3カ月に1度のヒアルロンサン局部注射のための太い2本と
紛瘤治療で新たに訪れた総合病院で、それに比べたらはるかに細いにしろ
点滴注射1本の、都合3本の針を身体に突っ込まれたのでさえキツイのですが
その上、皮膚の患部をまたまた麻酔なしで排膿のため数回押された激痛を
足をバタつかせながら耐えたので、昨日はクタクタの一日になりました。
さすが総合病院、月曜日は内科を中心に年寄りが大挙して訪れていて
「これだと2時間待ちか?」と覚悟したのに、2階の皮膚科は
診察が終わった帰りにこそ廊下の待合コーナーが10人ほどで混み合っていたものの
3、4人の順番待ちで診察が受けられたのですから運が良かったというものです。
担当表を見ると3人の医師のうち2人は女性でO医院も2人に1人なのですから
どうも皮膚科は女性医師向きな科目なのでしょう。
お婆ちゃん医師による診断の結果は「セツか癰(よう)の可能性もありますが多分
O医院でもそう診断しているのであれば細菌による炎症性紛瘤でしょう」とのこと。
すでに炎症が起きて切開されてしまっている私の場合、次の2つが考えられるそうです。
①炎症性粉瘤…皮膚と同じ成分の袋が元々あってそこに二次感染として
細菌が入って炎症を起こし赤く腫れた
②せつ、または癰(よう)…単にそこに細菌が入って炎症を起こし赤く腫れた
〇セツ、癰(よう)とは
セツは毛穴の毛包(もうよう)という所に細菌による炎症が起こり
周囲に拡がって赤く腫れて膿が溜まった状態で、これを本来オデキと言います。
粉瘤と違う点は袋が無い事です。
袋がないから粥状の内容物もありません。
体質的にでき易く体中に多発することがあり、これはセツ腫症といいます。
また癰は、皮下で連続したせつの集合体であり、せつより深い部分から始まって
複数の毛包が同時に侵されるので、皮膚がドーム状に盛り上がった赤み・痛みの強い塊となります。
〇粉瘤とセツの鑑別診断
粉瘤は炎症の起きてない状態で診断を受ければ鑑別は容易ですが
炎症が起こってからですと見ただけではセツとの区別はつきません。
ただ、治療のために切開排膿をしますので、その時点で膿と一緒に
粉瘤の内容物である粥状の内容物が出てくれば粉瘤ですし、膿だけならセツです。
〇治療法
・粉瘤:1cm以上の粉瘤は自然に消える可能性は低いので袋ごと切除をします。
粉瘤で炎症のある場合には膿と粥状内容物の排膿をします。
ただ1回の切開排膿ではまた翌日に少し膿が溜まりますので数日に亘って毎日排膿が必要です。
炎症が完全にとれて普通の状態に戻ったら袋を切除します。
・セツ:細菌感染による炎症と膿の貯留だけですので、切開排膿とその後数日の排膿だけで済みます。
(粉瘤もセツも排膿後は痛みが軽減され楽になります)
薬は内用の抗菌薬(抗生物質)と外用の消炎剤です。
癰:さらに抗菌剤の点滴注射が必要です。
医師によっては異論もあるようですが
「化膿した部分には麻酔が効かない」との記述を見ていますので
2つの病院で麻酔もせず切開して排濃させることは、どうも止むを得ない措置のようです。
現代医療は飛躍的に進歩しているというのに…
“咽喉元過ぎれば熱さを忘れる”の言葉通り、記憶に残っていないだけなのかもしれませんが
1週間に2回も麻酔なしで患部を切られたり押されたりする激痛を経験したのは
63年間の人生で初めてのような気がして、以前に変形性膝関節炎の際に訪れて懲りてしまった
“力づく治療”の整骨院と同じく2度とお世話になりたくない所になってしまったことは間違いありません。
激痛治療の後、そのお婆ちゃん医師からは
「O医院にはここに来たことは内緒にしてそのまま通ってもいいですよ。
あと1週間もすれば治ると思います」と言われましたが
「O医院では良い薬を処方されています。でも、私とちょっと違うかなぁ」の言葉が気になって
また、治療後に傷口を洗浄してくれたことと抗生物質の点滴をした立派な電動シート
さらに、病気や症状の説明が丁寧だったことが気に入って
「最後までこちらでお世話になります」と答え次回の予約をしたのでした。
点滴液:ラセナゾリン注射用
今回処方された薬:ミノマイシンカプセル(内服抗生物質)
ポピヨドン液(消毒外用液)
そのままO医院で治療を受けても同じだったのかもしれませんが
今ではずいぶんコブも小さくなって痛さも緩和され、楽になっています。
また、湯船は雑菌がウヨウヨなので浸かるのはダメだが、シャワーはむしろしっかり浴びて
石鹸で患部を洗うことも奨められ、昨夜はその通りにして全身を洗えたせいか
一昨日までとは打って変わって今朝の気分は爽快です
ところで、治療後の夜からはガーゼの上のTシャツの匂いが
亡きぺぺの肉球や体臭と同じに感じられてきてビックリ。
前足だけでは滑って怖がるため、ほとんど風呂に入れなかったペペの匂いは
密集する体毛に閉じ込められた皮膚の老廃物が元になった匂いだったのかもしれません。
そう言えば、ぺぺの左前足にも、獣医のA先生に「良性腫瘍」と診断された
私のと同じくらいの大きさのコブがあったのですから
そんな所まで飼い主のお父さんに似た可愛いヤツだったのですねぇ。
もし化膿していたら、こんなヒドイ痛さを味わい
ぺぺが大嫌いなA先生の所に通うことになったかもしれないし
それよりも何よりも、前右足1本では1日も欠かさなかった散歩が
1週間はできなくなっていたはずで、こうならずに本当に良かったと思うことにしましょう。
まさかこんなことで、また鮮明に思い出すことになろうとは…