保護猫活動する隠居爺の野菜作りとスキーの日記そして病気の記録

冬場の60日以上はスキー、夏場はそのための体力作り&自給用野菜作り、そして保護猫活動と病気の記録も綴ります。

エネルギーを語ると電力になる理由

2011年08月23日 | (雑学Ⅱ)脱原発とエネルギーの話

電気の形で伝えられる力(あるいはエネルギー)を電力と言いますが
エネルギーを語る時、なぜ電力の話になってしまうのでしょうか。

それは、他のエネルギー源に比べて並外れた多才さがあり
ほとんど無制限の用途が生まれたからで、また多様な特性からは
電気通信、コンピューターなどが開発、普及しており、電力は現代産業の根幹であり
今後も当分の間はその地位に留まるものとみられているからです。

このため、他のエネルギーをわざわざ電気という形に変換して利用しているのです。

他方、排出ガスが出ないメリットも挙げられていましたが、これについては以前から
発電の際には排出されるのだから結局は同じだ、との意見もあることはありました。

この社会基盤としての電力を得るために
大きな比率を占めているのが他ならぬ原子力発電です。

それが大震災以降、「脱原発」「反原発」「卒原発」だのと様々な言葉によって
クリーンさと安さが売りの原子力発電ばかりが悪者にされ、ちょっと前まで騒がれていた
化石燃料の排出ガスに因る地球温暖化などの話はどこかに放り付けられてしまっていて
原発の不足分を再度、火力に頼ることで賄っているのが現在の姿でしょう。

ちなみに、改めて説明の機会があるかもしれませんが
ものが燃える際に必ず発生する二酸化炭素の量がある数値を超えると
温暖化どころか、人間が窒息死により命を落とすことは知っておく必要があります。

ところで、“とりあえず我慢”というニュアンスがある「節電」 もそうなのですが
「脱原発」を火力発電でカバーしたり、自然エネルギーに置き換えたりする議論も
所詮は、使い易い電気と言う形に変換した上で、エネルギーを
大量に消費するライフパターンを前提としていることに変わりはありません。

「将来の子供たちに安全で安心して暮らせる社会を残したい」ことが“大義”であるならば
停電の心配や熱中症などの別の危険と隣り合わせの「節電生活」を
いつまでも強制はできませんし、我慢である以上、長続きできるはずがないどころか
現代生活の基盤となっている経済活動までもが不安にさらされています。

また、継続することが近い将来、ほぼ不可能になると予想される
化石燃料をベースにした社会を残したところで
開発途上国が先進国の様々な規制に対して抱く不満と同じ論拠で
「あなた方は化石燃料を使い放題に使ったじゃないか」と恨まれるのがオチですし
何よりも、間違いなく枯渇する近未来が見えているのですから
大義に沿っているとは到底、思えません。

そこでクローズアップされている自然エネルギー(=再生可能エネルギー)の利用ですが
太陽光、風力、地熱などは本当に安心、安全なのでしょうか?

そもそも、石炭・石油・ガス等の化石燃料にしても、原発の燃料にするウラン等にしても
太陽光・風力・地熱などに対して、枯渇する心配があるかないかの違いはあるにしても
昔から自然界に存在したモノをそのまま、または加工の上で
利用している点では何も変わらないと思うのです。

とすれば、それらを利用し始めた途端に
人間が“支配できない”自然を相手にするのですから
完全に制御できないまま利用を始めた核分裂による原子力ほどではないにしても
また新たな“想定外”の問題が生じてくることは本当にないのでしょうか?

幸いにも、自然エネルギーの王者と言われ、唯一、約130年前から実用化されている水力は
ダムの建設に伴う自然破壊以外、現在、特に表面的に騒がれている問題はないようですが
水力のうち揚力発電は、水を揚げるため火力や原子力の電気の助けを借りていることも事実です。

このように、もし何の問題もなく安心・安全だと仮定しても
他方では、現在の大量エネルギー消費社会をカバーするために
24時間、安定供給できる原発や火力発電の代わりが務まるとはとても思えないのです。

たとえば、原発の1基100万kWというのは常に出せる出力ですが
太陽電池の出力はピーク値で発表されていて、これは雨の日にはゼロになりますので
安定した電力供給設備としては当てにできません。

たとえば、電力消費が最大となる真夏の1日の電力需要の推移を見ても
ピーク時に合わせて発電設備の規模が決まるのだとすれば
自然エネルギーの“最大”発電能力が5000万kWだとしても
必要な設備はその“最小”の能力をもって決めざるを得ないのですから
自然エネルギーがゼロになる雨や無風のときは
火力+原発でピーク時の発電能力を確保しなければならず
現時点で100万kWの原発を減らすには
100万kWの火力を増設または復帰させるしかないのではないでしょうか。

もちろん、自然エネルギーの分だけ化石燃料の消費は減りますが
原発を減らして火力に置き換えた分は確実に増えるのですから
枯渇の時期を大幅に早めることは間違いありません。

 

 

発電方法のおおまかな特徴

原子力発電

長所:少ない燃料でたくさんの電力が作れる。発電の値段がもっとも安いとされる。
リサイクルにより燃料をくりかえし使うことが出来る。
短所:今回の災害でかなりの危険性が認識され、安全神話が壊れた。
核燃料最後の廃棄物を処分する場所が決まっていない。

火力発電

長所:石油や天然ガスは取り扱いやすい。 建設費が安い。
短所:二酸化炭素が地球温暖化などの原因とされている。
限りがある化石エネルギーを利用。燃料はほとんど輸入にたよっている。

水力発電

長所:水資源はなくなる事のない国産エネルギー。有害な排出物を出さない。
短所:雨や雪の量によって発電量が決まっている。建設場所によっては、下流が環境変化することがある。
建設費が高い。日本ではすでに開発され尽くしている。

風力発電

長所:夜も発電でき、クリーンなエネルギーである。発電した電気を100%利用できる。
短所:自然条件に大きく左右される。建設場所が限られ景観が損なわれる。騒音が発生する。

太陽光発電

長所:自然の力を利用した無くなる事のないエネルギー。有害な排出物を出さない。
短所: 天候に左右される。大量のエネルギーをつくるには、きわめて広大な土地が必要。
現時点では発電コストが高い。

地熱発電

長所:燃料を必要としない。二酸化炭素を出さない。
短所:火山地帯にしか設置できない。大量の電気をつくることができない。

 

 

 

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