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「遺言」と聞いてまず思い浮かべるのは
大抵が映画やドラマ等によく登場する「自筆証書遺言書」です。
この遺言書は、遺言者が必ず自署する必要がありますが
費用はかかりませんし、いつでも書き直すことができ
他人に知られることもありません。
ただし、素人が書きものですので
法律的に不備があったり無効になる場合もありますし
紛失、偽造などの危険性がないとも言えません。
また、この遺言書は、本人が死亡後、相続人全員が立ち会って
家庭裁判所で遺言を開封する「検認」手続きを取らなければなりませんでした。
今回からは、時間とコストはかかりますが安全性が抜群な
もうひとつの代表的な方式である「公正証書遺言書」を取り上げます。
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公正証書遺言
公証人役場に出向き、内容を直接、口頭で話しますと
法律の専門家である公証人がそれを文章にまとめ
民法などの法律に従った公文書として遺言書を残しますので
もっとも安心、確実な方式です。
作成時の要件不備によって無効となったり
第三者による変造・偽造の危険性がほとんどありません。
1.メリット
● 他の相続人の同意を要しないで預貯金の解約・払い戻しなど
遺言書の内容に沿った手続きができます。
● 遺言書の原本は無料で半永久的に公証役場が保管してくれます。
● 「検認」手続きは不要です。
● 字が書けない人も利用できます。
2.デメリット
● 公証役場の手数料および証人依頼等の費用が必要です。
● 自分で戸籍謄本や登記簿謄本等の必要書類を集めなければなりません。
● 遺言書の存在および内容が、第三者である公証人や証人に知られてしまいます。