で、再びタクシン広場に話を戻す。実はタクシン広場に隣接して、ミニ広場がある。デモ隊が最終的に押し込められた場所だ。そこにカラスがいた。大きさも形も、紛れもないカラスだったが、問題は色だ。黒くなくて、ウグイスの色をしている。北京にはカラスがいないらしいが、あの色では弱弱しくて北京まで行く途中で食べられてしまうんだろうと、勝手に思っている。

海峡を渡る橋の下の部分にはレストランが沢山並んでいる。入り込んだら、どれか一軒で食べないでは橋から戻れないほどの勧誘波状攻撃を受ける。日本人と見ると絶対に攻撃を止めない。娘は日本の女優扱いされるし、なので、音をあげて入ると、明らかに地元民と比べて差別料金が存在する、と思う。あるいは、勧誘の時の値段と明らかに違う料金を払う事になる。まあ、日本人にとって大した金額ではないので、どうでも良いのだが。

それで思い出したが、シンガポ-ルの屋台レストラン、一人や数人で行く時は問題ないと思うが、10人位のグル-プで行くと、こちらも誰が何を注文したとか一々覚えきれないので、店の側が勝手に注文しない物をドンドン持ってきて最後には大変な事になる。

テレビでもよく映るが、橋ではいつも大勢の人が釣りをしている。バケツを覗くと、ボラ、イワシ、アジが主だ。結構ドンドン釣れるので見ていて面白い。サバサンドは、本当にコッペパンにサバの焼いたものを挟んだだけで、特に美味しいものではないが、皆食べているので、安いし、何となく注文してしまう。レストランと違ってぼられる事はない。

以上、イスタンブル




実機の画像

2015-01-27 11:01:59 | Weblog
前回見た木のペグはコストの点、取りつけに時間がかかることを考えれば実機ではとても採用できない部品だった。次の画像は木のペグを真ちゅうの釘で置き換えた巻き取り棒を示している。ただ、これ自体、取り付け位置の設定が10mm間隔で30本、糸巻き棒の場合は2列配置なので合計60本の釘の位置の下穴を巻き取り棒に対して正確に垂直に開けて行く作業が必要で、(布巻棒にも更に30本)フライス盤のクロステ-ブルがなければ出来ない、手持ちのドリルではとても無理な作業だ。

巻き取り棒の両端には糸押さえの金属板を固定するための鬼目ナットが埋め込まれているのが見える。

縦糸を通す作業は運用上、次の画像のように中心部から始めた方がやり易い。羽根板には目印が付けられている。この画像で判るように、実機では布巻棒の側にも釘ペグがあるので、縦糸の仮の配置がとてもやり易くなっている。この時点では糸巻き側にも、布巻側にも糸押さえの金属板は使われていない。

次の画像は私が提供する織り機の基幹部品である巻き取り棒を見せている。糸押さえの金属板も付けた状態だ。糸押さえの金属板は断面が”L”の形をしている。単純に平らな板では両端2か所のみで固定する時に中間部分の剛性が足りないし、それと釘ペグの間に糸が複数入っても、断面のLの形と高さで最終的な縦糸の高さを一定にする事が出来るからだ。

実は、基幹部品はもう一つある。羽根板がそれで、次の画像になる。

この羽根板のプラスチック部分は3次元プリンタ-でも簡単に制作できるし、あるいは極単純にギアを制作する要領で型に樹脂を注入して作る方が簡単かも知れない。このようなプラスチック部品は一旦型を作ってしまえば、驚くほど短時間でコピ-を作れるので、量産型の実機に使われることになる。

いずれにせよ、私の量産型の織り機は全ての部材、部品が内製で作られるようになる。

更に、羽根板自体の制御の問題も既に考えている。現行の羽根板は板を上下すると、穴の全てが同時に上下する仕組みになっているが、私はこれを改良して、コンピュ-タ制御で穴の上下を独立して行う事を視野に入れている。そうすれば、より複雑な織りのパタ-ンが実現出来るだろう。

そんなに複雑な仕組みではない。マイクロアクチュエ-タ-を羽根板の上縁に組み込めば良いだけの話だ。縦糸に直角の方向への動きなので、それ程強力なソレノイドも必要ではないだろうし。そうなると羽根板そのものを本体の枠に固定出来るので、織り機全体のデザインも変化する事になるだろう。

次の画像は糸通しの初期の場面を見せている。特にクシとかで糸の整理もしていない状況で、縦糸が十分に平行になっているのは、矢張り布巻側にも釘ペグを取り付けた効果だろう。

次の画像は溝と穴の両方に縦糸が配置された場面を示している。

羽根板の背後は見えないが、溝と穴の縦糸は、それぞれ異なるペグの列にテザ-されている。この辺は運用の問題なので、詳しいことはマニュアルに記述するが、ペグの効果は縦糸の張り方を信じられないほど簡単にしてくれる。

次の画像はデモ用の糸張りを終えて、糸の整理も始めていない時点で、かなり整然とした状況が作り出されている。よく見ると糸の交差などが見られるが、簡単に直せる状態だ。
この時点では手前側の、つまり布巻側のペグとペグの間には溝を通って来た糸と、穴を通って来た糸、それぞれ1本ずつが配置されているので、軽く引っ張れば糸と糸の隣通しの交差関係は簡単に逆転出来る。

次の画面は布巻側の糸の上に、糸押さえの金属板を固定してない場面だ。

次の画像が押さえ板を軽く固定した(強く閉めると糸を引っ張れないので)場面で、この時点で糸巻き側にも押さえ板が(比較的強く)固定されている。



布巻側の糸押さえの板を軽く固定するのは:

1. 糸を軽く手前に引っ張れるように
2. 引っ張った糸の左右の順序を容易く入れ替え出来るように
3. それぞれの縦糸の張力をそれ以上糸が手前に出て来ない状態で保持出来るように

するためで、実際の運用上、1 と 2 の場面では軽く、3 の場面では、引っ張った縦糸が逆戻りしない様に、ある程度強く板を締め付けておく必要がある。

次の画像は手前側(布巻側)の糸端の状態を示している。特筆的なのは、この段階までパ-ト1で見たような織り機の反転は一度もないし、糸の整理にクシも使ってないことだろう。そのために、糸端は画面の通り、もつれているが、この後、糸巻き棒をゆっくりと巻き上げて行くと、布巻側の釘ペグと羽根板の相乗効果でクシを使わずに糸の整理が出来てしまう。



次の2枚の画像は糸巻き側がどうなっているかを見せている。基本的にはペグの間に糸が収まっていて、もしペグの頭に糸が乗ってしまった場合には、簡単に手で直せる状態だ。最終的には、縦糸は糸押さえを巻き込むので、縦糸の巻き棒上の高さは一定になる。


縦糸が毛糸のように比較的太い場合は、このままで特に問題はないが、細い糸を使う場合には、一般的には「ハタクサ」と呼ばれるものを糸の間に巻き込むことがある。既に巻き込んだ糸の隙間に新たな部分が挟み込まれない様にするためだが、よく使われるのがカレンダ-の紙だ。

然し、慣れないと大きな紙を挟み込むのは難しいので、私のマニュアルでは竹ひごを使う様に勧めている。持つのも、入れるのも簡単だからだ。




この最後の画像は、巻き上げの最終段階を見せている。どの位まで縦糸を残して巻き上げを終了するかは、織れ上がった布のフサ部分の長さと直結する。糸押さえから5cm程突き出していれば十分だと考えているが。

この上の画像では糸押さえの金属板は左右の2本のビスで留められているが、それだけでは矢張り中央部の締め付けが弱いので、次の画像のように真ん中に3本目のビスが固定出来るように改良した。
これにより布巻側での縦糸端末の固定がより柔軟に出来るようになった。かなりしっかりと真ん中のビスを締めておいても、糸を引っ張ると糸が自動的に細くなるので、引っ張りやすい。逆に、引張りを止めると糸の太さが元に戻るので、それが糸押さえの下での、それ以上の縦糸の動きを止めてしまうのでとても便利な自動ストッパ-の役割を果たしている。

次稿は横糸を張る場面を仔細に画像で示す事になるだろう。因みに、縦糸60本を張る時間を推定してみた結果、30分と出た。今回のデモ用の40本が20分だった事からの推定値だ。悪くないと思う。全然悪くない。