2010年(平成22年)における日本の自殺率(人口10万人あたりの自殺者数)は24.9人
総自殺者数は31690人(警察庁発表データ)で13年連続で3万人を突破しています。
死者の2.8%が自殺による死亡であって、癌や心疾患などに次いで6番目に多い死因となり
実は交通事故者数(4863人)の6倍以上の数字なのです。
また、自殺未遂者は自殺者の10倍以上いると推計され
自殺者遺族は300万人ほどいると推定されます。
1日平均約87人、1時間に約3.6人が自殺していることになり、未遂者も含めたら
毎日一つの県で20人近くが死のうと行動しているわけですから
恐ろしいほどの多さと言わざるを得ません。
自殺率は、人口が多いと自殺者数が自ずと増えてしまうことを補正するため
10万人という同一単位における自殺者数を算出したもので
自殺する傾向の強弱が読み取れます。
海外各国と比較しても日本の自殺者は多く、この自殺率は世界で第4位(2002年)
先進国の中では日本がトップで、アメリカの2倍に上ります。
ちなみに日本より上位はベラルーシ・リトアニア・カザフスタンで
ロシア、最近では韓国が急激に上昇し日本を上回る年もあるようですが
残念ながら日本は世界有数の“自殺大国”との汚名を着せられています。
ところで、実は10年前まで日本の自殺者はこんなに多くはありませんでした。
それまでは長い間、年間の自殺者数は2万人台で推移していたのですが
それが1998年度になると突如として3万2863人に跳ね上がり
以来、ずっと3万人台で高止まりしています(私には2万人が少ない数字とも思えませんが)。
1998年(平成10年)はバブル崩壊後の不況のまさにどん底の年でした。
自殺と景気動向には相関関係があると言われていて
いざなぎ景気やバブル景気のときには自殺者が減少したことを示す研究報告もあります。
とすれば、1998年度に突然自殺者が急増し、それ以降高止まりを続けているのも
景気動向を反映したものと考えるのが妥当なのでしょう。
失業者数と自殺者数の増減にもそれはよく表れていて
月ごとの失業者数と自殺者数の推移を追うと、増減の仕方が極めて近似していて
失業者が増えると自殺者も増え、失業者が経ると自殺者も減少する
その同調性は悲しいほどとされています。
1998年以降現在に至るまで、自殺率は戦後3度目にして最大のピークの最中であり
それ以前と比べて20%~50%増加しています。
各種統計や自殺者の遺書などから、今回のピークの原因は不況によるものと推測されており
不況の影響を受けやすい40~50台男性でピーク後の自殺率が特に急増しています。
一方、女性の自殺率はピーク前とあまり変わりません。
原因および動機に関しては、「健康問題」が15802人で最も多く
次いで「経済・生活問題」(7438人)、「家庭問題」(4497人)、「勤務問題」(2590人) の順となっており
この順位は前年と変わりません(この数字は、遺書等の自殺を裏付けるH18年の資料により
明らかに推定できる原因・動機を自殺者一人につき3つまで計上可能としたものです)。
自殺率は男女差が激しく、自殺者の70%以上が男性です。
男性の方が自殺しやすい主要因として、失業を含む勤務問題が挙げられ
働く性としての男性に過度の負担がかかっていることが分かるとされていますが
他にも、失業時や離婚時に男性の方が孤立しやすい
男性の方が女性より自身の問題を他人に相談しにくい、なども指摘されています。
地域別に見た場合、特に男性では地域ごとに1.6~1.7 倍の差があり
いわゆる工場地帯で自殺率が高いため、下請けの過酷で不安定な労働環境の影響があるようです。
また東北地方や日本海側が自殺率が高く、その原因として
他にも地域産業が衰えたことによる「経済面」や高齢化による「健康面」が指摘されています。
自殺手段・自殺場所としては、男女とも縊死(=首吊り)・自宅が多く
平成15年の場合、男女それぞれ66.4%、58.9%の自殺者が縊死を選び
男女合計17511人、54.3%の自殺者が自宅を選んでいます。
実際、5年ほど前に自殺した同い年の友人も
自宅物置で首を吊っているのを奥さんに発見されています。
男性、当時50歳台後半
原因は健康問題が絡んだ私と同業種自営の業績不振
事態打開の相談は全くなし、という上記を絵に描いたような状況で逝ってしまいました。