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(西暦0~3000年で予測されている石炭と石油の消費動向)
化石燃料大量消費の歴史
1769年(江戸中期) ワット蒸気機関の発明とその後の産業革命により
石炭の大量消費開始
1855年(江戸末期) 咸臨丸(石炭による蒸気機関船)を江戸幕府がオランダに発注
1878年(明治初期) 世界初の水力発電…電気エネルギーを基盤にした社会のスタート
1883年(明治初期) 日本初の電力会社設立…1961年頃までは水力発電
富国強兵に必要だったとされている
1887年(明治初期) 日本初の火力発電所…その後、水力に代わり1962年を境に
石炭による火力発電が主役になるが、さらに
60年代後半には石油が石炭をしのぐ消費量になる
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本来、限りある貴重な有機資源である化石燃料を燃やして
電力や熱などの膨大かつ低レベルの用途に使うのは勿体ないことで
医薬品やプラスチックなどの化学原料として末長く利用すべきものであるとする意見に
個人的には大いに賛同できます。
少なくても、灯りや暖を取るために燃すのであれば
北京原人以来の使い方となんら変わらないのですから。
しかし、他の代替すべきエネルギーが未熟であれば背に腹は代えられず
今後も想定されている通り、熱利用・電力利用は抑制されるどころか増大を続けていくことでしょう。
そして今、自動車などの燃料として大量に使われている石油が
まず供給のピークを迎える、つまり、価格が暴騰して他のエネルギー資源に道を譲る日がくるのです。
現実的には、ある日、先物原油価格がストップ高になり
それもマネーファンドの投機や中東の急な政治情勢変化などでアップダウンを繰り返すのではなく
ずっと高値で張り付いたままになるということでしょうか。
上図に示すように、地球が樹木やプランクトンなどを素材とし、数億年の年月をかけ
圧力や温度を調整しながら丹精込めて作り上げた石油や石炭等の化石燃料の消費は
人類の歴史はもちろん、文明の発祥4~5000年の時間スケールで考えても
ほんの一瞬の出来事なのです。
そして、利便性の高い石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料の恩恵を享受できるのは
我々を含めたせいぜい500年間の世代のみです。
この人類の“一瞬の夢”のあとには、どのようなエネルギー社会が待ち受けているのでしょうか。
人類の習性からすれば、化石燃料の大半は使い果たして
申し訳程度を子孫に残すということになりかねませんが
その前に、替わるべき新しいエネルギーの供給体系の構築は可能なのでしょうか。
今からおよそ40年前、石炭産業における大卒の初任給が
例えば自動車メーカーなどの2倍以上だった理由が
すでに“枯渇”間近なことによる斜陽化のためと当時は思っていました。
ところが、実態は石炭の枯渇ではなく、液体で運搬性の良い、また熱効率の高い石油に
その立場を奪われたことが原因だったことを、今から数年前に中国の火力発電の話題で知りました。